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淋しい婚姻の果てに
2 一人きりの夜 2
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休もう、と思った。何度も何度も……がどうしても目が覚めてしまうのだ。
「寒い……」
確か、ベッドは温めてもらっていたはず…足を入れた際にはとても良い心地だった。けれど今では部屋は冷気に包まれて寝具を深く被っていても冷気に押し潰されるかと思うほどであった。
「なんで、こんなに寒いのかしら?」
部屋には暖炉があり、薪はしっかりと焚べてあっただろう。部屋は大きく広いからそれを温めるだけの火力は必要にはなるがそんなに火は弱い物ではなかったように思うのだが…
妃シャイリーは寝具の中で丸まってじっと耐えるしか無かった。折角部屋もベッドも温めてくれたと言うのにまだ寒いなどと今日来た身分でなかなか言い出せる物では無い。丸まって居れば何とか耐えられそうな気がしてシャイリーは一晩中寝具の中で震えて過ごすことになった。
夜眠れなかったのならば疲労も取れない。翌日も中々起きることができずに侍女に声をかけられるまで寝具に潜るようにしてウトウトとシャイリーは微睡んでいた。
やっと一息つけたのは着替えを済ませて更にショールを羽織り、温かな食事に口をつけた後であろうか。陽の光が入って部屋が暖まって来た頃には、昨日の疲れが襲って来てまたウトウトと微睡むのだった。
「妃殿下…早めに就寝なさいますか?」
昨日の今日でシャイリーの疲れは取れず、そんなシャイリーを見ていた侍女達も屋敷内を見て回ることさえ提案できずにシャイリーへ早めの就寝を進めるのだった。
「ええ、そうするわ。」
侍女の言葉に素直に従うシャイリーの為に侍女達は甲斐甲斐しく身の回りの世話を始める。
「少しだけ、暖炉の火を強くしていてもらっていいかしら?」
少しだけ、このくらいだったら侍女達の不況を買わないだろうか?
「はい、心得ました。この位でよろしいですか?」
暖炉の側ならば、何と温かなことだろうとついウトウトとしたくなるのだが、このままでは風邪をお召しになるとシャイリーは侍女達に寝台へと追いやられてしまった。
ベッドの中はやはり温かだ。寝入るには良い温度…今日こそゆっくりと眠れると思うと自然に意識が遠のくようにシャイリーは眠りについた。
「寒い……」
確か、ベッドは温めてもらっていたはず…足を入れた際にはとても良い心地だった。けれど今では部屋は冷気に包まれて寝具を深く被っていても冷気に押し潰されるかと思うほどであった。
「なんで、こんなに寒いのかしら?」
部屋には暖炉があり、薪はしっかりと焚べてあっただろう。部屋は大きく広いからそれを温めるだけの火力は必要にはなるがそんなに火は弱い物ではなかったように思うのだが…
妃シャイリーは寝具の中で丸まってじっと耐えるしか無かった。折角部屋もベッドも温めてくれたと言うのにまだ寒いなどと今日来た身分でなかなか言い出せる物では無い。丸まって居れば何とか耐えられそうな気がしてシャイリーは一晩中寝具の中で震えて過ごすことになった。
夜眠れなかったのならば疲労も取れない。翌日も中々起きることができずに侍女に声をかけられるまで寝具に潜るようにしてウトウトとシャイリーは微睡んでいた。
やっと一息つけたのは着替えを済ませて更にショールを羽織り、温かな食事に口をつけた後であろうか。陽の光が入って部屋が暖まって来た頃には、昨日の疲れが襲って来てまたウトウトと微睡むのだった。
「妃殿下…早めに就寝なさいますか?」
昨日の今日でシャイリーの疲れは取れず、そんなシャイリーを見ていた侍女達も屋敷内を見て回ることさえ提案できずにシャイリーへ早めの就寝を進めるのだった。
「ええ、そうするわ。」
侍女の言葉に素直に従うシャイリーの為に侍女達は甲斐甲斐しく身の回りの世話を始める。
「少しだけ、暖炉の火を強くしていてもらっていいかしら?」
少しだけ、このくらいだったら侍女達の不況を買わないだろうか?
「はい、心得ました。この位でよろしいですか?」
暖炉の側ならば、何と温かなことだろうとついウトウトとしたくなるのだが、このままでは風邪をお召しになるとシャイリーは侍女達に寝台へと追いやられてしまった。
ベッドの中はやはり温かだ。寝入るには良い温度…今日こそゆっくりと眠れると思うと自然に意識が遠のくようにシャイリーは眠りについた。
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