【完結済み】俺たちと番の女のハネムーン[R-18]

BBやっこ

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王都での挨拶

10-紅茶を出されて

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ロードとカナンは自室に戻った。
正確には、ロードはセリから離れようとしなかったが、カナンとシュルトの進言で
部屋に戻る。

「セリちゃん『挨拶の時、降りたい』って言ってただろ?ちょっと離れないと嫌われるぞ?」
「ハァ。これだからつがい至上主義は…。部屋でも片付けてなさいよ。」

と言った具合だった。



セリはキッチンと庭の見えるソファに案内され、
お客様扱いしてもらえるようだと正直、怪しい自分に丁寧な扱いで少し緊張を解いた。

そして、“ロードの膝の上で挨拶”は回避された。
懸念の一つが免れたのも緊張していた要因だったかもしれない。


それでも礼儀正しく、第一印象大事!とセリの気合は十分だ。
面接みたいにな調子になっている。

相手は王都の、
洗練された商人だ。

紅茶が出され、対面に座ったのは優雅な男性だ。


『竜の翼』のメンバーで交渉担当と聞いているシュルトさん。
私の扱いも大枠この人との話にかかっている。
第一関門といったところだろうか?

緊張する。
まず、ロードはリーダーで『竜の翼』の要だろう。
行動の決定や動きに影響が出るのを良しとできるだろうか?

カナンが好意的だったのが珍しい部類だろう。

男女関係というのは人はが入れば乱れるものだ。
特に、ここは少数、男性ばかりのメンバー。

女の私が、リーダーのロードと付き合うのに
抵抗がないわけない。

「セリと言ったかしら?楽にしてね。

あ、一応最初に言っておくけど、ロードとのことなら反対しないから。」


あれ?セリにとって都合の良い言葉に警戒する。
上げて落とすかな?

「あ~。他意は一切ないから。
ロードが決めた番ですもの。アタシが反対することでもないし、メンバー全員そうよ?」


え、すごく緊張して気合を入れてきたんだけど
とっても友好的!?


「あのね。竜人の花嫁を傷つけたら、血が流れるわよ?」

「冗談…「冗談じゃないのよねえ。」」

台詞が被った。

「獣人でも番の関係は、血が流れるって聞くわ。実際、身近に獣人の番認定されたコがいたのよ。
犬獣人で、すごい暴れっぷりのしつこい奴だったわ~。」

あ、目が遠くなってる。

「よく、来てくれたわ!
なんとかアレ(=ロード)をぎょしていきましょ?協力は惜しまないから!!」

「よ、よろしくお願いします」

と契約完了!みたいな感じで話がついてしまった。
もう少し、何かあると思ってたんだけど?

私も番については聞いているが、どちらかというと獣人の性事情?
女性視点の猥談?だったから。

番の条件というのがよくわからない。
ちょっと不安になった。上手く行きすぎてる。

落ち着くためにお茶を飲む。高級なものだろう飲みやすい味だ。
なかなか飲めない品をうっとりと味わった。



「僕にもお茶ちょうだい」
入ってきたのは、これまた美人な男性で。


シュルトさんが、劇で女性に告白してそうなら
この人は、侍らせて片っ端から袖にしている役かな。

と舞台に立っているイメージが湧いた。
服装がシンプルでも(安物とは言っていない!たぶん高級品)、煌びやかなのだ。

貴族様だろう。視線が合ったので

「お邪魔しております。セリです。」立って頭を下げてご挨拶。


髪色と瞳から、あれ?すっごく高位貴族の特徴と美貌に見入ったものの
無礼にならない程度だったと思う。

その視線がバレていそうだけど。


「ああ。ロードの相手?」
ソファに座り、シュルトさんから紅茶が出された。


「そ。適当によろしく。」


素っ気ないが敵意はない。

意外。


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