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聖レスク学園

男子生徒達の会話 (※キース視点)

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※キース視点

「なあ、誰が気になる?」

同級生の1人が、男ばかりの授業をいい事に好きな女子生徒を聞き出して回っている。
投票を集計してその女生徒が人気か作成しているらしい。まったく暇な事だ。

自分のところにも来た。

「べ、別に。いないならいいよ!」

キースの番だったようで黙って見ていたら、行ってしまった。
あいつは、誰だったか。商家の三男坊?思い出せない。


「公爵令嬢は入れなきゃダメじゃないか。」

「貴族の令嬢なんて、みんな高嶺の花だって」

「商売人の息子として挨拶してこいって親父から言われててさー」

下心、計算。富に近づけば、欲しいものは手に入るんだろうか?

(何が欲しいのか分かっていてならそれで良いのかも。)

手段を選べるというのは、良い事だろう。

黙々と口に出さず考える姿のき。取っ付きにくい自分にも、話しかけてくる獣人の学生がいた。
基本、一人でずっと喋っているだけだが。

口の回りが良いのが自慢だと、自虐のような事をいう男。
獣人は珍しいから、なぜこのクラスなのかきいたら…

「力自慢であったなら、騎士科に行くだろ。」

酷く納得した。自分達は力自慢の種族じゃないから。
そういうところは分かっているのに、なぜ口を閉じるタイミングが分からないのか。

様付きで女子生徒の名前を言ったので、高位貴族の名前を答えたらしい。そのまま自分に矛先を向けてきた。
「お前は?」


「別に」

好きな女は?だったか、なぜこの教科をとったのかだったか。
そう素気なく答えた。そうすれば、勝手に想像して話は流れる。


武術の授業は男子のみで、着替えの場所は騒がしい。
運動不足の解消とか、体を丈夫にするためだとかの理由で受ける学生が多い。

早々に準備し終えて、外に出た。

「やっぱ、高位貴族順に並ぶのが一番丸く収まると思うンダよねー。お、王子様」

友人と勝手に呼ぶ男の視線を見れば、この国の第三王子が通り過ぎていった。

同年の学園で面倒だから近づきたくない男、ナンバー1・2を争っている。

「取り巻きが1人変わってるね。昨日に引き続き、何かあったのかなあ~。
誰に聞けば分かると思う?なあ!」


ちなみに、競っているのはこの喋りっぱなしの男だ。

「うるさい」

そう答えて、王子様から距離をしっかりとって訓練場に向かった。
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