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ゲーム異世界

⑥-2

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「成功しました」

バイタルの安定

「ひとまず休めますね。」
「そうだな」

バイタルは良好。今回は戦闘もなく案内人もいるため、こちらからの接触は少ない。
カプセル内の状態に気をつけていれば良い。

クラークと若い研究者は、コーヒーブレイクを始めた。

「普通の勤め人の女性って感じで、癖のないフツーの人ですよね」

ががつよいものやこだわりの強い者が多い中で、良い意味で目立つ。討伐メインと技術関係で向こうに行くメンバーが多い中なら尚更だ。頼りなく見えるのだろう。

「あちらの加護で守られる。」

カイナ、職業は魔導師となり店を持つ。

この計画の話をした時の反応は、懐疑的。慎重なのは好ましかった。ここに来た連中は、ゲームに夢中なものが多い。関連会社に所属していたため性格の調査も簡単にできている。

「こう、守りたくなる見た目だけど隙はない感じっていうか?」

案内をして、お茶にでも誘ったのだろうか。交流より情報を把握しようとする態度だった。

ここの連中は技術に夢中であり、研究目的であったりとのめり込みやすいタイプが多い。
そこに混じっても、一般的な良識ある女性の印象だ。

彼女自身が不安を示したメンタル面は、脳機能による生来のものかもと医師に判断されている。フォローをして長期に診ると決まった。数値は運動経験も多少あり、日常生活には問題ない。

『性格は社交的に振る舞えるものの、1人を好む。マイペース、独自の世界観を持って自立心がある。』

彼女がいた会社で行われた、心理検査の結果だ。

収集した情報によると、家族関係はそこそこ。帰省はするものの、あまり話はしない。
あの年代ならそういった距離もあるだろう。

「恋人とかは、要らないタイプですかね~」

恋人はいないようで、『のんびり過ごしたい』という願望を口にしている。活発とまでいかないが、行動力はあった。今のところ、ここで友人関係にもなりそうな者もいないな。というのは主観だが。

以上が、彼女の人となりの調査だった。

独りごちたのに飽きて、若い研究者は端末をいじっている。彼女の仮想空間で測定した数値だ。

「性格的には好ましいですが、体力やゲーム性との相性は平均的ですね。」

あちらに行ける人間は、向こうが選ぶ。こちらに決定権はなく、カプセルに耐えられるかが送り出せる
最低条件だ。

「あちらの世界では残基は1。無茶はできないな?」

例えが、インベーダーにハマった世代かなと若い研究者は思う。この人の前では白衣のボタンが開いている自身の服をみて。クラークのようにピシっと着た方がモテるか考える。

それも、すぐ忘れ自身の作業に戻っていった。
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