24 / 36
夢
夢の記憶2
しおりを挟む
そこは白い世界。
---覚えているか?
なんのことだ。
---いずれ思い出さなければならない。あの苦しみを。
え?
白かった世界が歪み、燃え盛る炎に変わる。
なんだ!
「どうして、ねぇ。私はただッ!」
一人の女性が炎の中。誰か、男性を腕に抱え、座り込んでいる。灰に塗れていても輝いている銀の髪。
「泣くな。俺は、こんな最後でも……お前がそばにいてくれるならいい。」
「嘘だ!こんな最後があってたまるか!私があなたを………………から!私がッ!」
「………は……し……あ……てい……ろ」
雑音が混じる。男性が女性の頬に添えていた手が滑り落ちる。
こ、れは……
「あ、あ、………!嫌だ!なんで!……が……る……い……!」
雑音が入ったところは男性の名前だろう。だんだんと雑音が酷くなる。女性は亡骸となった男性を抱きしめ泣き叫ぶ。そこで、体が浮き、その場から遠ざかる。
待って!まだ!知らないといけない!まだ!
足掻く。けどそれは無意味。そして、闇に引き込まれた。
####################
「まだ!」
手を虚空へ伸ばす。一番最初に見えたのはそれだった。
「涙。」
少女、白は寝かされていたベットにかぶっていた布団を蹴飛ばし、座る。そして涙を拭う。その涙は赤かった。
そして白は立ち上がり鏡を覗く。そこには銀色の髪をした美しい少女がいた。
「あれは、なんだったんだろう。」
先ほど見た夢。あの光景。私に語りかけてきた声。全部知ってる。けどわからない。思い出せない。知ってるはずなのに!……落ち着け。ただ私の思い出せない過去があるだけ。いつか、思い出せる。いつか……時が来るまで。
自分のことを偽り続けている。何層にも重ね、思いさへ、記憶さへ偽る。でも……今回くらいは姿を偽らなくていいのかな?
貴方が美しいといったこの姿を……
でもこれじゃあすぐに私が白狐だって気づくだろう。せめて黒にするか。
白は髪を黒くし、鏡のそばを離れる。そして顔に残っていた赤い涙の跡を拭き取る。そして、目の色、声、それらを変えずに、下へ降りていった。
####################
階段を降りて行く。長い黒い髪を揺らしながら、リビングに入る。紫色の目に映ったのは、優奈、清、真琴、孝がいた。外はまだ明るい。私が倒れたと聞いて急いで帰ってきたようだ。
「母さん、父さん、真琴兄さん、孝。心配かけてごめん」
白は一人一人を呼び、謝る。
「白!起きた…………」
リビングにいたみんなはこちらを振り向くと、固まる。真琴は出かけた言葉も止まる。
「どうしたの?みんな?」
声をかけても動かない。そこで白が優奈に近ずく。
「母さん?」
ここで、優奈が動く。それはもうすごい速さで、白でさへも目で追うのが限界なぐらい。どこにそんな力があったのやら。
「ゴフッ!!」
優奈はそんな速さで白に飛びつき、これでもかというぐらいに抱きしめた。
「母さん、白がこんなに美人さんなんて知らなかったわ!!なんで教えてくれなかったの!!流石うちの娘!!」
優奈は白に顔をすりつけたり、頭をぐしゃぐしゃに撫でたりした。
「ぐ、ぐる、しい……」
「は!優奈母さん!白が窒息する!」
そこに真琴のストップが入った。優奈は自分の豊富な胸に押し付けていた白を離す。
な、ナイス。真琴兄さん。
「ありがとう、真琴、兄さん。」
「ねぇ。白?」
孝が白に声をかける。
「何?」
「綺麗だと思うよ。でも、なんで泣きそうなの?」
どきりとする。子供というのはつくづく人間の心を見透かす。孝は純粋だしね。
「そんなことないよ。ただ…夢を見ただけだ。」
「夢?」
「ああ。悲しい夢だよ。」
「……そうなんだ。」
何かを感じ取ったんだろう。深くは聞いてこなかった。
「今日はもう休むよ。なんか疲れてるんだ。」
「そうか。明日に備えとけ。休んだ方がいいと思うが、いくんだろう?」
「授業が追いつけなくなるからね。父さん」
そう言って白は階段を上がる。自分の部屋に入り、ベットに横たわる。
あの夢が頭の中をずっと占領している。燃える赤い炎に包まれている。その記憶が、思い出さないといけない記憶が……。今日はもう寝よう。これじゃあ明日持たないし。明後日にウィレスノールに行こうかな。
そうしているうちに白の意識は闇へと落ちた。
####################
「ふぁぁぁぁ~~~~」
よく寝た。昨日の夢以外は見なかったな。疲れも取れて万全だ。あ!みーちゃんにも謝らないと。いきなり倒れたしね。心配してるかな?
白は制服に着替える。今回、髪は結んでいない。目も紫のまま。
トトトッ
リズム良い音を響かせて、白は階段を降りる。そこには既に真琴がいた。真琴はいつも白より早く起きるように心がけている。今日は七時に起きたが、いつもは四時ぐらいに起きてこっそり日課のジョギングをしている。真琴は勿論このことを知らない。
「おはよう。真琴兄さん。」
「あ、おはよう。美人すぎて一瞬誰かと思ったぞ。」
「お世辞でも嬉しいよ。」
(お世辞のつもりはないんだけど。もしかして自分がどれだけ綺麗かわかってないのか?)
真琴が心の中で言った言葉は、大体合っていた。
今日も張り切って行こう。夢の事はひとまず置いておこう。過去の囚われすぎてはいけないし。必要な時に考えよう。
そうして、白は学校へと向かった。
-------------------
閑話がここで入ります。二ヶ月間であった事です。なるべくささっと終わらせたいですが、長くなったらすいません。
---覚えているか?
なんのことだ。
---いずれ思い出さなければならない。あの苦しみを。
え?
白かった世界が歪み、燃え盛る炎に変わる。
なんだ!
「どうして、ねぇ。私はただッ!」
一人の女性が炎の中。誰か、男性を腕に抱え、座り込んでいる。灰に塗れていても輝いている銀の髪。
「泣くな。俺は、こんな最後でも……お前がそばにいてくれるならいい。」
「嘘だ!こんな最後があってたまるか!私があなたを………………から!私がッ!」
「………は……し……あ……てい……ろ」
雑音が混じる。男性が女性の頬に添えていた手が滑り落ちる。
こ、れは……
「あ、あ、………!嫌だ!なんで!……が……る……い……!」
雑音が入ったところは男性の名前だろう。だんだんと雑音が酷くなる。女性は亡骸となった男性を抱きしめ泣き叫ぶ。そこで、体が浮き、その場から遠ざかる。
待って!まだ!知らないといけない!まだ!
足掻く。けどそれは無意味。そして、闇に引き込まれた。
####################
「まだ!」
手を虚空へ伸ばす。一番最初に見えたのはそれだった。
「涙。」
少女、白は寝かされていたベットにかぶっていた布団を蹴飛ばし、座る。そして涙を拭う。その涙は赤かった。
そして白は立ち上がり鏡を覗く。そこには銀色の髪をした美しい少女がいた。
「あれは、なんだったんだろう。」
先ほど見た夢。あの光景。私に語りかけてきた声。全部知ってる。けどわからない。思い出せない。知ってるはずなのに!……落ち着け。ただ私の思い出せない過去があるだけ。いつか、思い出せる。いつか……時が来るまで。
自分のことを偽り続けている。何層にも重ね、思いさへ、記憶さへ偽る。でも……今回くらいは姿を偽らなくていいのかな?
貴方が美しいといったこの姿を……
でもこれじゃあすぐに私が白狐だって気づくだろう。せめて黒にするか。
白は髪を黒くし、鏡のそばを離れる。そして顔に残っていた赤い涙の跡を拭き取る。そして、目の色、声、それらを変えずに、下へ降りていった。
####################
階段を降りて行く。長い黒い髪を揺らしながら、リビングに入る。紫色の目に映ったのは、優奈、清、真琴、孝がいた。外はまだ明るい。私が倒れたと聞いて急いで帰ってきたようだ。
「母さん、父さん、真琴兄さん、孝。心配かけてごめん」
白は一人一人を呼び、謝る。
「白!起きた…………」
リビングにいたみんなはこちらを振り向くと、固まる。真琴は出かけた言葉も止まる。
「どうしたの?みんな?」
声をかけても動かない。そこで白が優奈に近ずく。
「母さん?」
ここで、優奈が動く。それはもうすごい速さで、白でさへも目で追うのが限界なぐらい。どこにそんな力があったのやら。
「ゴフッ!!」
優奈はそんな速さで白に飛びつき、これでもかというぐらいに抱きしめた。
「母さん、白がこんなに美人さんなんて知らなかったわ!!なんで教えてくれなかったの!!流石うちの娘!!」
優奈は白に顔をすりつけたり、頭をぐしゃぐしゃに撫でたりした。
「ぐ、ぐる、しい……」
「は!優奈母さん!白が窒息する!」
そこに真琴のストップが入った。優奈は自分の豊富な胸に押し付けていた白を離す。
な、ナイス。真琴兄さん。
「ありがとう、真琴、兄さん。」
「ねぇ。白?」
孝が白に声をかける。
「何?」
「綺麗だと思うよ。でも、なんで泣きそうなの?」
どきりとする。子供というのはつくづく人間の心を見透かす。孝は純粋だしね。
「そんなことないよ。ただ…夢を見ただけだ。」
「夢?」
「ああ。悲しい夢だよ。」
「……そうなんだ。」
何かを感じ取ったんだろう。深くは聞いてこなかった。
「今日はもう休むよ。なんか疲れてるんだ。」
「そうか。明日に備えとけ。休んだ方がいいと思うが、いくんだろう?」
「授業が追いつけなくなるからね。父さん」
そう言って白は階段を上がる。自分の部屋に入り、ベットに横たわる。
あの夢が頭の中をずっと占領している。燃える赤い炎に包まれている。その記憶が、思い出さないといけない記憶が……。今日はもう寝よう。これじゃあ明日持たないし。明後日にウィレスノールに行こうかな。
そうしているうちに白の意識は闇へと落ちた。
####################
「ふぁぁぁぁ~~~~」
よく寝た。昨日の夢以外は見なかったな。疲れも取れて万全だ。あ!みーちゃんにも謝らないと。いきなり倒れたしね。心配してるかな?
白は制服に着替える。今回、髪は結んでいない。目も紫のまま。
トトトッ
リズム良い音を響かせて、白は階段を降りる。そこには既に真琴がいた。真琴はいつも白より早く起きるように心がけている。今日は七時に起きたが、いつもは四時ぐらいに起きてこっそり日課のジョギングをしている。真琴は勿論このことを知らない。
「おはよう。真琴兄さん。」
「あ、おはよう。美人すぎて一瞬誰かと思ったぞ。」
「お世辞でも嬉しいよ。」
(お世辞のつもりはないんだけど。もしかして自分がどれだけ綺麗かわかってないのか?)
真琴が心の中で言った言葉は、大体合っていた。
今日も張り切って行こう。夢の事はひとまず置いておこう。過去の囚われすぎてはいけないし。必要な時に考えよう。
そうして、白は学校へと向かった。
-------------------
閑話がここで入ります。二ヶ月間であった事です。なるべくささっと終わらせたいですが、長くなったらすいません。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達より強いジョブを手に入れて無双する!
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。
ネット小説やファンタジー小説が好きな少年、洲河 慱(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りに雑談をしていると突然魔法陣が現れて光に包まれて…
幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は【勇者】【賢者】【剣聖】【聖女】という素晴らしいジョブを手に入れたけど、僕はそれ以上のジョブと多彩なスキルを手に入れた。
王宮からは、過去の勇者パーティと同じジョブを持つ幼馴染達が世界を救うのが掟と言われた。
なら僕は、夢にまで見たこの異世界で好きに生きる事を選び、幼馴染達とは別に行動する事に決めた。
自分のジョブとスキルを駆使して無双する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?」で、慱が本来の力を手に入れた場合のもう1つのパラレルストーリー。
11月14日にHOT男性向け1位になりました。
応援、ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる