26 / 66
新たな家族
第二十五話
しおりを挟む
「シエル?」
アヒンを見つめながらそう呟く女性。
「母様、アヒン坊っちゃまがリンゴをくださったんだ!今皮を向いてくるから待っててね!坊っちゃまはどうぞこちらにおすわり下さい、ここは寒いですからお茶を入れて来ますね!」
ノエルはそう言って部屋の奥へと消えていった。
「、、、あなたは。」
アヒンが口を開くも女性は混乱しているのか口をパクパクとするばかり。
「あなたは一体誰なんだ、、、、あなたも、、、あなたの子供も、、、、なぜこんなにも心が苦しいんだ。私にとってあなたは一体なんなんだ。」
「シエル、、、なの?」
女性はアヒンの言葉を他所に「ノエル」という言葉を口にする。
「誰なんだ。シエルというのは、、、、私は一体誰なんだ。」
アヒンは涙を流していた。
今まで何が起きても無表情のままを貫いていたアヒンが涙を流し続けていた。
「何故あなたを見るとこんなにも悲しい気持ちになるんだ、、、」
「私の可愛いシエル、、、あなたはここに来ては行けないのよ、、、、、」
「、、、私は全てを知りたい。彼は誰なのか、あなたは誰なのか。私が誰なのか、、、、」
その時お茶と切ったリンゴをノエルが持ってきた。
「母様?、、、坊っちゃま?!どこが痛いのですか?」
「ノエル、、、こちらに来なさい」
母に言われるがままベットの傍らに立つと
アヒン見つめながら口を開く。
「昔話をしましょう、、、」
むかしむかし、なんの取り柄もない女がいました。
いつか素敵な人と結ばれることを夢見ながらあるお城でメイドとして働いていたのです。
そんなある日私は常習犯様に見咎められ、その身を捧げることとなりました。
いけないことでした。
あってはならない事だったのです。
しかし女は初めて必要とされた気がして嬉しい気持ちに支配されました。
そしてかけがえのない宝物を授かることが出来たのでした。
可愛らしい私と同じ髪色の男の子。
愛らしい私と同じ瞳の女の子。
たとえ城主様がいなくてもこの子達が居れば私は幸せだった、、、
私は、、、私は私は私は私は!!!!
ある日城主様が女の部屋に来てこう言いました。
「一人は私と妻の息子として育てることとする。拒めばもう片方の子供の命はないぞ。」
女は従うしか無かった。
どちらも可愛い自分の子供。
でもあなたの手を離してしまったことを今でも後悔している。
こうするしかなかったと頭では分かっていても心はいつまでも後悔に苛まれている、、、、
「シエル、、、私があなたにつけた名前。でも私の子であることを明かしてはダメよ。ノエルもシエルも危険な目にあってしまう。」
「母上、、、」
アヒン、、、いや、ノエルは母である女性に近付く。
「本当に、、、、本当に私の母であると言うならば、、、、、」
シエルは優しく母の手を握るとその拳にひとしずくの涙がこぼれおちていった。
「どうか、どうか、、、いつまでも、、、元気に、、、」
不思議とシエルはその女性の言葉を信じることが出来た。
出会った瞬間からずっとずっと。
あぁ、自分は。ずっとこの人の元に帰りたかったんだ。
次回へ続く!
引き続き感想コメントお待ちしております!掲示板へコメントいただけると嬉しいです!
アヒンを見つめながらそう呟く女性。
「母様、アヒン坊っちゃまがリンゴをくださったんだ!今皮を向いてくるから待っててね!坊っちゃまはどうぞこちらにおすわり下さい、ここは寒いですからお茶を入れて来ますね!」
ノエルはそう言って部屋の奥へと消えていった。
「、、、あなたは。」
アヒンが口を開くも女性は混乱しているのか口をパクパクとするばかり。
「あなたは一体誰なんだ、、、、あなたも、、、あなたの子供も、、、、なぜこんなにも心が苦しいんだ。私にとってあなたは一体なんなんだ。」
「シエル、、、なの?」
女性はアヒンの言葉を他所に「ノエル」という言葉を口にする。
「誰なんだ。シエルというのは、、、、私は一体誰なんだ。」
アヒンは涙を流していた。
今まで何が起きても無表情のままを貫いていたアヒンが涙を流し続けていた。
「何故あなたを見るとこんなにも悲しい気持ちになるんだ、、、」
「私の可愛いシエル、、、あなたはここに来ては行けないのよ、、、、、」
「、、、私は全てを知りたい。彼は誰なのか、あなたは誰なのか。私が誰なのか、、、、」
その時お茶と切ったリンゴをノエルが持ってきた。
「母様?、、、坊っちゃま?!どこが痛いのですか?」
「ノエル、、、こちらに来なさい」
母に言われるがままベットの傍らに立つと
アヒン見つめながら口を開く。
「昔話をしましょう、、、」
むかしむかし、なんの取り柄もない女がいました。
いつか素敵な人と結ばれることを夢見ながらあるお城でメイドとして働いていたのです。
そんなある日私は常習犯様に見咎められ、その身を捧げることとなりました。
いけないことでした。
あってはならない事だったのです。
しかし女は初めて必要とされた気がして嬉しい気持ちに支配されました。
そしてかけがえのない宝物を授かることが出来たのでした。
可愛らしい私と同じ髪色の男の子。
愛らしい私と同じ瞳の女の子。
たとえ城主様がいなくてもこの子達が居れば私は幸せだった、、、
私は、、、私は私は私は私は!!!!
ある日城主様が女の部屋に来てこう言いました。
「一人は私と妻の息子として育てることとする。拒めばもう片方の子供の命はないぞ。」
女は従うしか無かった。
どちらも可愛い自分の子供。
でもあなたの手を離してしまったことを今でも後悔している。
こうするしかなかったと頭では分かっていても心はいつまでも後悔に苛まれている、、、、
「シエル、、、私があなたにつけた名前。でも私の子であることを明かしてはダメよ。ノエルもシエルも危険な目にあってしまう。」
「母上、、、」
アヒン、、、いや、ノエルは母である女性に近付く。
「本当に、、、、本当に私の母であると言うならば、、、、、」
シエルは優しく母の手を握るとその拳にひとしずくの涙がこぼれおちていった。
「どうか、どうか、、、いつまでも、、、元気に、、、」
不思議とシエルはその女性の言葉を信じることが出来た。
出会った瞬間からずっとずっと。
あぁ、自分は。ずっとこの人の元に帰りたかったんだ。
次回へ続く!
引き続き感想コメントお待ちしております!掲示板へコメントいただけると嬉しいです!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。
亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。
しかし皆は知らないのだ
ティファが、ロードサファルの王女だとは。
そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在
唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話
中山加恋(20歳)
二十歳でトオルの妻になる
何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛
中山トオル(32歳)
17歳の加恋に一目ぼれ
加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する
加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる
会社では群を抜くほどの超エリートが、
愛してやまない加恋ちゃんに
振り回されたり落ち込まされたり…
そんなイケメンエリートの
ちょっと切なくて笑えるお話
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる