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Ⅱ-d 森と平原

水の卵と夕食後

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「その鳥とか魚って、出てきたら何かあるのカシラ?」
混乱してきた場を持ち直そうとするようにシュルトが参加する。

酸味のあるハーブティが渡された。
香りを楽しんで、喉を潤す。


「魔力をんで、形を変える。
大きくなったり、成長したり

属性を変えてみたりと、その土地の魔力的な傾向がわかるって。」


「魔術師は使えるものなの?」
キースは自分ができないと分かっている。
だからこそ、知りたい!と詰め寄る。

シュルトとカナンは枠の外。
そう言うものがあるのか。キースが暴走してるな。
と見守る姿勢でいる。

ロードは、
「砂糖いるか?」とセリに聞いて、いらないと言われるとキースにやった。

グスタフだけ
「精霊魔法」と言う言葉を出したが、沈黙を守る。

ひと息ついて、話が再開される。


「師匠のいた集落ではできる人がいたらしい。」

「それって、ごく僅かって言うことじゃない?」

「人数は聞いていない。知っている集落で3人だと言っていた。」

知っている集落がどれだけあるかで違ってくる話だった。
なぜそこを聴かなかったのか?と問われれば、

子供の時に聞いた話だからだった。しかも、
6歳は過ぎていたが、サバイバルしていた時期。

のんびり質問なんてできる余裕も、心情でもなかっただろう。

師匠、何者?と思わなくもないが、
セリの作った水の卵を見た。

変化はまだ起きないようだった。

キースには魔力が渦を巻くように集まるのがわかった。
魔力の流れが見えなければ、アクアボールが浮いているようにしか見えない。




日が沈んでいく頃、変化があった。
ぶるっぶるっと振動したかのように波打つ水の塊、卵。


振動に気づいたのは、キースだった。

「何アレ?」

しばらく見ていたが、ただ波うっているだけなので、飽きて寝る準備をしている。


次に気づいたのは、カナン。
「速くなってないか?」

脈打つ間隔が速くなっていた。


「ああ。」相槌をうち、気づいていたグスタフだった。
気になって、湖の上を見ていたようだ。

「魔力を足したら、早く産まれるかも?」何かやってみたいというキースの心情が漏れる。

「何もしなくても、産まれるんならしなくていいんじゃないか?」

ロードが止めたのは、
魔力をこめたので、魔力欠乏を心配しているのだ。

「じゃあ、ボクが込めてみる?」

「やめといた方が良い。」と止めた。
「魔力と土地の相性があるって話を聞いている。」

魔力を混ぜれば、変わってしまうのでこのまま様子を見たほうが良いだろう。


「いつ生まれるかわかるノ?」
と話に加わったシュルトは、見張りの番だ。

「朝、かな?」
脈動の魔力が感じられた。
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