冷血公爵は呪われし美女を溺愛する

ナナスケ

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野獣

第三十七話

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あぁ、、、僕のローズ。

可哀想に、、、、君の美しさを妬む者から毒を盛られるなんて。

僕がそばにいられたなら。

そんな悲しいことはさせなかった。

大丈夫、きっと、、、、きっと僕が。


               幸せにしてあげるよ


時に爵位のある名家でも財産しだいでは商家と結婚をする場合もある。
アグノエル領随一の商家であるフォンス家はローズの婚約者候補のひとつであった

その次男であるエドワード・フォンスはアグノエル城の庭で花を愛でるローズの姿が目に焼き付き、それ以来脳裏を離れないでいた。
雪のように白い肌に薔薇のような赤い唇。明るすぎないアイボリーな髪を風になびかせ、こちらに気づき目が合うとその海のように蒼い瞳に目が離せなかった。
自分の隣で微笑んで欲しいと願ったその年、ローズは何者かによって毒殺されかけ。
心を閉ざし、城から出ることはなくなった。

「あぁ、城を見る度に君の姿を思い浮かべては心を痛ませていたものだよ?君は人形なんかじゃない。あのパーティだって出なくてよかったんだ。僕しかいないって決まっていたのだから。でも、、、、でも君は優しかった。その優しさが悲劇を呼び起こしてしまったのかもしれないね?今回の婚約だってそうなんだろう?」

見知らぬ小屋に押し込まれたローズは部屋の隅に追いやられ縮こまっていた。

「君が望んだ婚約ではないことくらいわかってるさ。大丈夫、公爵だろうと皇帝だろうと。全てから君を守ろう。」

そういうとエドワードはローズに口付けをした。

「やめてぇ!」

突き放そうとするがローズの力では到底押し返すことが出来ない。

「恥じらっているの?それともまた優しさかい?望んだ婚約ではなくとも婚約者である彼に申し訳ないとでも?」

彼の瞳はかつての輝きを失いくすんでいる。
ローズはただならぬ雰囲気を纏うエドワードに身を震わしていた。

「エドワード、、、お願い、、、やめて。」

「何をそんなに怯えているんだい?僕が助けたんだ。彼から。冷血で、、、優しさもない、、、、、あんな血に飢えた!!!」

エドワードが腰の剣を抜き地面に勢いよく刺した。

「君は知らないんだ、、、彼の本性を。戦争とはいえ人を殺して喜んでいるようなケダモノと、、、、あぁ、、やっと解放されたんだね。この機会を逃してはいけないよ。さぁ、僕と共に行こう。」

彼の言葉にローズの指がぴくりと動いた。

「貴方は彼の何を知っていると言うの?貴方は彼のどんな本性を知っていると言うの?」

ゆっくりと立ち上がりながらローズは言葉の語気を強めていく。

「誘拐まがいなことをして共に来い?目的が何であれ私をあの城から出してくれたのは彼だけだった!」

「私を、リアム・ヴェルグラの元に返して!」

ローズが声を張り上げた途端エドワードの背後にあるドアが大きな音とともに弾け飛ぶ。


煙の中から聞こえるのは獣の唸り声、、、そして紅く光る2つの瞳孔がエドワードを捉えていた。



次回に続く!

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