夢じゃなかった!?

Rin’

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エスリアール王城 出会い

腹ごなしは歌で3

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「はい。ご心配ありがとうございます。」

あっ、メガネ外すんですか。 素顔ヤバい。あまり見ないようにしよう。

「い、いえ。まず準備運動をして、次に発声練習をして喉を慣らしてから一曲目歌います。二曲目に以前、麒麟様に気に入って貰った歌を歌いたいと思います。」

まずは、準備運動から。
膝を屈伸してから腕、肩回し。腰捻りなどストレッチを軽く済ます。

背筋を伸ばして、遠くを見据えて、深呼吸。|へその辺りに片手を添えて、そこに力を入れるように意識する。すぅー

「あーあーあーあーあー」

始めはドのキーから低く高く低く強弱も滑らかに

「あーあーあーあーあー」

目を閉じて

レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド音程を順に上げる。

ふぅ~。発声終わり。


「さんぽっていう歌を歌います。」

何か動物出て来ないかな~。

…♪~♪~~♪~♪~~♪ 


あっ、モフモフがちらほら見える。後で触りたいな。ラシェットみたい。


深呼吸すぅーはぁー…再度、臍の下に手を添えて腹筋を意識して力を込める。


「全てのものに感謝の気持ちを込めて。大地讃頌だいちさんしょう


♪~♪~~♪~~♪~♪~♪

この国、大地、エルフの皆さん、ありがとうございます。

麒麟オルフェウス・ジルフィード様、聴こえていますか?おかげさまで私は元気にしています。

日頃、気にかけて頂いてありがとうございます。

あーーーーー……。

届いたかな?麒麟様に。
あっ、空気が前と同じ感じ?!来る?


「サリアンさん、たぶん来ます。」

「!」

何となく上空を見上げてサリアンさんに告げた。以前に感じた麒麟の存在感が空から近くなって来る気がした。サリアンさんも気配を感じ取ったのか同じ方角を見上げて立ち上がる。


……ザァーーーーゴウッッ


わわっとと!風圧によって目を閉じたまま尻餅をつくように倒れると思った…がトスッ。

お尻も背中も痛くない?

フワン…この香り。もしかして…。

「アーヤさん、大丈夫ですか?」
やっぱりサリアンさんだった。

「すみません。風で飛ばされそうになって。」

「いえ。あれが聖獣麒麟ですね。」

見上げた先にいました。オルフェウス・ジルフィード様が。あ、挨拶しなきゃ。

立ち上がり、お辞儀をする。

「お久しぶりです。オルフェウス様。」

“久しいな、アーヤ。今日は神託者はいないのか?”

「はい。シオンさんはエスリアール城にいます。今日は、今度私とシオンさんが編入するマジェストーラ国立魔法学院の筆頭魔法講師でいらっしゃるこちらの先生と外出中でした。」

「お初にお目にかかります。サリアン・ラナンキュラスと申します。皇魔族ではありますが、訳あってマジェストーラ魔法学院では正体を偽り姿、名を変えて講師を勤めております。」

“ああ、ラナンキュラス…鳳凰ほうおうの者か”
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