6 / 7
303541756-6-4
しおりを挟む
「Iさんとこの研究所って、大学とか政府の研究所とかと大分毛色が違いますよね。あんまりネットとかでも名前聞かないし、知ってる人少なそうなのに、周りの知り合いには時々知ってる人いたりするし。部署の名前も哲学的というか、とんがってるというか。」
「あ、知りませんでした?うちの上の方・・・というか、関連団体というか。宗教組織なんですよ。」
「え?そんな雰囲気まったくないですよね。」
「ですよね。結構歴史の古い宗教組織がいくつか上にいるんですよね。その他にも宗教と関係ない色んな団体が関連してるというのもあるんでしょうけど。関連団体とは研究結果を伝えたり、貰ったり、こういうのなんて言うんでしたっけ?ズブズブの関係?」
「いやいや言い方が汚い。」
「情報と利益の互助状態ですから、まぁ周りの団体やら企業やらもここをないがしろにはできないんですよね。結果を出すためには宗教性とか信仰とかよりも科学的であるかの方が重要になりますよ。私も別に特別信仰はないですけど、あえていうと仏教徒なんですかね。周りの職員も似たり寄ったりじゃないですかね。」
「宗教組織でゴリゴリの科学の研究所って、なんだか違和感ありますね。」
「そうでもないですよ。初期の科学は宗教や錬金術やらが重要ですしね。遺伝法則のメンデルみたいに神父とか神学にたずさわる人が科学者の側面ありますし、音楽なんかもそうですよね。仮にある長さでホースを切って“ラ”の音が出て、ホースの長さを半分にしたら倍音の“ラ”の音がでるとか。理由を調べようと思えば今考えるとそれは科学なんですけど、当時の研究者の根底にあるのは“神の定めた真理を紐解く仕事”なんですよ。」
「あ、なるほど宗教と科学つながりますね。なんとなく対極にあるもののような気がしてました。」
「たしかに現在の宗教と科学は相いれないというか、難しいですね。“宗教”を社会学とか宗教学とかで科学的に研究することができても“宗教”が科学的アプローチは取りずらいですからね。宗教は商業利用という部分を除くと本来人の心に寄り添って人生の苦しみを和らげるもので“信じる”ことが根本にあるけれど、科学には“疑う”とか“反証の可能性”が付きまといますから。だから“条件設定”をしてその条件下で“特定の現象”が誰が行っても再現性があるかどうかは科学的アプローチとして重要です。それを積み重ねてこういうスマホとかもできてますし。」
「スマホが特殊な能力を持つ人しか使えないじゃ、意味ないですもんね。信仰心が強い人だけ電源が入るとかも困りますし。」
「例えば“教義を忠実に守れば、人生の苦しみから解放される”という救いがある宗教があったとして、条件設定として“教義を忠実に守れば”、現象として“人生の苦しみから解放される”としたら科学であれば“誰に行っても再現される”と成立しますが、多くの場合そうはなりません。または教義を忠実に守っても人生が苦しみの連続であれば科学的アプローチで見直すと条件設定か現象が間違っていることになりますが、それを認めるとその宗教の根底が覆ります。」
「うわぁ、上部に宗教団体がある研究施設とは思えない発言ですね。やばいじゃないんですか?」
「いや、さっき言ったように周りの人も似たようなもんなんで問題ないですね。こんな感じの研究所が他の国にもありますけど、複数の宗教団体があるので、どれかに属さないといけないわけでもないですし。特定の宗教や教義を広めるためとか、そんな目的のために設立されたわけじゃないですし。」
「へぇ。?」
「おっと休憩そろそろ終わりだ。午後も仕事仕事。」
「あ。なんか色々話し聞いてしまってすみません。」
Phase.303 No.56 Date6/4/-
「あ、知りませんでした?うちの上の方・・・というか、関連団体というか。宗教組織なんですよ。」
「え?そんな雰囲気まったくないですよね。」
「ですよね。結構歴史の古い宗教組織がいくつか上にいるんですよね。その他にも宗教と関係ない色んな団体が関連してるというのもあるんでしょうけど。関連団体とは研究結果を伝えたり、貰ったり、こういうのなんて言うんでしたっけ?ズブズブの関係?」
「いやいや言い方が汚い。」
「情報と利益の互助状態ですから、まぁ周りの団体やら企業やらもここをないがしろにはできないんですよね。結果を出すためには宗教性とか信仰とかよりも科学的であるかの方が重要になりますよ。私も別に特別信仰はないですけど、あえていうと仏教徒なんですかね。周りの職員も似たり寄ったりじゃないですかね。」
「宗教組織でゴリゴリの科学の研究所って、なんだか違和感ありますね。」
「そうでもないですよ。初期の科学は宗教や錬金術やらが重要ですしね。遺伝法則のメンデルみたいに神父とか神学にたずさわる人が科学者の側面ありますし、音楽なんかもそうですよね。仮にある長さでホースを切って“ラ”の音が出て、ホースの長さを半分にしたら倍音の“ラ”の音がでるとか。理由を調べようと思えば今考えるとそれは科学なんですけど、当時の研究者の根底にあるのは“神の定めた真理を紐解く仕事”なんですよ。」
「あ、なるほど宗教と科学つながりますね。なんとなく対極にあるもののような気がしてました。」
「たしかに現在の宗教と科学は相いれないというか、難しいですね。“宗教”を社会学とか宗教学とかで科学的に研究することができても“宗教”が科学的アプローチは取りずらいですからね。宗教は商業利用という部分を除くと本来人の心に寄り添って人生の苦しみを和らげるもので“信じる”ことが根本にあるけれど、科学には“疑う”とか“反証の可能性”が付きまといますから。だから“条件設定”をしてその条件下で“特定の現象”が誰が行っても再現性があるかどうかは科学的アプローチとして重要です。それを積み重ねてこういうスマホとかもできてますし。」
「スマホが特殊な能力を持つ人しか使えないじゃ、意味ないですもんね。信仰心が強い人だけ電源が入るとかも困りますし。」
「例えば“教義を忠実に守れば、人生の苦しみから解放される”という救いがある宗教があったとして、条件設定として“教義を忠実に守れば”、現象として“人生の苦しみから解放される”としたら科学であれば“誰に行っても再現される”と成立しますが、多くの場合そうはなりません。または教義を忠実に守っても人生が苦しみの連続であれば科学的アプローチで見直すと条件設定か現象が間違っていることになりますが、それを認めるとその宗教の根底が覆ります。」
「うわぁ、上部に宗教団体がある研究施設とは思えない発言ですね。やばいじゃないんですか?」
「いや、さっき言ったように周りの人も似たようなもんなんで問題ないですね。こんな感じの研究所が他の国にもありますけど、複数の宗教団体があるので、どれかに属さないといけないわけでもないですし。特定の宗教や教義を広めるためとか、そんな目的のために設立されたわけじゃないですし。」
「へぇ。?」
「おっと休憩そろそろ終わりだ。午後も仕事仕事。」
「あ。なんか色々話し聞いてしまってすみません。」
Phase.303 No.56 Date6/4/-
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる