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29.死霊の逆襲
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「……と、まあこんな感じで撃退されてしまいましたの」
レイの語った経緯に、ダリアは驚きを隠せないと言った様子で口を開き、サヤもさすがにいつものような笑顔が消えていた。
対してリーガンによって追い払われたレイ本人はやはり人形らしい無表情であり、その言葉にも特段焦りのようなものは見られない。
「い、いやいや! 『こんな感じで』じゃなくないか!? 結構ソレってヤバい事なんじゃ!?」
少し置いた後に状況を飲み込んだダリアが慌てた様子で言う。
それに対し、レイは小さく頷いた。
「まあそうですわね。まさかこのわたくしが撃退されてしまうとは。これほどの魔力を持った者がいるとは、いささか人間を舐めていましたわね」
「そう言うにしては随分と落ち着いてるなお前……」
「ふん、ここで慌てふためくなどそれこそ愚の骨頂、恥の上塗りですわ。身分あるものはこういうときこそ落ち着きを持って現実を受け止め、品のある振る舞いを心がけねば底が知れてしまうというものなのです」
「身分も何もお前ただの人形じゃん」
「なんですって小娘」
「一瞬で沸騰してんじゃねぇか品のある振る舞いはどうした品のある振る舞いは」
言い合うダリアとレイだったが、その横でサヤは考え込むように口元に曲げた指を添える。
そして少しの間「んー……」と考え込むような声を出し、そして言う。
「……そもそも、ちゃんした組織だったのね祓魔省って」
「ああ、確かにそれはオレも思ったよ。エクソシストって名前は聞いたことあるけど正直何やってるか分からないっていうか、こう胡散臭いイメージはあったな」
サヤの言葉にダリアが頷いた。
祓魔省は別に秘密の組織という訳ではなかった。
公に存在が知られている、聖光輝教の一機関なのである。
だがその実態を把握している外部の人間は少なく、世間的には教会において問題のある人間が送られる閑職とまで噂されている組織だったのだ。
ゆえにサヤもダリアもそういった感想を抱いた。
「あらあら、当の人間達の間ではそういう扱いでしたのね」
だが、彼女らのそんな言葉にレイが少しびっくりしたような声色で言った。
「え? お前は知ってたの?」
「ええ、チャイルド家の屋敷に憑いていたとはいえ、アローマウスでの魔力絡みの状況ならだいたい把握はしておりました。そしてその中で屋敷の外では強い魔力を持つ人間が“同類”に対処していた事は知っていましたし、中には無謀にもわたくしに挑んでくる者もいました。まあそういった者はすべて返り討ちにしていたのですが」
レイの説明にサヤは「なるほどね」と納得したように首を小さく振った。
だが一方でダリアはまだしっくり来ていないという難しげな顔をしたままだった。
「えーと……そもそも魔力が強いとお前らみたいなのを感知したり対抗できるのを知らなかったんだけどオレは」
そしてまず前提として分かっていなかった部分をダリアは口にした。
他の二人にとっては当たり前の事らしいが、ダリアにとってはそうではないのでそこを知っている者として話されても困るのである。
「おやまあ? そこからですの?」
明らかに小馬鹿にしたレイの半笑いな言葉が飛んできた。
レイ自体に表情はないというのになぜか表情でまでバカにされていると感じたダリアは、露骨に不機嫌を見せる。
「あぁ!? いいだろ別に! こちとらサヤと会うまでそういう存在がいることすら知らなかったんだぞ!」
「いえいえ、ただ人間の愚かさや目に見えないモノへの無頓着ぶりに呆れただけですわ。普段から魔力を便利に使っているというのにその本質すら理解をしていないなんて、と……。なので別にあなた個人をバカにする意図はないのでそう怒らないでくださいな無学な小娘」
「わざわざ無学ってつけてるあたりあるだろそういう意図!」
「まあまあ。でも仕方ないわよ、私だって生前は強い力を持っていたけれど今の私のような存在には気付けなかったのだから、結局は人の世全体の問題ではないかしら」
「……あなたの場合、あまりにも生前の力が強すぎて逆に生半可な“同類”では近寄る事すらできなかっただけだと思いますわよ? あとはまあ、精神性が魔力に影響していたのもあるでしょうね。生への肯定的な善性というのはわたくし達の力とは正反対の方向ですし」
今度はレイが少し困ったように言った。
彼女の顔に動きはないのになぜだか半目でサヤを見つめているような感覚をダリアは感じた。
「まあともかく、改めて小娘に言うと強い魔力を持つ者は普通ならわたくし達のような存在を自然と感知するようになるのです。中には感知だけして対抗手段もなく破滅していく者もそこそこにはいるようで。しかし、あのエクソシストは違いましたわ。……あれは、段違いです」
説明口調であったレイの言葉は、最後に途端に重苦しくなる。
彼女のその口振りに、ダリアは思わず息を呑む。
「ええ、それは私もそう思うわ。レイの力は間違いなく“同類”達の中でも最上位。こうして人から成り上がったばかりの私でもそれはよく分かる。しかしそれを払いのけるということは、魔力だけでなく私達のような存在と戦う術も熟知しているという事」
「それも間違いないですわね。実際、わたくしの目の前でわたくしの呪いを逆探知して町長の屋敷から追い払ったあの一連の動きに淀みはありませんでした。慣れてますわね、アレ」
「んー……ここに来て強敵出現かぁ……今まで順調だったと思ってたんだけれど」
サヤ達の言葉にダリアは眉間に皺を寄せ、首の後ろになんとなく手を置いて揉んだ。
これからどうするべきか、人間である自分がどうにかした方がいいのかと考え始める。
「いえ? 別にそんな悩む事じゃないわよ?」
だが、そんなダリアの心中を魂の共有からか、それとも単に彼女の露骨な仕草からか、いやきっとその両方で察したのであろうサヤがあっけらかんと言い放った。
「え? でもめちゃくちゃ強い……らしい? この高慢人形でもやられたぐらいなんだろ? それってデカい障害になるんじゃ」
「こら小娘さらっとなんですか疑問形な言い方に加えてその不名誉な呼び方は」
「そうね、レイの呪いを払いのけるなんて間違いなく強力な魔力の持ち主よ。でも、私がその力に勝てないなんて、一言も言ってないけれど?」
そこでサヤは、腕を優雅に組みながらニヤリと笑みを浮かべた。
これまで幾度となく見せた、獲物を前にして邪悪な企みで心を踊らせている、悍ましい微笑だ。
不意に見せたその表情に、慣れているはずのダリアもつい一瞬背筋を震わせる。
「……まあ、サヤなら問題ないでしょうね。私が最上位ならば、サヤはこの此岸の世において頂点でしょうから」
少しだけ悔しさが感じられるレイの言葉に、ダリアは彼女らが言っている事が間違いではない事を察する。
一方でサヤは、既にいつものようにこれから先、自らの手によって起こす惨劇に期待を膨らませとてもにこやかに浮ついていた。
「くすくす……。完全に呪いの繋がりを絶たれていればまた面倒はあったでしょうけれどそこはさすがレイ、あの家にはまだしっかりと道を繋げてくれたまま。なら、その道を今度は私が辿って行きましょう。そのエクソシストとやらに思い知らせてあげようじゃないの、人間には絶対に抗えない力というものがある事を」
すっと手のひらを上に伸ばした状態で右手を前に伸ばすサヤ。
何かを掴むように曲げられた指に、その先を嗤い睨む彼女の視線の方角、宿屋の古びた薄い壁の向こうには、聖光輝教きってのエクソシストであるリーガン・クロウが迎撃態勢を整えているであろう町長邸宅が存在していた。
レイの語った経緯に、ダリアは驚きを隠せないと言った様子で口を開き、サヤもさすがにいつものような笑顔が消えていた。
対してリーガンによって追い払われたレイ本人はやはり人形らしい無表情であり、その言葉にも特段焦りのようなものは見られない。
「い、いやいや! 『こんな感じで』じゃなくないか!? 結構ソレってヤバい事なんじゃ!?」
少し置いた後に状況を飲み込んだダリアが慌てた様子で言う。
それに対し、レイは小さく頷いた。
「まあそうですわね。まさかこのわたくしが撃退されてしまうとは。これほどの魔力を持った者がいるとは、いささか人間を舐めていましたわね」
「そう言うにしては随分と落ち着いてるなお前……」
「ふん、ここで慌てふためくなどそれこそ愚の骨頂、恥の上塗りですわ。身分あるものはこういうときこそ落ち着きを持って現実を受け止め、品のある振る舞いを心がけねば底が知れてしまうというものなのです」
「身分も何もお前ただの人形じゃん」
「なんですって小娘」
「一瞬で沸騰してんじゃねぇか品のある振る舞いはどうした品のある振る舞いは」
言い合うダリアとレイだったが、その横でサヤは考え込むように口元に曲げた指を添える。
そして少しの間「んー……」と考え込むような声を出し、そして言う。
「……そもそも、ちゃんした組織だったのね祓魔省って」
「ああ、確かにそれはオレも思ったよ。エクソシストって名前は聞いたことあるけど正直何やってるか分からないっていうか、こう胡散臭いイメージはあったな」
サヤの言葉にダリアが頷いた。
祓魔省は別に秘密の組織という訳ではなかった。
公に存在が知られている、聖光輝教の一機関なのである。
だがその実態を把握している外部の人間は少なく、世間的には教会において問題のある人間が送られる閑職とまで噂されている組織だったのだ。
ゆえにサヤもダリアもそういった感想を抱いた。
「あらあら、当の人間達の間ではそういう扱いでしたのね」
だが、彼女らのそんな言葉にレイが少しびっくりしたような声色で言った。
「え? お前は知ってたの?」
「ええ、チャイルド家の屋敷に憑いていたとはいえ、アローマウスでの魔力絡みの状況ならだいたい把握はしておりました。そしてその中で屋敷の外では強い魔力を持つ人間が“同類”に対処していた事は知っていましたし、中には無謀にもわたくしに挑んでくる者もいました。まあそういった者はすべて返り討ちにしていたのですが」
レイの説明にサヤは「なるほどね」と納得したように首を小さく振った。
だが一方でダリアはまだしっくり来ていないという難しげな顔をしたままだった。
「えーと……そもそも魔力が強いとお前らみたいなのを感知したり対抗できるのを知らなかったんだけどオレは」
そしてまず前提として分かっていなかった部分をダリアは口にした。
他の二人にとっては当たり前の事らしいが、ダリアにとってはそうではないのでそこを知っている者として話されても困るのである。
「おやまあ? そこからですの?」
明らかに小馬鹿にしたレイの半笑いな言葉が飛んできた。
レイ自体に表情はないというのになぜか表情でまでバカにされていると感じたダリアは、露骨に不機嫌を見せる。
「あぁ!? いいだろ別に! こちとらサヤと会うまでそういう存在がいることすら知らなかったんだぞ!」
「いえいえ、ただ人間の愚かさや目に見えないモノへの無頓着ぶりに呆れただけですわ。普段から魔力を便利に使っているというのにその本質すら理解をしていないなんて、と……。なので別にあなた個人をバカにする意図はないのでそう怒らないでくださいな無学な小娘」
「わざわざ無学ってつけてるあたりあるだろそういう意図!」
「まあまあ。でも仕方ないわよ、私だって生前は強い力を持っていたけれど今の私のような存在には気付けなかったのだから、結局は人の世全体の問題ではないかしら」
「……あなたの場合、あまりにも生前の力が強すぎて逆に生半可な“同類”では近寄る事すらできなかっただけだと思いますわよ? あとはまあ、精神性が魔力に影響していたのもあるでしょうね。生への肯定的な善性というのはわたくし達の力とは正反対の方向ですし」
今度はレイが少し困ったように言った。
彼女の顔に動きはないのになぜだか半目でサヤを見つめているような感覚をダリアは感じた。
「まあともかく、改めて小娘に言うと強い魔力を持つ者は普通ならわたくし達のような存在を自然と感知するようになるのです。中には感知だけして対抗手段もなく破滅していく者もそこそこにはいるようで。しかし、あのエクソシストは違いましたわ。……あれは、段違いです」
説明口調であったレイの言葉は、最後に途端に重苦しくなる。
彼女のその口振りに、ダリアは思わず息を呑む。
「ええ、それは私もそう思うわ。レイの力は間違いなく“同類”達の中でも最上位。こうして人から成り上がったばかりの私でもそれはよく分かる。しかしそれを払いのけるということは、魔力だけでなく私達のような存在と戦う術も熟知しているという事」
「それも間違いないですわね。実際、わたくしの目の前でわたくしの呪いを逆探知して町長の屋敷から追い払ったあの一連の動きに淀みはありませんでした。慣れてますわね、アレ」
「んー……ここに来て強敵出現かぁ……今まで順調だったと思ってたんだけれど」
サヤ達の言葉にダリアは眉間に皺を寄せ、首の後ろになんとなく手を置いて揉んだ。
これからどうするべきか、人間である自分がどうにかした方がいいのかと考え始める。
「いえ? 別にそんな悩む事じゃないわよ?」
だが、そんなダリアの心中を魂の共有からか、それとも単に彼女の露骨な仕草からか、いやきっとその両方で察したのであろうサヤがあっけらかんと言い放った。
「え? でもめちゃくちゃ強い……らしい? この高慢人形でもやられたぐらいなんだろ? それってデカい障害になるんじゃ」
「こら小娘さらっとなんですか疑問形な言い方に加えてその不名誉な呼び方は」
「そうね、レイの呪いを払いのけるなんて間違いなく強力な魔力の持ち主よ。でも、私がその力に勝てないなんて、一言も言ってないけれど?」
そこでサヤは、腕を優雅に組みながらニヤリと笑みを浮かべた。
これまで幾度となく見せた、獲物を前にして邪悪な企みで心を踊らせている、悍ましい微笑だ。
不意に見せたその表情に、慣れているはずのダリアもつい一瞬背筋を震わせる。
「……まあ、サヤなら問題ないでしょうね。私が最上位ならば、サヤはこの此岸の世において頂点でしょうから」
少しだけ悔しさが感じられるレイの言葉に、ダリアは彼女らが言っている事が間違いではない事を察する。
一方でサヤは、既にいつものようにこれから先、自らの手によって起こす惨劇に期待を膨らませとてもにこやかに浮ついていた。
「くすくす……。完全に呪いの繋がりを絶たれていればまた面倒はあったでしょうけれどそこはさすがレイ、あの家にはまだしっかりと道を繋げてくれたまま。なら、その道を今度は私が辿って行きましょう。そのエクソシストとやらに思い知らせてあげようじゃないの、人間には絶対に抗えない力というものがある事を」
すっと手のひらを上に伸ばした状態で右手を前に伸ばすサヤ。
何かを掴むように曲げられた指に、その先を嗤い睨む彼女の視線の方角、宿屋の古びた薄い壁の向こうには、聖光輝教きってのエクソシストであるリーガン・クロウが迎撃態勢を整えているであろう町長邸宅が存在していた。
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