冷血公爵は呪われし美女を溺愛する

ナナスケ

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新たな家族

第三十話

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「リアム様、わたしのワガママに応じて下さりありがとうございます。」

久しぶりに夜の庭を2人で歩くローズとリアム。
申し訳なさそうに俯きながらローズはリアムに感謝の言葉を述べていた。

「それに、お仕事の邪魔になるような真似までして、、」

「構わん、お前が人に対して心を動かしたのは大きな変化だ。それに、補佐役を付けようと思っていたからお前が心を許している者に任せた方が捗るだろう。」

春ではあるが北の地の冷たい風が頬を掠めていく。

「あの子たちに私のような時間を過ごして欲しくないんです。」

家族と希望を無くしたローズは5年間城の中で虚無の時を過ごしていた。
ローズは彼らにそんな意味の無い時を過ごさせたくなかったのだ。
悲しそうに伏せるローズにリアムは頭を優しく撫でる。

「俺はお前のように人に何かを与えることが不得手だ。」

「、、、、」

リアムはローズに額を付けると鼻先に触れるだけのキスを落とす。

「だが、暫く放っておかれて少し不機嫌ではある。ヴェルグラ城に戻ったら覚悟しておけ?」

「っ!!!!」

ニヤリと意地悪そうに笑いながら赤面するローズを抱き上げる。

「このお城はどうなさるんですか?」

「本邸の者を何人か置くとする。いずれこの城の主となるものが戻ってくるであろうからな。」




数日後、アベル城から本邸のヴェルグラ城に戻ることとなった。

ヴェルグラ領に戻るとローズの付き人となったシエルとノエルはたちまち街中の注目の的となった。

原因は言わずもがなその外見だ。ローズに似た儚い雰囲気を纏う男装した美少女に顔は似ているものの愛らしい姿の美少年。
街のみなの心をすぐさま掴んだのだった。

そんなシエルはリアムの計らいによりすぐさま騎士団の入団を認め、剣の稽古に力を入れた。
ローズは最初反対をしていたが、本人の希望もあり渋々認める。
ノエルは経理や政治学をローズと共に図書室に缶詰になりながら勉強していた。
ノエルと違い頭脳派であるシエルはリアムの専属執事であるレオも驚かせていた。

リアムは宣言通り、城に戻るや否や執務室にローズを呼び出し膝の上に乗せて仕事をし始めた。
流石にレオが止めたが有無を言わさぬ迫力に諦めたようだ。

「リアム様、仕事がしずらくはありませんか?」

「いい、これで捗るんだ。大人しくしとけ。」

「、、、は、はい。」

赤面するローズを他所に仕事をしているとリアムの指がピクリと動く。

「ちっ、、、今回は早いな。」

少し苦しそうに歪むリアムの表情。

「リアム様?どこかお加減が、、、」

不安そうに見つめるローズの頬を優しく撫で抱きしめる。

「、、、、ローズ。今の俺の姿を忘れないでくれ。」




第三章~新たな家族~ 完  









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