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8-カプセル

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ひと言で表現するなら、白い部屋。

中で働いている人達がフードを被っているから、映画のセットみたい。

一直線に中央に向かうおじ様について行く。
床は陶器のようにツルッとしているが滑る審判はなさそうで、なんか割れそう。

中央の塔のような頂からフワリと空間に映し出される。
高機能のプロジェクターだろうか?

映し出されたのは、どこかの教会か。この空間が白いから映し出された境界線が曖昧だ。

「これが、ゲームの秘密であり組織の機密だ。」

「え」

ゲームの話の筈が、機密事項まで開示されるなんて聞いてない!

「この世界と君たちがゲームとして訪れている先は繋がっている。」

(そうだ、ゲームの最初に訪れる教会に似ている。)

そこだと言うのか?壮大に担ごうとするには、一社員に向けては仕込みが過ぎる。
「嘘だと思うかね?まあ、真実あの世界との繋がりで儲けを出しているのだ。」

「え、そんな事って。」

「情報のやり取り、あちらに送る解決策を提示し、送り返されるヒントでこの会社はこれだけ大きくなった。」

そしてもっと奥、宇宙カプセルが並ぶ。



「宇宙へのコールでスリープ」
ニュースでやってた。
宇宙旅行のために休眠ポッドでは栄養が送り込まれ、最低限の運動効果を機能搭載しているとか。

「ゲームの世界に意識を飛ばしている」

これだけの人が?カプセルホテルを思い起こさせる。
何十人いるんだろうか?

「運動、栄養のモニターであの世界には50人ほど送りこまれている。君にも参加して欲しい」

「私に?」

「向こうの住人に執着されただろう?過去の事例からそうなった者には
ゲームをする仕事についてもらっている。」


執着?

ひと通りカプセルの説明を受け、説明書類などを渡された家に帰った。
会社は出向の形に、宿舎扱いの休暇には外出もできる。

「待遇が良すぎる」


しかし、お付き合いの相手もおらずゲームが趣味の女。
断った方が、職場に居づらくなりそう?

色々な好待遇を出され、逆に不安になる私だった。

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