結いの約束~記憶に残る蜜の香り【異能覚醒編】

蓮華(れんげ)

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第二十一章 異能力者、始動

兵どもは眠りに付き、強者どもは苦悩する

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声を上げて泣いたらスッキリとしていた。





たまには、大人も泣くっていいのかもしれない。





(宴に戻って、飲み直そう。)






・・・・・・家に戻ると、そろそろ潰れるものも出て来ていて、半分は夢の中だった。







母は、相変わらずペースを守って飲んでいた。






........きっと、代々の家系の中で何に対しても群を抜いているのは母なのかもしれない。と、思った。





酒豪で、豪快、器が大きくて、異能レベルも歴代で上位。

父が愛した母に、私はかなわない。






「大丈夫?レン。」



「ん?何が?」



「浜にさっき様子見に行ったら、大声上げて泣いてたから。深澤くんと話したら苦しくなっちゃった?」



「やだ、見られてたの?まあね、熟女の大泣きなんて見れたもんじゃないわよ(笑)」



「(爆)あら、いいんじゃない?溜めるより、吐き出した方が。背負っているモノが大きいから、アンタはね。」



「深澤くんの声聞いたら、女子が顔出したわ(笑)」



「そりゃ顔出すわよ、女子。私は女としての顔を選んだ人間だから、よーくわかるわ、そのキモチ。」






「はぁー、飲み過ぎたわーっ!!」






フミさんがフラフラになりながら、私達母娘の元へやって来た。

ほぼ、泥酔だ(笑)




お水を渡すと一気に飲み干し、落ち着いた。





「何、話してたのー???」



「色々とね。我が家系の宿命さだめについてですよ。」



「そうそう、宿命ルビについてです。」





フミさんは押し黙ったあとポツリと呟いた




「.......そうね、しんどい事よね。」






みんな、思い思いだ。






「でも、ルリはすごいと思う。てか、強い。あのおばちゃま相手に曲げなかったものね、意志。」



「ふふふっ、そのせいで親不孝したわ。」



「レンはどのくらい強くなるのかしらね...」



「多分、一族の中で二番目くらいになる。今は一番だと私は思ってる。」



「ルリ、それはどういう意味?」






母は相変わらず、淡々と飲んでいるが激しい事を言い出した。






「レンの蓮の花は、特殊で大きいの。質も大きさも歴代にいたはずの該当者を超えていると私は思っている。それは深澤くんのおかげだわ。深澤くんが相手だから。レン以上の蓮の花は、未来永劫無理だと思う。それだけ、深澤くんとの出会いはレアなのよ。それは、調べるといいわ。」



「そうなの?後で調べてみるわ、一番は?」



「リョウよ。色んな条件が重なって、彼女の異能力は強くなってる。大人になるにつれもっと大きくなるし、本人が開花すれば尚更ね。」



「結果、ルリから派生してるのよね。」



「(笑)そうなるのかしらね。」







普段は異能力の話しは嫌がるのでしなかったが、ここまで話すのは珍しい事だ。

私を気遣って話してくれたのだろう。










・・・・・・・その後、久々の我が家バナシは盛り上がったが、太陽と目が合ったので一旦寝る事にした。
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