夢じゃなかった！？

エスリアール王城 出会い

ランチは天空の庭スカイガーデンで8

「大丈夫ですか？アーヤさん。」

「はい…。メールの送り主は私をこちらに送った神様でした。」

「神？」

「何で、私の希望通りじゃなくてこんなに魔力が高くて全属性になったのかがわかりました。単に設定ミスだったようです。」

「そうでしたか。」

「謝罪と、間違ったお詫びに異世界の生き物に好かれやすい体質にしたとの事です。」

「それはまた…。」

何だか一気に脱力というか、チート、ハイスペックの理由はわかったけどふに落ちない。

はあぁ…何だか一気に疲れてしまったかも。
仕方ないか、過ぎたことは。


でも……はあぁ。


「アーヤさん、そろそろ移動しましょうか。」

「あ、はい。」


「サリアン様、サトー様、我が天空の庭での食事はいかがでございましたか？」

「美味しく頂いたよ。」

「はい、お腹一杯美味しく頂きました。」

「左様でございましたか。是非ともまたお越しくださいませ。」

「そうさせてもらうよ。」

「ごちそう様でした。」


「アーヤさん、行こうか。」　

「え？お支払はいいんですか？」

「ああ、支払いはご心配なく。エリオットには先にまとめて渡してありまして、まだ足りていますから。」

「えっ！そんな支払い方が？セ、セレブ。」

「セレブとは？」

「セレブは…、お金持ち的な意味です。」

「ほう…セレブでございますか。面白い響きですな。」


「響きと言えば…このお店、天空の庭って私の世界ではスカイガーデンとも表現できるんですよ。天空の庭スカイガーデンって繋げて言ったらそれも素敵なお店の名前だなって勝手に思ってました。」

「へぇ…天空の庭スカイガーデン…いいね。」

「天空の庭スカイガーデン…異界のお言葉が加わるだけでこうも変わるとは！」

何か変わった？そんなに？

「サトー様！！是非、そのスカイガーデンというお言葉を店名に加えても宜しいでしょうか？！」

「えっ？！改名するんですか？本当に？！」

「こうして迷客様にお会いできたばかりか、異界のお言葉の我が店名を告げて頂けるなんてこれはもう、改名するしかありません。」

「オーナーさんがそうしたいのなら、私は構いませんが。でも、そんな簡単に決めて大丈夫ですか？」

「良かったね、エリオット。」

「はい、ありがとうございます。サトー様。このご恩は生涯忘れません。」

「いえいえ、大げさですよ。」

「いや、アーヤさん。店の名とは言えとても重要なのですよ。真名と同じで。

確かに、天空の庭から天空の庭スカイガーデンと加えただけでここにアーヤさんが来たことも示されますし、スカイガーデンという響きが何とも美しく力があります。

きっと、未来永劫みらいえいごうこの店はあり続けるでしょう。」

本当に？そんな効果がある？まあ、喜んで貰えたならまあ、いいか。

さっきまで神様メールで少し沈んでたけど何だかこんなに喜んで貰えたならそれでもう、いいや。

「そんなに喜んで頂けて私も嬉しいです。
どうぞ、宣伝にも使ってください。」

「宣伝のお許しまで頂いて、本当に良かったね。エリオット。」

「はい、サリアン様。サトー様またのお越しをお待ちしております。」

「はい、今日は美味しいお料理をありがとうございました。ごちそう様でした。」

「また寄らせてもらうよ。」

　
「では、アーヤさん。最初に舞い降りた庭に向かいましょう。スティールを呼びます。」

「はい、お願いします。」

二人は、サリアンが再び呼び出したスティールに乗り、天空の庭スカイガーデン周囲に浮かぶ小島の水飛沫みずしぶきと虹の間を通り抜け飛び去った。