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聖レスク学園
学園の日々
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淡い記憶は、いつしか思い出になる。
「幼馴染との恋、ロマンスよね~」
学園で友人となったミミカは、そう言って手を祈るように組んだ。
お料理の勉強をしたいとミレーネは両親に伝えたところ「学園は出ておけ」と両親に勧められ、
町出身の子達と一緒に学園に通う事になった。3年間の寮住まいになる。
恋愛に恋焦がれ、素敵な相手とお付き合いを望む声が女子の声で聞こえる。
さっきまでの詩の授業で、恋愛物語の影響だ。
学園で迷わなくなってきた最近、周りを見回す余裕が出てきた。
私の幼馴染はキース、蛇獣人で彼も学園に来ていた。
廊下を歩いていると、視線の先にちらりと彼の姿が見えた。
男女で違う授業もあるため話す機会はほとんどない。
成績は良く、授業の時間を起きていられるようになっている。出会った頃、蛇獣人の体質で苦慮していた彼だが、成長するにつれ緩和していた。
「これ、うちの今日の夕食ですけど良かったら食べて」
両親同士の交流があり、母がキースの両親がいない昼食時に彼を招いていた。
キースのお母さん、ナーナさんは香辛料に詳しくって料理上手の母と話をよくしていた。
その中で、料理とは薬にもなりうるのかと興味が深まった。
「料理のための勉強の基礎を学んできなさい」
そう両親に送り出され、意気揚々と来たけど。
「町と色々と違い過ぎるわ」
そう町から出てきた皆が、ため息をつくほど王都は凄い。
“人も物も、ルールさえ違う。”
男子、女子と分かれるようになった。
私はそこまで意識していないけど自然と流れで
「慣れないよねー。強く主張をした方が勝つ!みたいな。」
貴族もいる学園は、派閥があって皆が親の職業を意識する。
その上下関係や関わりを権力順に並べて見ていた。
それが私にはとても合わない。
「お尻の座り心地が悪いわ」
「そうね」
ミミカの率直な意見に同意する。
こんな会話も、誰かに聞かれているような気がするから。とても息が詰まりそう。
「今日は、何食べる?」
「そうね、お肉かな。」
「昨日もその前も、そうだったじゃない。」
私の今の目標、ミミカの野菜嫌いは治せるのかな?
食堂への人の流れで、もうキースは見えない。
寮でも顔を合わせる機会がなく、久しぶりに顔を見た気がする。
それも、すぐに話に行けないのは
(自己保身というものを覚えた成長なんだろうか?)
それにしては、モヤモヤする気持ちが胸にあった。
「距離が空いたなあ」
そんな彼をなんとなく視線で探して、幼馴染の間にできた距離を感じた。
これが大人になるって事か、と思う事にした。
「幼馴染との恋、ロマンスよね~」
学園で友人となったミミカは、そう言って手を祈るように組んだ。
お料理の勉強をしたいとミレーネは両親に伝えたところ「学園は出ておけ」と両親に勧められ、
町出身の子達と一緒に学園に通う事になった。3年間の寮住まいになる。
恋愛に恋焦がれ、素敵な相手とお付き合いを望む声が女子の声で聞こえる。
さっきまでの詩の授業で、恋愛物語の影響だ。
学園で迷わなくなってきた最近、周りを見回す余裕が出てきた。
私の幼馴染はキース、蛇獣人で彼も学園に来ていた。
廊下を歩いていると、視線の先にちらりと彼の姿が見えた。
男女で違う授業もあるため話す機会はほとんどない。
成績は良く、授業の時間を起きていられるようになっている。出会った頃、蛇獣人の体質で苦慮していた彼だが、成長するにつれ緩和していた。
「これ、うちの今日の夕食ですけど良かったら食べて」
両親同士の交流があり、母がキースの両親がいない昼食時に彼を招いていた。
キースのお母さん、ナーナさんは香辛料に詳しくって料理上手の母と話をよくしていた。
その中で、料理とは薬にもなりうるのかと興味が深まった。
「料理のための勉強の基礎を学んできなさい」
そう両親に送り出され、意気揚々と来たけど。
「町と色々と違い過ぎるわ」
そう町から出てきた皆が、ため息をつくほど王都は凄い。
“人も物も、ルールさえ違う。”
男子、女子と分かれるようになった。
私はそこまで意識していないけど自然と流れで
「慣れないよねー。強く主張をした方が勝つ!みたいな。」
貴族もいる学園は、派閥があって皆が親の職業を意識する。
その上下関係や関わりを権力順に並べて見ていた。
それが私にはとても合わない。
「お尻の座り心地が悪いわ」
「そうね」
ミミカの率直な意見に同意する。
こんな会話も、誰かに聞かれているような気がするから。とても息が詰まりそう。
「今日は、何食べる?」
「そうね、お肉かな。」
「昨日もその前も、そうだったじゃない。」
私の今の目標、ミミカの野菜嫌いは治せるのかな?
食堂への人の流れで、もうキースは見えない。
寮でも顔を合わせる機会がなく、久しぶりに顔を見た気がする。
それも、すぐに話に行けないのは
(自己保身というものを覚えた成長なんだろうか?)
それにしては、モヤモヤする気持ちが胸にあった。
「距離が空いたなあ」
そんな彼をなんとなく視線で探して、幼馴染の間にできた距離を感じた。
これが大人になるって事か、と思う事にした。
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