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影の戦い
ベッド
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飲み終わった。
紅茶を早々に飲み終わり、ソワソワする。
「そろそろ子供の服が小さくなって…」
「うちの子の服着てみる?」
「子供服ねえ。すぐ大きくなるって聞くけど。編み物しようかしら。」
「え?」
お義姉さんに妊娠の傾向があると発覚!
こういうびっくり、嬉しい話でも他事を考えてしまう。
「おばさんになるのね私。お祝いは何が良いかな?」
暖かい膝かけ?食べ物が良いかしら。
いえ、男どもに消費されそうだわ。飲み物は、あのハーブティがあるから…。
(綺麗な膝掛けにしよう)
「そろそろ、マライヤを解放してあげましょうか。」
「心配?」
「まあそんな馬鹿な娘いない、よね?」
「わかんない」
ローランド様を襲う?娘に心当たりがあるような言い草に、不安になった。
久しぶりの再会もお別れだ。
「また」とは言えない距離だけど、手紙や贈り物が届く距離よ。
「元気で」
「そっちもね!」「無理しないでね。」
2人は帰るようで、お義姉さんと客室へ行く。
「兄さん。」
うとうとしている部屋の番をしているっていう話だったけど。大丈夫?
「寝る一歩手前ね。ここ最近、慌ただしかったものね。部屋に帰りましょ?」
ローランド様と話していたのは、仕事の事だったのかも。
「お疲れ様」
「おう、あー代わってくれるか?」
頷き、なんとか兄さんを立たせた。
「じゃ、後はお二人で」
兄さんに肩を貸して、お義姉さん。行ってしまったけど
そのセリフはちょっと。違う意味があるような。それより…
「お義姉さん、力持ち」
じゃあねっという感じで、手を振って帰っていった。
私は、客室をノックした。返事はないし物音もない。
「入りますよー。」
見慣れた部屋の装飾。
新しくなっているクッションも同じ色合いのキルティングで作ったんだろう。
多分母作だ。私も作り方は教わっている。いつもの配置で記事も似たようなものを使う。
「懐かしいと感じるくらい同じのを作りたいの」
代わり映えしなくても、家の物と感じられるのが好きだと言っていた。
「そのまま、ね。」
変わらない物もいいわね。
そんな部屋のチェックをするのは、職業柄かしら?
それから静かに「ローランド様?」声をかけて近づく。
次期宰相様が寝るには質素で田舎のベッドで、首元を緩められたローランド様が寝ていた。
起きる気配はない。
(相当お疲れだ)
これはしばらく、ろくに寝てなかったかも。
「慣れない旅に、お酒とくれば寝るわよね。」
相当疲れているんだろう。目にかかる髪を払って顔色を見る。
(悪くはないかな。お酒飲んでも顔赤くならないタイプなのかしら?)
お水飲んだ方が良いと思うんだけど
「可愛い寝顔ね」
寝ているところを見る機会なんてなかったけど
普段キリッとしている瞳が閉じられると、とたん子供の時の印象が強くなる。
お仕事中だと余計、近寄りがたい印象を与えるのね。
頭を撫でる
「ふふふっ私が歳上だったら、頭を撫でて褒めるって事もあったかしら?」
小さな頃、兄の真似をして私を撫でて褒めてくださったのよね。
ローランド様、小さな子との関わりが少なかったみたいで
なかなかお話できなくて、兄とばっかり話すんだもの。
気を引こうと思ってたのかしら、私?
兄をとられると思ったらことはないけど、
ローランド様を…。
いいえ。まあいいわ。
(私もお酒の気に当てられているみたい。)
ちょっと熱いかな。布を濡らして、額に置こう。
水差しから、少しハンカチを濡らして
ゴトッ
?物音が窓からした。
誰か転けた音とか?そうなら蹲るくらいすごい音だったけど。
窓を見る
(え…)梯子だ。
これは…。
水差しがある。コップに水。
下に溢した。
「冷たっ!!」
「オーイ!農家の娘が梯子を登ってるぞおお」
「ハハハッ、バカなことする娘がいたな!」
「ほらっのめ飲め」
「チョットオ!」
あ、捕まったわね。父さんお疲れ。
「まったく。」私のローランド様に!
「マライヤ?」
「はい!」
泥棒猫に水をかけてませんよ?
言い訳を口に含んで、ベッド際まで近づく。
「貴方とは友人だった。」
確かに。文通友達かしら?
ちゅっと私の手にキスされる。
「私も男ですからね?」
「あ…。お、お水飲んでください!ね?」
弱っている男性に迫る気はないですから!
部屋を出るのは不安になったので、椅子を置いてベッドの縁を借りて…
朝日が登るまで一緒に眠った。
「昨日は2人で?」
と言った父にすんとした顔で応えたのは、メイドの賜物だと思うのよね。
紅茶を早々に飲み終わり、ソワソワする。
「そろそろ子供の服が小さくなって…」
「うちの子の服着てみる?」
「子供服ねえ。すぐ大きくなるって聞くけど。編み物しようかしら。」
「え?」
お義姉さんに妊娠の傾向があると発覚!
こういうびっくり、嬉しい話でも他事を考えてしまう。
「おばさんになるのね私。お祝いは何が良いかな?」
暖かい膝かけ?食べ物が良いかしら。
いえ、男どもに消費されそうだわ。飲み物は、あのハーブティがあるから…。
(綺麗な膝掛けにしよう)
「そろそろ、マライヤを解放してあげましょうか。」
「心配?」
「まあそんな馬鹿な娘いない、よね?」
「わかんない」
ローランド様を襲う?娘に心当たりがあるような言い草に、不安になった。
久しぶりの再会もお別れだ。
「また」とは言えない距離だけど、手紙や贈り物が届く距離よ。
「元気で」
「そっちもね!」「無理しないでね。」
2人は帰るようで、お義姉さんと客室へ行く。
「兄さん。」
うとうとしている部屋の番をしているっていう話だったけど。大丈夫?
「寝る一歩手前ね。ここ最近、慌ただしかったものね。部屋に帰りましょ?」
ローランド様と話していたのは、仕事の事だったのかも。
「お疲れ様」
「おう、あー代わってくれるか?」
頷き、なんとか兄さんを立たせた。
「じゃ、後はお二人で」
兄さんに肩を貸して、お義姉さん。行ってしまったけど
そのセリフはちょっと。違う意味があるような。それより…
「お義姉さん、力持ち」
じゃあねっという感じで、手を振って帰っていった。
私は、客室をノックした。返事はないし物音もない。
「入りますよー。」
見慣れた部屋の装飾。
新しくなっているクッションも同じ色合いのキルティングで作ったんだろう。
多分母作だ。私も作り方は教わっている。いつもの配置で記事も似たようなものを使う。
「懐かしいと感じるくらい同じのを作りたいの」
代わり映えしなくても、家の物と感じられるのが好きだと言っていた。
「そのまま、ね。」
変わらない物もいいわね。
そんな部屋のチェックをするのは、職業柄かしら?
それから静かに「ローランド様?」声をかけて近づく。
次期宰相様が寝るには質素で田舎のベッドで、首元を緩められたローランド様が寝ていた。
起きる気配はない。
(相当お疲れだ)
これはしばらく、ろくに寝てなかったかも。
「慣れない旅に、お酒とくれば寝るわよね。」
相当疲れているんだろう。目にかかる髪を払って顔色を見る。
(悪くはないかな。お酒飲んでも顔赤くならないタイプなのかしら?)
お水飲んだ方が良いと思うんだけど
「可愛い寝顔ね」
寝ているところを見る機会なんてなかったけど
普段キリッとしている瞳が閉じられると、とたん子供の時の印象が強くなる。
お仕事中だと余計、近寄りがたい印象を与えるのね。
頭を撫でる
「ふふふっ私が歳上だったら、頭を撫でて褒めるって事もあったかしら?」
小さな頃、兄の真似をして私を撫でて褒めてくださったのよね。
ローランド様、小さな子との関わりが少なかったみたいで
なかなかお話できなくて、兄とばっかり話すんだもの。
気を引こうと思ってたのかしら、私?
兄をとられると思ったらことはないけど、
ローランド様を…。
いいえ。まあいいわ。
(私もお酒の気に当てられているみたい。)
ちょっと熱いかな。布を濡らして、額に置こう。
水差しから、少しハンカチを濡らして
ゴトッ
?物音が窓からした。
誰か転けた音とか?そうなら蹲るくらいすごい音だったけど。
窓を見る
(え…)梯子だ。
これは…。
水差しがある。コップに水。
下に溢した。
「冷たっ!!」
「オーイ!農家の娘が梯子を登ってるぞおお」
「ハハハッ、バカなことする娘がいたな!」
「ほらっのめ飲め」
「チョットオ!」
あ、捕まったわね。父さんお疲れ。
「まったく。」私のローランド様に!
「マライヤ?」
「はい!」
泥棒猫に水をかけてませんよ?
言い訳を口に含んで、ベッド際まで近づく。
「貴方とは友人だった。」
確かに。文通友達かしら?
ちゅっと私の手にキスされる。
「私も男ですからね?」
「あ…。お、お水飲んでください!ね?」
弱っている男性に迫る気はないですから!
部屋を出るのは不安になったので、椅子を置いてベッドの縁を借りて…
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