【完結】アンデットとして家にいましたが、気付かれていなかった引きこもりです。

BBやっこ

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ある時

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田舎の子爵家、代々続いているとはいえどほぼ農家。魔物の脅威から領民を守るため腕っ節を磨いている。

兄2人がだ。長男次男とも体格に恵まれ、家も安泰だろうと見越さている。
まあ、農作物の収穫量が下がってキツい時もあるけど平和な世界ですよ。

少し年の離れた弟は、可愛い盛り。たまの事実を突く言葉が痛いですけど。


「ラスお兄ちゃんは何してるのー?」

実質、農家の手伝いで子爵家としては居候感が強い。
家のおかげで研究めいた事もできているから、この環境を使わせてもらって感謝しているんだけど。

「なかなか大きい成果はねえ。」


地味に手伝ってる三男に期待も何も無いけど、結婚してとか出て行く理由もないし。

本に埋まって過ごしていた。
領地を襲ったあの日も。あの嵐が去った後、手伝いに出てきた男に呆れはしたものの


誰も何も疑いはなかった。
昨年の酷い嵐の傷跡も、落ち着いて家族が食事をしているところ家族が揃った夕食にて。

「聖女様がいらっしゃると手紙が来た。」

「え、こんな田舎に?」

「嵐の慰問の道中においでくださるらしい。」


そりゃまた大物がいらっしゃる。歓待は豪華にと言っても王都とかと比べられたら。

「胃が痛いね?」
「そうだが喜ばことだ。」

「準備を考えなければね?」


「ひと月でできるだけのことをしてお迎えするぞ。」
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