シュガーグライダーズ

もっちり羊

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【第一章】チューニング

The Universe Sent Me

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 私の地獄車攻撃は次第にその高度を落としていき、トカゲのナイフと擦れ合いながらも遂には地上へと着地する。
 私の纏うエネルギーが着地と同時にぶわっと周囲に放出され、トカゲの体勢がゆらりとよろけた。
 私はその一瞬を見逃さず、地を蹴り再びロケットスタートで鎌をトカゲへと振るう。
 トカゲの両脚を切り落としてもおかしくないタイミングではあったはずだが、トカゲは足元を整えながらナイフで再び斬撃を受け止める。
 続く鎌による連撃もまた、ナイフで器用に捌かれてしまう。
「あああ!!!ウザい!!!!!」鎌を何度も振るいながら私は思わず叫んだ。「さっさと通せクソトカゲ!!!」
「貴様らのようなエサ風情に我々ゲッコウがやられたとなっては、世界のバランスが狂うわ!」
「そんなバランス、アンタらの妄想なんじゃないの!」
「妄想だと?世界など妄想の継続だろうが!」
「なら私の妄想を真実にしてやる!」
 私は大きくバックステップをし、トカゲの足元を睨みつけ、それを緑の蔦が絡め取る想像をする。
 そしてそれはすぐに現実化した。地面にボコっと穴が開き、大蛇のような蔦がトカゲの足へと絡みついた。
「な、なんだ!?」
「もう遅い!」
 私は左手で想像上のピアノ線を引く。手元に確かにその手応えを感じる。このエネルギーはきっとこう使うのだ。
「ぐわぁっ!」トカゲが蔦に引かれ、その巨体を地面へと落とす。
「ここで決めてやる!」
 私はピアノ線を引いた左手に力を込め、今度は何かの儀式のように、下から上へ、下から上へと何かを誘うように繰り返す。
 蔦の出た穴を中心にして地面が更に大きく割れ、地中から真っ白い巨大な十字架が現れる。
 トカゲの背後でそれがゆっくりと上昇し、そこから伸びる太い蔦がトカゲの四肢を引き寄せて十字架に磔にする。
「ぐッ……!小娘ぇ!!!」トカゲはもがくが蔦は一向にほどけない。十字架はみるみるうちにその高度を上げていく。
「リコリス!」私は鎌を体の前で構える。
「シュガァァァァァァ……」軽く目を瞑り、鎌を軽く握って、体の後ろへギリギリと持って行く。エネルギーが刃先へと集まり、斧のような形に集約される。それは直視しなくても鮮明に感じられる。
 まぶたを開き、助走をつけて、地面を蹴る。
 体が上空の十字架目掛け、また弾丸のように飛んでいく。私は鎌をぎゅっと握る。
「クソがああああああああああ!!!」
「ザッパアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
 上空でトカゲを十字架ごと真っ二つにぶった切り、私は着地する。エネルギーによるものか、背後でトカゲは大爆発する。
 断末魔がドーパミンを分泌させ、人殺しの感触でアドレナリンが脳内を氾濫した。
 最早私は快感という概念そのもののような気分だった。
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