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城
休暇明け
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結局、私達はバタバタと王城へと戻った。
母とはゆっくり話せなかったけど。パールのネックレスをくれた。
娘を嫁に出すときに渡すために、少しずつ購入してたもの。
「ここ最近で大部分を買ったんだけどね。」
そう、嵐の時の復興費用に売ったのは私も知っている。というか売ったのは私。
母の視線の先。この首飾りはローランド様の心遣いだったらしい。
黄色みが強いパールは優しい色だ。
「ありがとう」
そうして慌ただしい帰省が終わり、私は公爵家の嫁として始まると思ったのですが…
「マライヤ、お帰りなさい。」
「た、だいま帰りました。」
つい、身体に馴染んだ挨拶が出てしまったけど、どうして貴女様が?
隣国へ嫁いで行ったミカエラ様がお迎えくださった。
「どういうことですか?」
ローランド様が説明を求めたところ、
部屋にいた王太子様も困っていると言う顔をした。
とりあえず、メイド長の給仕で私達は座る。
帰ってきたご報告をして、退室しようとしていたのだけど2人揃って座った。
お帰りは、創立祭の時に帝国の皇子様といらっしゃる予定だった。
一緒に出席されるお姿を見せて、隣国との繋がりは強固で国が安定していると
「問題発生よ。」
ふうとため息をつく姿も麗しい
お綺麗になられたと感じるのは、帝国風のドレスもお似合いで色っぽさが増している。
そう視線をとらえられたのかニッコリ微笑まれた。
(お美しいです!)
目を伏せ、心の中で褒め称える。
「そろそろ説明しろ。ミカエラ。」
従姉弟同士の関係は、良好な仲だけど。
「ですから、帰らないと不味いと思って帰ってきました!」
だいたいが、ミカエラ様が一枚上手だ。
「というのもね?帝国での噂話と動きに不穏なものがあったのよ。」
“花嫁候補の仲に帝国と繋がっている令嬢がいる”
“王国は帝国の物になったも当然”
「そんな中で私がのんびりお茶を飲んでられると思うの?」
「噂だろう?」
「噂が創立祭までに消せないのは、何故?」
問いかける目線のは、ローランド様にだ。
「街の根拠のない噂と経過を見ていたところ、収まるどころか
まことしやかに広がっています。これは故意に流され続けている噂かと。」
「王都では取り合っていない。帝国はそんなに噂が広がっているのか?」
「私の前で、王都のどの辺りを手に入れたいと宣うんですのよ。
平気だと言って欲しいのですか?」
お怒りだ。
派手な見た目だけど、怒ると感情が削げ落ちるタイプ。
まだ声を荒げているときのが冷静なのよね。
「それほど、か。」
帝国の皇子もお迎えする。
そんな噂の中で友好ムードを出しても、不信感が色濃く感じられるだけだ。
「帝国では埒が明かないのよ。私がこっちで、御令嬢達の相手をするわ。
貴方達は向こうの貴族をどうにかして。」
輿入れする王国の公爵令嬢では、貴族間の噂を消せるほどの動きはまだできない。
優秀な手腕をおもちのミカエラ様は、早々に切り替えて戻ってくることを選択した。
確かに。創立祭まで時間がない。
「尽きましてはお願いが。」
「マライヤをつけろ、か?」
メイド長からの任命。
王太子様からのお願いに断れるわけがありません。
しかも、御令嬢達とお茶会をされるとのこと。
「できれば、公爵家の嫁として出席を。」
ニッコリおもしろそうね。
勝利しか見えない、笑顔だった。
(だから勝てないんだよな。)
と王太子様は思っているのは、次期宰相様しかわからない。
主従の関係でも育んできた関係を友人としてミカエラ様と手を取り合うことになる
武者震いとはこういうものだと感じるマライヤだった。
母とはゆっくり話せなかったけど。パールのネックレスをくれた。
娘を嫁に出すときに渡すために、少しずつ購入してたもの。
「ここ最近で大部分を買ったんだけどね。」
そう、嵐の時の復興費用に売ったのは私も知っている。というか売ったのは私。
母の視線の先。この首飾りはローランド様の心遣いだったらしい。
黄色みが強いパールは優しい色だ。
「ありがとう」
そうして慌ただしい帰省が終わり、私は公爵家の嫁として始まると思ったのですが…
「マライヤ、お帰りなさい。」
「た、だいま帰りました。」
つい、身体に馴染んだ挨拶が出てしまったけど、どうして貴女様が?
隣国へ嫁いで行ったミカエラ様がお迎えくださった。
「どういうことですか?」
ローランド様が説明を求めたところ、
部屋にいた王太子様も困っていると言う顔をした。
とりあえず、メイド長の給仕で私達は座る。
帰ってきたご報告をして、退室しようとしていたのだけど2人揃って座った。
お帰りは、創立祭の時に帝国の皇子様といらっしゃる予定だった。
一緒に出席されるお姿を見せて、隣国との繋がりは強固で国が安定していると
「問題発生よ。」
ふうとため息をつく姿も麗しい
お綺麗になられたと感じるのは、帝国風のドレスもお似合いで色っぽさが増している。
そう視線をとらえられたのかニッコリ微笑まれた。
(お美しいです!)
目を伏せ、心の中で褒め称える。
「そろそろ説明しろ。ミカエラ。」
従姉弟同士の関係は、良好な仲だけど。
「ですから、帰らないと不味いと思って帰ってきました!」
だいたいが、ミカエラ様が一枚上手だ。
「というのもね?帝国での噂話と動きに不穏なものがあったのよ。」
“花嫁候補の仲に帝国と繋がっている令嬢がいる”
“王国は帝国の物になったも当然”
「そんな中で私がのんびりお茶を飲んでられると思うの?」
「噂だろう?」
「噂が創立祭までに消せないのは、何故?」
問いかける目線のは、ローランド様にだ。
「街の根拠のない噂と経過を見ていたところ、収まるどころか
まことしやかに広がっています。これは故意に流され続けている噂かと。」
「王都では取り合っていない。帝国はそんなに噂が広がっているのか?」
「私の前で、王都のどの辺りを手に入れたいと宣うんですのよ。
平気だと言って欲しいのですか?」
お怒りだ。
派手な見た目だけど、怒ると感情が削げ落ちるタイプ。
まだ声を荒げているときのが冷静なのよね。
「それほど、か。」
帝国の皇子もお迎えする。
そんな噂の中で友好ムードを出しても、不信感が色濃く感じられるだけだ。
「帝国では埒が明かないのよ。私がこっちで、御令嬢達の相手をするわ。
貴方達は向こうの貴族をどうにかして。」
輿入れする王国の公爵令嬢では、貴族間の噂を消せるほどの動きはまだできない。
優秀な手腕をおもちのミカエラ様は、早々に切り替えて戻ってくることを選択した。
確かに。創立祭まで時間がない。
「尽きましてはお願いが。」
「マライヤをつけろ、か?」
メイド長からの任命。
王太子様からのお願いに断れるわけがありません。
しかも、御令嬢達とお茶会をされるとのこと。
「できれば、公爵家の嫁として出席を。」
ニッコリおもしろそうね。
勝利しか見えない、笑顔だった。
(だから勝てないんだよな。)
と王太子様は思っているのは、次期宰相様しかわからない。
主従の関係でも育んできた関係を友人としてミカエラ様と手を取り合うことになる
武者震いとはこういうものだと感じるマライヤだった。
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