贄の乙女は鬼となった兄の愛に溺れる

深山瀬怜

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8・玉箒

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「起きたかい、深凪」

 目を覚ますと、今までのことは夢だったのでないかと思うような景色が広がっていた。そこは紛れもなく深凪と巽の家で、あのときの血生臭い光景は全く見えなかった。

「お兄様……」
「少し無理をさせてしまったな。儀式の後だとわかっていたのだが……抑えられなくて」

 儀式――巽のその言葉で、あれが夢でなかったことを深凪は悟った。けれど最後に見たあの凄惨な光景は。もしかしたらそれは儀式で朦朧とした意識が見せた幻かもしれない。今の巽にはあのときにあった角も何もないのだ。しかしそんな淡い期待はすぐに打ち砕かれた。

「そんな顔をしなくてもいい。お前を傷つける人間は、もう全員殺してしまったから」
「お兄様……」
「本当であれば、もっと早く助けに行くべきだったんだ。こんなことになる前に」

 深凪の指先はわずかに透けている。それは鬼の贄として人ではなくなってしまった証左であった。しかしそれが途中で止まっているのは、儀式が巽の凶行により中断されたからだろう。

「こんなことをしなくても鬼は人間を食えるというのに」
「そうなのですか……?」
「この状態になって改めて理解したよ。あいつらは皆よってたかって無駄なことをしていたんだ」

 あの儀式が何の意味もなかったことに深凪は愕然とした。巽は深凪を抱きしめながら続ける。

「元に戻すことはおそらく難しいが、これ以上進まないようにはしなければならない」
「儀式はもう終わったんじゃ……」
「そうだ。でもあの珠が胎内にある限りいずれは進行してしまうだろう」

 巽は深凪の耳を軽く喰んだ。その刺激に深凪はぴくりと身体を震わせる。

「それなら……どうすれば……」


 深凪はおそるおそる尋ねる。そこにいるのは間違いなく兄の巽だ。けれど彼は鬼の封印を解き、鬼に取り憑かれ、村の人間を殺戮した張本人でもある。そんな巽に抱きしめられている今の状況が不安でないはずがなかった。

「今から深凪の中にある珠を全て取り出す。深凪には少し負担をかけてしまうが」
「と……取り出すって……」

 胎の中に深く入り込んだものをどうやって取り出すのか。何をされるかわからずに不安になる深凪を巽はゆっくり抱きしめた。

「大丈夫だ。深凪はただ俺に身を任せていればいい」

 巽はそう言って深凪の着物のあわせから手を入れた。その手は優しく深凪の胸をなぞり、やわやわと揉み始める。

「あっ……」

 巽はゆっくりと深凪の着物をはだけさせた。色付いた胸の頂が露わになる。巽はそれを指で摘まみ上げてくりくりといじる。その刺激に深凪は小さく声を上げた。

「あっ……お兄様……っ」
「……かわいいな、深凪」
「そ……そんなこと……」

 不意に深凪は体の奥底が熱くなるのを感じた。ただ胸に触れられているだけなのに、触れられていない部分が勝手に疼き始める。

「いや……っ、お兄様……!」
ぎょくが活性化してきたな。つらいかもしれないが、暫く耐えてくれ」
「っ……だめ、も……ああっ!」

 脚の間から何かが吹き出す。胸に触れられただけで、激しく責められたわけでもないのに絶頂を迎えてしまったのだ。深凪は顔を隠すように両手を持ち上げた。

「あ……っ……ごめ、なさい……お兄様……」
「謝ることはない。全部深凪のここにあるものが悪いんだ」

 巽の手が深凪の腹を撫でる。それだけで深凪はびくりと身体を震わせた。

「全く……本当に忌々しいな。深凪のこんな姿を見ていいのは俺だけなのに」
「あっ……!」

 巽の指が深凪の脚を割って中に入る。その中は十分に潤っていて、巽の指を容易に飲み込んだ。ぐりぐりと中で動かされるたびに深凪の口から嬌声が響く。

「ああぁっ! や……お兄様……んんっ!」

 巽は指を動かしながら深凪に口づけた。舌を絡ませる深い口づけに深凪は頭がくらくらしてくる。その間にも巽の指は深凪の中を蹂躙し続けていた。

「んぅっ! ふ……ぁ、おにいさ、ま……」
「力を抜くんだ、深凪」

 巽にそう囁かれたそのとき、深凪の中に入っている巽の指が熱くなったように感じた。深凪は体を震わせながら巽に聞く。

「お、お兄様……何を……」
「鬼の力を使って珠を取り出すんだ。奥まで入っているから普通には取り出せないからな」
「あっ……あぁっ!」

 巽の指が深凪の中を無遠慮に蹂躙する。その度に深凪は快楽に身を捩らせた。しかし巽はそれを許さず、さらに指を増やして中をかき回した。

「やぁっ! おにいさ……っ、も……だめぇ……!」

 ぐちゅぐちゅと激しい水音が響く。深凪は身体の奥からせり上がってくる何かを感じ、巽の着物を必死に握った。

「おにいさまっ、なにか……きちゃうっ……!」
「ああ、いいぞ。そのまま……」
「あっ……あぁっ! ああぁぁっ!!」

 深凪の身体と中が痙攣する。それと同時に巽の指が引き抜かれ、赤い珠が一つ畳の上に転がり出た。その刺激でまた深凪は小さく身体を跳ねさせる。巽は指についた蜜を拭いながら微笑んだ。

「これで一つ目だ」
「まだ……一つ目なの……」

 あと八つもあるのに耐えられるのだろうか。思わずそう呟くと、巽は小さく笑って言った。

「休み休みやっていこう。全部取り出せば少しは楽になるはずだからね」
「ん……」

 巽は深凪を寝かせ、その上に覆い被さるようにする。そして深凪の腹の上にまた手を滑らせた。

「休み休みとは言ったけれど、早いほうがいいからね。今日のうちにあと二つは出したいな」
「あ……っ」

 撫でられるだけでひどく気持ちがいい。頭がぼんやりとして、自分の中を埋めてほしいと思ってしまう。深凪は巽の背に腕を回した。

「お兄様……お願い……」
「駄目だよ。これが終わるまではね。こんなもので無理矢理気持ちよくされている深凪と繋がっても意味がない」

 巽の手は深凪の腹部をなぞり、再び胸に触れる。巽が少し力を込めれば、深凪の胸は巽の手の形に合わせて形を変えた。

「んっ……あ……」
「痛くないかい?」
「痛くはないです……でも……っ、あっ!」

 不意に胸の頂を摘まれて深凪は小さく声を上げる。そのままくにくにと弄ばれて、その刺激でまた下腹部が疼き始めた。
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