ただΩというだけで。

さほり

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約束

14.

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  彼の声が、乾の鼓膜を震わせ心に響く。泣きたいほど嬉しくて、乾は津田の身体を強く抱きしめた。耳元に触れた、津田の唇。それが小さく、続きを告げた。

「…… しあわせで、怖い…… 」

  その痛々しい呟きが、胸に刺さる。掴んだ幸せを、何度も奪われてきた津田。その経験を思えば、幸せになることそのものに臆病になるのも無理はない。それでも彼は、自分と一緒に幸せになることを選んでくれたのだ。

「大丈夫、怖くないよ…… 俺、ずっといるから。津田さんを、一人にしないから」

  乾は津田の柔らかい髪を撫で、彼の揺れる瞳を見つめた。

「うん…… 」

  津田の顔が、痛みを堪えるように歪む。そのまま泣き笑いの表情になって頷く彼を、乾は再び強く抱きしめた。

「うん…… っ」

  肌に触れる頬の感触と声音で、彼が笑っているのが分かる。乾は津田を抱きしめたまま、腰を押し付けて彼と深く繋がった。

「あ゛…… っ」

  敏感な最奥に触れられた津田が、ビクリと身体を揺らす。

「んあ…… っ、あ゛、あ゛あぁ…… っ」

  彼の中にある貪欲なΩの部分が、ずっと欲しがっていた刺激。αの精液で濡れた乾の亀頭が奥を擦るたびに、津田の身体が歓喜と期待に震え、熱い肉壁がうごめいた。

  津田の全身を抱きたい、乾は頭の芯が痺れるような愉悦の中でそう思った。できるだけたくさん、彼と肌を合わせていたい。しっとりと吸いつくような熱い肌に密着していたい。

  抽送のために腰を引くのさえもどかしく感じていると、津田が脚を上げ、乾の腰を抱えて足首を組んだ。固くホールドされ、露骨に吐精を求められている感触にゾクリとする。  
  散々に焦らされたのは、乾の身体も同じだ。αの精液を搾り取ろうとうねりながらキツく締まる肉壺に煽られ、亀頭球は痛いほどに腫れて準備を整えた。
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