27 / 36
恋人編
番外 少し未来のお話
しおりを挟む
響也との交際は順調に進んでいる。
心配していた両親との顔合わせも、あまりの響也のイケメン振りに借りて来た猫の様だった。最初こそ孫が孫がと呟いていたけど尊と過ごす内に今では立派なババ馬鹿ジジ馬鹿になっている。ていうか尊の大人キラー振りが怖い。
そんな尊も学年が上がりもう直ぐ中学生になる。
「早いなー時の流れって」
「そうだね。小学校の運動会も今年で最後だ」
過行く年月の中で俺と響也と尊は存分に人生を謳歌した。
3人で出掛ける時もあれば響也とデートも勿論沢山したし、尊と2人で遊びにも行った。響也は会社での貢献度が高く、重要なポストを任せられる様になり、家を空ける事が増えたのだ。
その時は俺が響也の家に泊まって尊を育てる。
でもそれもあと少しで終わりを告げることとなる。
「運動会が終わればいよいよか」
「ああ。以前から話にはあったが、やっとだね」
尊の運動会が終わったら、俺は今のマンションを引き払う事になっている。
「侑真の会社が柔軟な考えを持っていて良かった。最悪侑真を連れて父母の元へ移住しようかとも考えたが」
「ははは!それだと尊も留学しないといけないからな。友達との関係も良好なのに可哀想だろ」
尊は「何時でも引っ越せるよ」と真顔で言っているが、子供の時の経験は貴重だ。簡単に考えられる問題じゃない。いずれはやっておいた方が良いとは思うが、せめて小学生の間だけは傍にいておくれ。
「響也の会社こそお堅そうなイメージだったのに、降格もされなくて良かったよ」
「うむ。どうやら元嫁との馴れ初めが上層部に知られていたらしくな。寧ろ申し訳ない顔をされてしまった」
だろうな。自分とこの責任ある立場の社員がやらかしてんだから。因みにその元上司は確固たる証拠がないのでクビにも解雇にもなっていないが地方に左遷させられたらしい。さらに裏情報ではこれから先昇給も無いって話だから自分から辞めるんじゃないかって噂もあるとか。
俺はクックと喉で笑って手元の雑誌に視線を落とした。
その一文を指でなぞる。
「もう直ぐここが本当に俺の家になるんだな」
感慨深く呟けば、クスリと笑った響也に肩を寄せられた。
「何を言っているのだね。元からここは君の家でもあるのだよ」
その温かい言葉に俺も響也の腰に手を回しもっと密着するように引き寄せた。
「ああ。でも、それだけじゃない」
ふとTVからアナウンスされた言葉に耳を傾ける。
「正式に俺達は家族だって認められるんだ」
東京都でパートナーシップが正式に認められた。
これを受けて俺達は家族になる事を決意したのだ。
別に籍が一つになる訳じゃない。認められるのは都内に住んでいる間だけ。何より未だにLGBTに否定的な声は多い。だからって訳じゃないけど大々的に式を挙げたりはしない。
でも話を聞いた互いの両親がお祝いをしようと言ってくれた。
今は母さんとお義母さんが結託して盛り上げようと息巻いている。
「良い人達に巡り合えたな」
「そうだね。その中でも君は一番得難い存在だよ」
「響也……。ああ、俺もだ」
引き寄せ合っていた体は自然と顔を合わせ、そして今日もまた、愛を確かめ合う。
※※※東京都でパートナーシップが施行された記念に書きました※※※
心配していた両親との顔合わせも、あまりの響也のイケメン振りに借りて来た猫の様だった。最初こそ孫が孫がと呟いていたけど尊と過ごす内に今では立派なババ馬鹿ジジ馬鹿になっている。ていうか尊の大人キラー振りが怖い。
そんな尊も学年が上がりもう直ぐ中学生になる。
「早いなー時の流れって」
「そうだね。小学校の運動会も今年で最後だ」
過行く年月の中で俺と響也と尊は存分に人生を謳歌した。
3人で出掛ける時もあれば響也とデートも勿論沢山したし、尊と2人で遊びにも行った。響也は会社での貢献度が高く、重要なポストを任せられる様になり、家を空ける事が増えたのだ。
その時は俺が響也の家に泊まって尊を育てる。
でもそれもあと少しで終わりを告げることとなる。
「運動会が終わればいよいよか」
「ああ。以前から話にはあったが、やっとだね」
尊の運動会が終わったら、俺は今のマンションを引き払う事になっている。
「侑真の会社が柔軟な考えを持っていて良かった。最悪侑真を連れて父母の元へ移住しようかとも考えたが」
「ははは!それだと尊も留学しないといけないからな。友達との関係も良好なのに可哀想だろ」
尊は「何時でも引っ越せるよ」と真顔で言っているが、子供の時の経験は貴重だ。簡単に考えられる問題じゃない。いずれはやっておいた方が良いとは思うが、せめて小学生の間だけは傍にいておくれ。
「響也の会社こそお堅そうなイメージだったのに、降格もされなくて良かったよ」
「うむ。どうやら元嫁との馴れ初めが上層部に知られていたらしくな。寧ろ申し訳ない顔をされてしまった」
だろうな。自分とこの責任ある立場の社員がやらかしてんだから。因みにその元上司は確固たる証拠がないのでクビにも解雇にもなっていないが地方に左遷させられたらしい。さらに裏情報ではこれから先昇給も無いって話だから自分から辞めるんじゃないかって噂もあるとか。
俺はクックと喉で笑って手元の雑誌に視線を落とした。
その一文を指でなぞる。
「もう直ぐここが本当に俺の家になるんだな」
感慨深く呟けば、クスリと笑った響也に肩を寄せられた。
「何を言っているのだね。元からここは君の家でもあるのだよ」
その温かい言葉に俺も響也の腰に手を回しもっと密着するように引き寄せた。
「ああ。でも、それだけじゃない」
ふとTVからアナウンスされた言葉に耳を傾ける。
「正式に俺達は家族だって認められるんだ」
東京都でパートナーシップが正式に認められた。
これを受けて俺達は家族になる事を決意したのだ。
別に籍が一つになる訳じゃない。認められるのは都内に住んでいる間だけ。何より未だにLGBTに否定的な声は多い。だからって訳じゃないけど大々的に式を挙げたりはしない。
でも話を聞いた互いの両親がお祝いをしようと言ってくれた。
今は母さんとお義母さんが結託して盛り上げようと息巻いている。
「良い人達に巡り合えたな」
「そうだね。その中でも君は一番得難い存在だよ」
「響也……。ああ、俺もだ」
引き寄せ合っていた体は自然と顔を合わせ、そして今日もまた、愛を確かめ合う。
※※※東京都でパートナーシップが施行された記念に書きました※※※
0
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる