【完結済み】湖のほとりの小屋で、女は昼夜問わない休暇中。<R-18>

BBやっこ

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朝の目覚め

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ペロっ

自分の頬の舐められて感触に薄目を開ける。
今が朝かは、わからなかった。

起こされる時のよくある事なので、そこに問題はないのだけど。
とにかく、ダルい。

瞼が下がりそうなのを、もう2度3度舐めらることで防いだのは、
大きな犬…

「ガウ」
ではなく、狼である。
意思疎通でき普段は違う姿だが、今は完全に狼の行動だ。
人の姿で頬を舐められた事はない。

「ウウっ」

首を傾げる動作に、可愛いと思いながら耳あたりを撫でる。

“もっとやっても良いぞ?”とばかりに、目を閉じて気持ち良さそうな姿に和む。

それのしてもダルいなあ
気持ちのままに、狼の毛並みを枕にした。

今日の予定などなかったはず

「ウ?」

寝るのか?と聞くような、声に
「ん~」と生返事をして、赴くままに顔で毛を堪能する。


それが女のよくある休日の目覚めだった。
…筈だ。


今日は何日目だっけ?

ぼんやりとした頭は、思考を拒否する。
情報を得ようと部屋を見渡した。

見慣れたものが多いので、ここに長く滞在している。

確か、休暇用の別荘小屋を借りているんだった。
薄着でも寒くない土地で

女の身につけている物が透けているのもそのせいか。
(パンツは穿いている。)


そう確認して、いる筈の1人と1匹の姿を探した。

2階にいるのだろうか?

湖の近く、ボートで漕ぎ出せるようになっている1階部分。
そこで一緒に寝ていた相手は、結構前に起きたのだろう

手で探ったが、温かみが残っていなかった。
そもそも起きて、のキスが降ってこないので居ないと分かっていた。

重い頭を抱えていると

カッカと爪が木の床に当たる音が近づいてくる

「おはよう」と起きている事を伝え、側に来たら迎え入れた。

狼は2階で寝ている。
起こしに来てくれたにだと横になったまま

いつものように抱きつくと

尻尾がとても振れているのに気づいた。

バッサバッサと言いそうな、そのフリフリに
(何か良い事でもあったのか?)と顔を見ると

ペロっペロ…と口元を舐められ
「うぷっ?!」

驚いた。

普段、口元にペロりやすれば
女を『自分の番だ』と主張する、男に絞られるのがわかっているのに。


興奮している。

宥めようと、撫でるもくんくんっと女の匂いを嗅いだりと忙しない。


ぎゅうっと抱き止め用としても
逆効果だったようで

「ウォン!」

上に乗られてしまった。
スンスンと鼻が匂いを嗅ぎ、肌に当たってくすぐったい。


ちょっと重い

と危険は全く感じないが、何をしたいんだか謎だった。
だいぶ乱れてきている自分の服装も怪しくなる。

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