<完結・7話 >目隠れ令嬢は何も見ていません!血の気の多い婚約パーティーは逃げたいですが、私が相手です!

BBやっこ

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5-招待

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未だ、王子様のお相手は決まらないようだ。

噂で、自分が内定していると言う令嬢も出ているけど。

『じゃあなぜ発表されないの?』

の問いに、答えは…

『私のために、秘密にしているの』

(どんな理由があるのしても、貴女が喋ってちゃ意味ないでしょ?)

『次のパーティで紹介されるの』

(しばらく大きなパーティはないわよ?)


誤魔化すばかりで、ただ目立ちたいだけのようだ。

新聞社の記者が問い合わせても、

『まだ決めた相手はいらっしゃらない』と広報官長は答えられたらしい。

「今朝の新聞にも同じ事が書かれてる。国中、王子様の結構相手に興味津々ね。」

それに喜ぶ者が多いのは、自分が王子の隣に立つ想像ができるから?
「私には想像もできないわ。」


「お嬢様、お手紙が来ております。」


朝食後のお茶を飲んでいる時に、声がかかった。
「ありがとう」

受け取った私宛ての手紙。

「随分と豪華ね。」

見慣れない綺麗な装飾の手紙に、差出人は思い当たらない。


友人はこんな封筒使わないだろうし、パーティの招待?

中を読めば、お茶のお誘いだ。


国営の図書館の改装に伴って、意見を聞きたいと言う。
よく利用している令嬢に送ったという文章。


「よく利用はするけど、私?」


差出人は、図書館の館長。
図書館に隣接した場所は庭園で少人数。

場所も馴染み深い
断る理由もないし、メイドを連れて行ける。

「行かないという選択肢がないわ」

ご招待の方の身分もしっかりした名前に、そう判断した。


まあ悪いことにはならないだろう。


そう思ってた私に叫びたい。

さる高貴な女性が、お茶会に参加していたのだ。

時間をずらしてお会いしているみたいで、
私以外令嬢がいない?!



王妃さまとの突然のお茶会に、戸惑いつつも
話題は図書館の事だった。


寄付、寄贈をされ利用もされているらしい。
図書館の歴史もお詳しく、話の制御が流石だ。


緊張はあっても、お忍びの王妃様とのひと時はとても楽しいものになった。

(このまま粗相せずに帰りたい。)


多分顔に出ているけど、指摘されないのが有り難かった。


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