【R18】モブキャラ喪女を寵愛中

文字の大きさ
37 / 156

寧々ちゃんとお買い物

しおりを挟む
「座っているだけでも可愛いって疲れないの寧々ちゃん」
「た、た、たちゅみ……さ」
「元気みたいだけど、ちゃんとお薬飲まなきゃダメですよ」

 いいこいいこしながらテーブルに置かれていた薬ケースを確認されて、

「まだ昼飲んでないよね?」

 聞かれカクカク頷く、辰巳さんが薬を出してくれて口のとこに持って来てくれたんだけど。

「ほらお口開けてごらん」
「や、止めて……恥ずかしいです」
「なぜ」
「皆見てるし!」
「早く飲まないともっと注目の的だよ?」
「うぅぅう……」

 指輪の光る小指で唇突かれて震えながら開ければコロッとカプセルが転がってきて、

「はいお水」

 渡されたの私が持って来たのじゃなくて、辰巳さんが飲んでたペットボトルなんだけど。
 でも飲まなきゃ薬入れちゃったし。

「飲んだ? 口の中見せて?」

 親指で優しく唇拭われながら開かされて翡翠の瞳が動いて口の中見てる。

「いい子、じゃあコレ渡しておきますね……午後もお仕事頑張りましょう」

 手の甲でゆっくり顎を戻されて辰巳さんは私の胸に何か置くとそれをポンポンした。
 手を離せばさくらんぼ柄のポーチ。

「?」

 首を傾げたら、ふわって辰巳さんの匂いが近付いて、耳の側で。

「下着です」
「!!!!」

 そ、そっか!
 ぎゅっと抱き締めたら、辰巳さんは前髪可愛いねと笑って頭を撫でてコーヒー片手に部下と一緒に去って行った。

 たった三分程度の会話でこの震え!!!

 呼吸を整えていたら前でつくしちゃんが自分の肩を抱いて体を揺すってる。

「えっろー!! ええ……どういう事ですか寧々氏! そりゃあんな人と一緒にいたら雰囲気も変わりますね」
「初カレが辰巳さんって急に頂点攻め過ぎ!」
「ヤバイよね、優しいしいい人なんだけど、私との差がありすぎて一緒にいると申し訳ない気持ちに……」
「え、図的にはピッタリな感じしますけどね! おっきい外国人の彼氏に小さい寧々氏可愛いですよ」
「で、ママは肝心な所ばかりが気になるんですけれど」
「肝心なところ?」
「最深部のコミュニケーションは取ったの? あれは凄いの?」
「!!!」

 そ、それは朝も久瀬さんに言われて同じようなリアクションしちゃったんだけど、まあしてない訳で……で、気になってるんだけど。

 昨日のあれは……そのあれってゆーのは本当に私の体調を考慮しての未遂だったのだろうか。
 だってだって辰巳さんって繁殖行為って考えると萎えるって、今まで付き合ってた人とは前戯止まりで相手を満足させたら本番はまた今度って言ってフェードアウトしてるって言ってなかった?

 う、嘘!! それまんま私じゃないですか。


 え、じゃあ何で優しくしてくれるの? あれ、でも付き合ったのした後だったよね? 
 あ、でもそれ私が咄嗟に抱き付いて言ったからじゃん!

「わわわわわわわわわ……」
「寧々殿?!!」
「あららそんなに凄かったの?!」

 顔を両手で覆って、もうよくわかんない!
 でもいっぱい好き好きって言ってくれるもん、好きでいいんだよなあ。

「はぁあああ……恋愛って難しいですね」
「おお! 寧々氏の桃色吐息初見!」
「これは次のお話しの恋愛描写に期待大だわ!」

 悩んでもリアルとなると経験値不足で何の答えも出ない!
 指の隙間からつくしちゃんを覗いて、

「ああ、そうだつくしちゃん今日の約束は大丈夫ですか?」
「はい、今日はオッケーです! 定時で上がります」
「ありがとう」
「あら二人でどこかに行くの?」
「はい、ちょっとお洋服を買うのに一緒にいてもらいたくて……土曜日に取引先のカップルで参加するイベントがあるんですけど辰巳さんと私で行くんです……でもそういう時の服持ってないので……辰巳さんに気に入ってもらえるような……服をゴニョゴニョ」
「恋~~~~ッ!!!」
「健気……!!」

 優子さんは口に手を当てて椅子にもたれてつくしちゃんは優子さんに抱き付いた。


 午後、辰巳さんは忙しそうであまり席にはいなかった、まあそれはいつもの事だ。


 営業部は四つの課で成り立っている、一課は邦画、洋画共に一般作を取り扱ってる、二課が私達、一般作も扱うけど主にアダルト作品扱ってる、三課は海外の配信事業、四課はアプリ関係。
 辰巳さんは一課の課長だったんだけど、個人で海外との取引を初めて事業を拡大、海外大手のコンテンツホルダーに配信事業者と次々契約して一人で凄い利益を出したって。
 部下のマネジメントに管理力にも優れてて、前の部長が辞めるってなった時満場一致で辰巳さんしかいないと皆頷いてたと聞いた。
 それぞれの課で進行しているプロジェクトの進捗を管理して、不振があれば原因を追求し、軌道修正を指示。
 辰巳さんは常に部下個人の仕事と、部署全体の仕事をみながら行動してるって…………。

 何でそんな人が私の彼氏?

 ちなみにその四課から成り立ってる営業部で一番売り上げてたのが桐生課長だった訳でそんな人を振る尾台さんって何者なんだろうって思っていたら…………。




 帰り、定時で上がって皆で着替えていた、更衣室には尾台さんもいておっぱい見せてって言われてやだやだ隠しながら着替えてつくしちゃんも一緒に三人で会社を出た。

 お夕飯何作ろうかな~今日は袴田君遅いから手の込んだ物作っちゃお! って尾台さん張り切ってて女子力の高さにつくしちゃんとビビってたら。
 私達の目の前に黒光りした高級車が一台停まって更にビビる、つくしちゃんがロールスロイス! って後ずさってたら後部座席が開いた。

「絵夢さん、今おかえりですか。どうです? 一緒にお買い物でも」

 って顔を出した人が、え? この人本社の会長? じゃなかったっけってつくしちゃんと固まる。
 尾台さんは周りの目もあるしとりあえず乗りますって私達にバイバイして行ってしまった。
 尾台さん何者だよ……そりゃあんな人が会社に迎えに来てくれるなら、子会社の営業のトップなんて気にも止めないか……そしてそんな尾台さんを射止めた袴田君も何者。




 お恥ずかしい事に、お友達とお洋服を買いに行くなんて初めての経験です。
 マネキンが着ているのを見て可愛いなって思う事はよくある、私だって女だし、でもそのマネキンと私との体格差が半端じゃいのでいつも見るだけだ。
 そういえばお母さんと買い物に行っていいなって服を見ていたら「こんな体のラインが出る服下品な女が着るものじゃない裸をちらつかせてまで男に媚びたいなんてどうかしているわ」と言われて…………はあ、やめよ! 今日はつくしちゃんと楽しくお買い物なんだ!


「ってゆうか辰巳さんって土曜日どんな服で来るんだろう……一応カップル限定イベントだからデートの服装だよね」
「ああいう人ってそこら辺に落ちてた布でも体に当てたら格好良く見えちゃう星人ですもんね、すっごいラフでも決まっちゃうし……でもそれに寧々氏が合わせたら、おまッ……ww ちょっw デートでそれwwww みたくなりかねませんね」
「辰巳さんってそんな草生やすかな?! 泣いちゃう!」
「ふふふ嘘ですよ、きっと布切れでも辰巳さんなら…………どんな寧々ちゃんでも僕は愛してるよマイ エンジェル(イケボ)」
「?!!」

 いつの間に辰巳さんマスターしたし!!

 それでお洋服は無難に白いニットにチェックのスカートにした、今履いてる黒いショートブーツがそこそこ可愛いとの事なのでレースの可愛いソックスも買ってコートは持ってるキャメルのコート。
 大人っぽくしても私には合わなかったし、可愛くしたら予想以上に幼くなってしまったので中間コーデ。

 そして買った服は一応つくしちゃんに預かってもらった、明日また渡してもらう。
 一々そんな事しなきゃいけないのにはジクッと胸が痛むけど、こういうお金の使い方って気持ちいなあ、新しい服ってやっぱりワクワクする本当は部屋で試しに着てみたいけどね。

 で、最後にお茶して別れて、辰巳さんから明日も無理しないでね、とメッセージが着ていた、何だか楽しい一日だった。













 だった、楽しかった家に帰ってテーブルの上を見るまでは。


 帰宅してお母さんと二人だけだった、そしてそこには知らない男の人の顔写真とプロフィールが書かれた書類が何枚か置かれていた。

 何となく想像はつく、でも驚いたのはお母さんの第一声だった。



「ごめんなさいね」



 でもそれは、謝罪のための言葉じゃないと直ぐにわかる。

「あなたがそんなに結婚に焦ってるなんて知らなかったわ? でも誰だもいい訳じゃないでしょ相手位ちゃんと選びなさい」
「…………」
「寧々だって分かってるでしょ? 辰巳さんだっけ、何もかも可笑しすぎるあなたとは不釣り合いよ。騙されてるんじゃないの普通の会話も出来ない相手と結婚なんて続かないわよ。どう見たってあなたの理解できる人じゃないでしょう無理しているのがバレバレだったわ。もっと普通の人と付き合った方が幸せになれるわよ? ほら、とりえのないあなたでも婚活サイトの中では若い方で仕事もしてるし、良い大学出てるってだけでたくさん交際の申し込みがあったわ。一応お母さんが出身大学仕事年収でそこそこ人絞って置いたから、どうしても結婚したいっていうならそっちから選んだ方が絶対上手くいくわよ」







 あーあ……やっぱり、そうだよなぁ。





「寧々のためを思って協力してるんだからね結婚して不幸になりたくないでしょう。何? 何か言いたい事でもあるの? 不満なんてないでしょう? お母さんがあんなに苦労して育てたんだから親が結婚に口出すのは当たり前なのよ。どこだって皆そうよ大事にしてきた娘が嫁にいくんだから親が口を挟んで当然、あなたはまだ世間をわかってないんだからお母さんの言うこと聞いておきなさい」
しおりを挟む
感想 307

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

鬼上官と、深夜のオフィス

99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」 間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。 けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……? 「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」 鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。 ※性的な事柄をモチーフとしていますが その描写は薄いです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

密室に二人閉じ込められたら?

水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?

春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。 しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。 美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……? 2021.08.13

処理中です...