冷血公爵は呪われし美女を溺愛する

ナナスケ

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新たな家族

第二十五話

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「シエル?」

アヒンを見つめながらそう呟く女性。

「母様、アヒン坊っちゃまがリンゴをくださったんだ!今皮を向いてくるから待っててね!坊っちゃまはどうぞこちらにおすわり下さい、ここは寒いですからお茶を入れて来ますね!」

ノエルはそう言って部屋の奥へと消えていった。

「、、、あなたは。」

アヒンが口を開くも女性は混乱しているのか口をパクパクとするばかり。

「あなたは一体誰なんだ、、、、あなたも、、、あなたの子供も、、、、なぜこんなにも心が苦しいんだ。私にとってあなたは一体なんなんだ。」

「シエル、、、なの?」

女性はアヒンの言葉を他所に「ノエル」という言葉を口にする。

「誰なんだ。シエルというのは、、、、私は一体誰なんだ。」

アヒンは涙を流していた。

今まで何が起きても無表情のままを貫いていたアヒンが涙を流し続けていた。

「何故あなたを見るとこんなにも悲しい気持ちになるんだ、、、」

「私の可愛いシエル、、、あなたはここに来ては行けないのよ、、、、、」

「、、、私は全てを知りたい。彼は誰なのか、あなたは誰なのか。私が誰なのか、、、、」


その時お茶と切ったリンゴをノエルが持ってきた。

「母様?、、、坊っちゃま?!どこが痛いのですか?」

「ノエル、、、こちらに来なさい」

母に言われるがままベットの傍らに立つと
アヒン見つめながら口を開く。

「昔話をしましょう、、、」


むかしむかし、なんの取り柄もない女がいました。
いつか素敵な人と結ばれることを夢見ながらあるお城でメイドとして働いていたのです。
そんなある日私は常習犯様に見咎められ、その身を捧げることとなりました。
いけないことでした。
あってはならない事だったのです。

しかし女は初めて必要とされた気がして嬉しい気持ちに支配されました。

そしてかけがえのない宝物を授かることが出来たのでした。

可愛らしい私と同じ髪色の男の子。

愛らしい私と同じ瞳の女の子。

たとえ城主様がいなくてもこの子達が居れば私は幸せだった、、、

私は、、、私は私は私は私は!!!!

ある日城主様が女の部屋に来てこう言いました。

「一人は私と妻の息子として育てることとする。拒めばもう片方の子供の命はないぞ。」

女は従うしか無かった。

どちらも可愛い自分の子供。

でもあなたの手を離してしまったことを今でも後悔している。

こうするしかなかったと頭では分かっていても心はいつまでも後悔に苛まれている、、、、





「シエル、、、私があなたにつけた名前。でも私の子であることを明かしてはダメよ。ノエルもシエルも危険な目にあってしまう。」


「母上、、、」

アヒン、、、いや、ノエルは母である女性に近付く。

「本当に、、、、本当に私の母であると言うならば、、、、、」

シエルは優しく母の手を握るとその拳にひとしずくの涙がこぼれおちていった。

「どうか、どうか、、、いつまでも、、、元気に、、、」


不思議とシエルはその女性の言葉を信じることが出来た。
出会った瞬間からずっとずっと。


あぁ、自分は。ずっとこの人の元に帰りたかったんだ。



次回へ続く!


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