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本編

「尻尾が触れてます」

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フサっフサっと足に触れる尻尾。

私では一見にして狼のものとはわからないが、
魅力的だと思う。

私は小さな頃に犬が身近に居た。
狩猟犬で歳をとっていた大人しくコだった。
因みに雌(女の子)。

世話をしてくれ、一緒に散歩もし狩りを手伝ってくれたりと
とても優秀で頼りになる子だった。

眠る時に一緒に寝てくれた時のそのもふっと少し硬さのある毛が
栗色で優しく暖めてくれる。


とまあ、犬に思い入れがあると言って良い
足に懐くようにパタ、パタと当てられている尻尾を意識せずにはいられない。


わざとですね?


カナンを見上げるとニッコリ。
コレは、無害なフリしている笑顔だと覚えた。


私にが獣人の友人がいる(女の子)
そのためこの国の人の中では、習慣に詳しいと自負する。

尻尾を触る
のは、

性的な接触に近いのだ!

耳は

軽いキス程度の扱いってとってくれる場合と、
執拗だと“誘ってる”になるらしい。


ふさっふさっとご機嫌に振られる無防備は尻尾。


ちょっと指先、触れるだけなら良いだろうか。
欲望に揺れる。

足に触れる触り心地は
毛質は硬いながらもするりと通り過ぎていく。

止まってくれれば良いのに!!

チラッと伺うように
少し離れるパターンも混ぜてきた。


静かなる攻防

しかしその均衡を崩したのは、
後ろからの締め技だった。

「ぐえっ!」
口から出たのは言葉だけだが、その締め付けは緩んでいない。
ちょっと涙目。

後ろにもたれれば、楽になった。
「セリ?」
耳を狙う

優しく
触れるような

まれているようなああああ!?


硬直する


グリグリと擦り付けてくる頭は
犬みたいと思ったがくちにしない。

獣人の種族的に、他の種族で例えられたり似ていると言われるのを嫌うことがあるらしい。
こも鱗のある男は犬ではないだろう。

なんか可愛いけど。
その硬質そうな冷たい髪色は

意外とつぃっと滑りが良くしなやかで、もちろん冷たくはない。
ちょっと面白い触り心地だ。それを堪能してたら

腰からら持たれてぐるっと
向かい合わせに座らされる。

アラ~!力持ち♡

なんて暢気に構えていたら

私の手を
鱗のあるところヘ導くロード。


触れ、と?

これで触るななんてことはないと思うけど
ちょっと様子を伺い見る。

『触って?』と瞳が語る
少し傾げた角度のあざとさは作り物か天然か。


興味のままにそっと触る。
ざらつきよち透明感のある硬さが伝わる。

鱗持ちの人は、距離感を持った接し方が好きらしい。
ここまで触れ合い、近寄ることを許されるのは相当好かれているか
変わった性格らしい。

何はともあれ、
初体験だ。

以前、蜥蜴の魔物の鱗を売ったが
これほど綺麗で柔軟性はない。


貴重な体験に
何かお礼を?と考えて同等の珍しいものがないか


自分の身体を見た。
(胸を触らせる?)

ボリュームは足りないだろうが、男性のものとは違う触り心地。


その迷走した思考は口に出さなければ、バレないのだ。

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