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整理と準備

14-③

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「仕事がしたいです」

スタンと恋人同士のようなやりとりが数回。世間は、クリスマスが迫っていた。

「ような、じゃなくてアプローチでしょ」
「鈍感系ヒロインポジっすか?」

「振り回す悪女に育てようか?」

若手さんと年上の友人が、仲良さそうです。意外と良い組み合わせだったらしい。仲良し組み。
私の呟きの説明をすると

「ダイブは年末に一回あるかなって予定。」

カプセルの点検、中間位置の設定調整を行なっているため新しいダイブは行われない。
中間位置の設定強化をして、新しい設定を載せる。その日程

『来年にダイブした世界の長期に渡るダイブを行う。カイナ、君にも行ってもらう。」

「はい!」

準備という物もそうないし、時間がある。

「化粧品探しか。」

高価な物を知るのも役に立ちそう。ということで、中世の歴史を振り返っている。

「討伐組みとは違う情報収集を期待している!」

カッコよく言っているけど、この人、化粧品目当てです。
端末へ楽に送信できる技術が開通した。

「指示がうっとし」

「ナビ機能でもう迷わない!」

「ウインドウでほんっとゲームの中って感じ」

好感触。そして私はスタンと電話交流している。

「遠距離恋愛の甘酸っぱさ」
「文字で済ませた方が楽じゃないっすかね?」

「もどかしさが良いのよ!声は届くのに、顔は見えないっロマンスよ!」


ここのクリスマス、感謝祭は「とり肉祭り」で映画鑑賞会が開かれる。参加自由。ポップコーンに、ドリンクバー、ビール他。とりももも肉やバレルのアイスを抱える人がいるとか。

「ホラーが人気」

クリスマスにロマンチックを求める人は、ここに止まらないと。私は懐かしのファンタジー超大作を観たい。画質、技術、異世界の体に変えてしまう主人公に憂いはない。

世界が終わる前の羽化。

家族、友人、自身の体に未練がない主人公と私に照らし合わせる。
私はそこまで、全てを捨ててとはできない。



実家から、[クリスマスはケーキを食べた。年末年始は帰ってくるの?]と連絡が来た。
『年末年始の帰宅はしないよ』と返した。

ついで、『年末の挨拶がわりに良い肉を送るね。』ピピっとネットで買って日付指定で送れるようにしといた。

それで終わり。私は帰宅しないよ。義理は済ませる。

スタンと連絡をとって喋り通しの夜になった。十分アツアツと後で揶揄われるが、些細な事だ。
遅れるけど、防寒具になりそうなマフラーを贈るのはベタだろうか?

そんな事を考えるくらいには、クリスマスムードに毒されているとカイナは照れを誤魔化した。
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