夢じゃなかった!?

Rin’

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エスリアール王城 出会い

魔力専門店 ブルーローズへ2

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「サリアン様がそのようにお心を砕かれる女性とわかったからには私も一肌脱ぎましょう。そうですな……いっそのこと、抑制石ではなく、封印石の封印具にしてはいかがでござまいますか?

封印石はあまりに強力で通常、魔力全てを封じてしまいますが、要は封じられる魔力量がそれ以上あれば封じきれないはず。桁違いの魔力をお持ちの迷客様なればこそ、封じ残しが生じると思われます。」
「その手がありましたか!流石オーナーです。」

「では、封印石の原石を只今お持ちします。店内に幾つかございますので。」
「よろしくお願いします。」

封印石にも種類がありますが、石の封印力と掛け合わせて封印術を重ねがけすればかなり期待できます。

「サリアン様、お待たせ致しました。原石の中でも特に力の強い石でございます。

これらは身に付けると魔力を封じてしまうので、主に観賞用か実用的には犯罪者の魔力封じの道具にしか加工されない代物ですので、迷客様の魔力を封じながらも常時装飾品としてもお使い頂けるなら石も喜びますし、私も職人として腕が鳴ります。」

「これらの中で一番封印力があるのは、この二つでしょうか?」
流石さすが、サリアン様。一目で見抜かれるとは。そうです。一つは紫水晶、美しいアメシスト色と災いから守護してくれるという言い伝えが特徴です。もう一つは緑水晶、こちらは濃いエメラルドグリーン色で持つ者を癒すと言われています。」


「…………。やはり、同じ封印力なら後は色か言い伝えで選ぶべきでしょうが私にはどちらがいいのか判断つきませんね。」
「サリアン様、女性に送られるジュエリーですので、お相手のお顔と石を浮かべて喜ばれそうと思える石になさったらいかがでございましょうか?もしくは身に付けて頂きたい石でもかまいませんよ。」

「………。そういうものなのですか?貰って喜びそうな石、付けて欲しい石……。こちらでしょうか?」
「私も迷客様にお会いしたことはございませんが、こちらがいいと思っておりました。」

「何故ですか?」
「それは秘密でございます。」

「デザインはいかがいたしましょう?」
「お任せます。シンプルなカットで。」


「承りました。心苦しいのですが、加工に少々お時間が掛かりそうで早くとも本日を入れて三日頂きたいのですがよろしゅうございますか?四日目の開店時間にはお渡しできるようにしますので。」
「こちらが困難な注文をしているのです。それで構いませんよ。」

「ありがとうございます。サリアン様、ご無礼を承知でお願い致します。どうか受け取りの際に、その迷客様をお連れくださいませんか?職人としての探究心からですが、自分の創作した封印具がどの程度効力を成すのか確認や術の微調整も致したいのですが。」

「そうですね、お気持ちもわかります。今後のメンテナンスや予備ピアスも必要ですし、本人の好みも知るいい機会にもなりますね。わかりました。では、四日後にお連れしますので、よろしくお願いします。」

「はい。心よりお待ち申し上げております。」

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