あぶないってなぁに？

小学校低学年向け

見守る人

ちょっぴり田舎いなかの普通の街に、ある子どもがいました。
名前をけー子ちゃんと言います。

けー子ちゃんはお父さんお母さんから、知らない人についていってはダメ！　物を貰もらってはダメ！　と口が酸すっぱくなるほど言われていました。
梅干うめぼしを食べた時くらい酸すっぱく言われていました。

ある朝、けー子ちゃんは学校へ行く時、通学路に立っているおじさんから声をかけられました。

「おはようございます、けー子ちゃん。　今日も元気かい？」

声をかけてきたのは、毎日通学路に立って見守ってくれているＰＴＡのおじさんです。
おじさんは、「人通りが少ない」通学路に立って、小学校へ通う子供たちを見守ってくれています。

「けー子ちゃん、そう言えば大丈夫なのかい？　今日は学校に早く行かなければならないという事で「みんな」先に行ったよ？」

けー子ちゃんは初耳だったので慌あわてました。

「もし良かったら、私が車で小学校へ送ろうかい？」

慌あわてていたけー子ちゃんは、お父さんお母さんから口が酸すっぱくなるほど言われていた言い付けを忘れて、おじさんの車に乗ってしまいました。

おじさんは、小学校へ向かうと言ったはずなのに人気ひとけの無い方へ車で向かっています。
けー子ちゃんは、ようやく怪しく思いおじさんにその事を聞くとおじさんに殴なぐられました。

「良いか？　大声を出したり泣きわめいたりしたらまた殴なぐる」

けー子ちゃんは、おじさんにまた殴なぐられました。

「これ以上、殴なぐられるのが嫌いやなら静かに大人しくしていろ」

痛いたみと恐怖きょうふで動けなくなったけー子ちゃんは、おじさんの言いなりになりました。
おじさんの言うとおりに、けー子ちゃんは車からおり……。

その後、「けー子ちゃん」が道に捨すてられているのが見つかりました。


例え顔見知りでも、知っている人でも、普段ふだんと違う事を指示されたのであれば、一度お父さんお母さんや先生、他の大人に聞く様にしましょう。
報告連絡相談ほうこくれんらくそうだん、いわゆるホウレンソウをする事は子供でも大人でも関係なく重要じゅうような事なのです。


あぶない。