[完結済み]メイドの私から証拠隠滅できると、お思いですか?

BBやっこ

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未来の王妃

2人目

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2人目の御令嬢には驚いた。

呼び出され、

パンツスタイルのお嬢さんが居た。

「ですから!あたしがアイナ・ニナスですって。」

門番が通さない。豪商の馬車といった雰囲気で頑丈で装飾は少ないが。金でゴージャス。
貴族は使わなそう。

アイナ様と言っている女の子は、確かに深みのある茶色の髪と、緑色の瞳。色彩が森側の人の印象だ。

ご本人かわからないが、
ここに留めておくのはいただけない。

とりあえず、来客用の部屋に案内して(騎士も付けて)
ご本人と確認できる人を探した。

うっかりなのか?

ドレスの用意も必要だろう。


部屋付きのメイドも早々に挨拶し、準備を始めた。


謁見室にて

メイク、キリッと立つ女の子。

パンツスタイルで、ふんわりとワンピース。なかなか王都では見れないスタイリングだ。
帝国では流行っているのか?前衛的で終始ニコニコとした様子で挨拶を終えた。

なかなか、王都の貴族とはひと味違うキャラクターが見れた。

(優秀な頭良い、溌剌としたお嬢さんという印象だったけど
ちょっと引っかかる感じがする。)

メイドの勘というより女の、だ。
商人なのに、準備不足?しかも入城に手間取るなんて。

用意万全に、貴族の令嬢風に準備してこれば余裕があったのに。
王を待たせるとこだったのよ?

その場合、止めていた騎士は処分されないけど(仕事をしていただけですもの。証明書類もないし。)
候補としてはマイナスだろう。


インパクト重視なのかな?
正統派より、最先端や最新式を取り入れる新進気鋭の見せる作戦だろうか。

(なんにせよ、元気だなあ。)
部屋に入った早々、見て回っている。
調度品は城に代々あるもので大事に使っている。


「うわお、いい部屋!」
窓の外の景色もお気に召したようだ。メイドとしては嬉しい。


貴族のお嬢様からは聞かない話し方だけど、メイドにも気を使っているのがわかる。
段取り通り、他の御令嬢と同じように王太子様からのご招待を伝える。



「今日でも構わないよー。着替えずに済むし。」

入城が少しトラブルで遅れたから、今は午後を過ぎたところ。

急げば丁度、ティータイム。お菓子が美味しい時間帯。

(急がないとっ!)メイドの心がひとつになる。
まず1人が知らせに走った。

逆算して、準備となるとお着替えされるのも大変では?
それを遠回しに聞くと、本当に着替えないらしい。

確かに珍しいドレスだけど。

貴族のお嬢様は挨拶に茶会にとドレスを変えるので、意外だった。

連れて来た女性たちは、メイドというよりお手伝いさん?
年齢が高めで落ち着いた人達。

「メイクを直しましょう」
「えーギリギリで良いじゃん」

ばあやさんの印象になったけど、世話に慣れている。頼りになる方達が3人。
「あと店の人間が来ると思うんだけど、証明書っているの?」


商人ということらしい。家族でも王城への許可と、推薦書が必要だ。

城で滞在といってもこの部屋まで来ていただくのは難しい。
「別室でお会いいただく形になるかと。」

この部屋付きのメイド、ドゥイが困り顔で言った。
兄が商人として働き、本人も小さい頃旅をしていたという活発な彼女です。

話し方が砕けているけど、気が合いそうだ。

「まあ、しょうがないか。お城だもんね。」

そうして説明が終わり、王太子様からのお茶会も今日行われることになった。



「あ、ひとつお願いしたいことがあるんだけど?」
「お菓子の変更、ですか。」

推しが強い。

思い出した!と気合を入れている。

帝国が隣にある地域だと、逞しさが必要なのかな。



お茶会を招いているのは王太子の側だ。お菓子も準備しているし
マナー的にはなしだと思うのだけど。作法が違うのかな?


後から、帝国風の文化も知っているドゥイに確認したら

「んー。お菓子を手土産に話題を提供するってのが帝国風で
そういった狙いがあるんじゃないかな?」


アピールが強いお嬢さんらしい。
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