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9-内情

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「実は、君にあの世界に行ってもらわないと困る状況が私たちの方にあってね。」
詳しい内情の話になった。
面会、説明を受ける権利を持つというのを行使させてもらっている。

なんか、今後の宇宙旅行向けの契約の下地になるんだとか。
それほどしっかりやってますというアピールでもある、と。

色々考えて、私の方ばかりで相手に利点がない。そういう場合も
不履行を警戒して詳しく聞く事にした。情報がないのも判断が難しい。

「あの世界には“番、唯一の相手”というものがあってね。
最大戦力となる冒険者や支配者層に、その傾向がある。

ある時、こちらからその要請を拒んだんだが、とんでもない損失を出されてね。」


実際に、打撃を受けるといのも驚きだ。
実際の距離や接続、交流などから抵抗にあったという歴史資料を見せられた。

(これはまた、すごい行動力。)

権力者、資金力、これからの利益。

それらをちらつかせ、交渉の席を用意したという。
史実にありそうな手腕。

「あちらも必死なのさ」

それほど、執着する相手を欲しているのか。
それが私なのも実感がないな。


「貴女がこの話を受ければ向こうの世界で<電脳神の加護>を受ける事になる。」

ゲーム内で店の仕事に、冒険者としての依頼。ゲームとして遊んでいた事と、あの男と交流するのがお願いらしい。


「あの世界で生活してほしい。彼の男には、嫌がれば諦めろと言ってある。
そういう契約になっているんだよ。」

最後の契約は、とても疲れたような声だった。


「貴女をあちらから取り上げれば、また嫌がらせが起きる。

だから君への高待遇は当然の権利であって、
彼を見極める時間もとれる。

君の体を人質にはしないし、管理も徹底している。」


とりあえず必死らしいとは伝わった。
私の不利益も少ないし、ゲームの世界は気に入っているのだ。



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