51 / 156
ただいま
しおりを挟む
「やっと話してくれたね」
「私だってお母さんを利用してたんです。自分の償いのために……全然いい子じゃないです」
「知っていましたよ」
「?」
「それが親友だとか具体的には分かりませんでしたけど、寧々ちゃんが大事な人を喪ったのは知ってました。表情で」
「そう……ですか……十年以上かかっちゃいました、ここまで来るのに」
「時間なんて関係ないでしょう、悲しいものは悲しいでいいじゃないですか。忘れる必要だってない、大好きだった人を亡くしたんだから泣いて悔やんで寂しくて当然です。それが人で正しい心の在り方だよ」
「はい」
ポツっと街灯に照らされた墓石が濡れて、私の頭にも雨が落ちてきた、そうだ今日の天気予報は夜から雨だったと思い出した。
冷たい雨だけど、辰巳さんに抱っこされてるから寒くはなかった。
「でも大事な事にも気付いて下さい。分かったでしょう人は絶対死にます。何もしなくたって死にますお金持ちでも英雄でも権力者でも誰だって明日生きてる保証なんてない。だから今を大切に、人の為じゃなくて自分の為に生きて下さい、君が幸せになる為に」
「はい」
「千代さんを早く安心させてあげないと」
「そう……ですね、本当は分かっていたんです。こんな事してても何も変わらないって泣きながら我慢してる姿見て千代ちゃんが喜ぶはずないって、でも……そう、私はあんな酷い事言って生きてて幸せになっていいのかなって……そんな事を思っている内に気付いたら、もうどうやって生きていいのかわからなくなってました」
「大丈夫、これからは僕がついてるからわからなくなったらいつでも聞いて? 何度でも君の幸せを一緒に探すよ、僕の幸せは君と共にある」
「怖い……」
「なぜ」
「怖い位嬉しいの、そんな事言ってくれる人が側にいるなんて夢みたいで……辰巳さんが好き」
「素直でいい子、顔上げてごらん」
顔を両手で包まれて、強まる雨なんて気にしないで辰巳さんはキスをしてくれた。
触れ合ってる唇がビリビリする、優しくて温かくて舌が絡まってる訳でも体を触られてる訳でもないのに腰が砕けそうだった。
好きだ、本当にこの人が。
雨の音が心地いい、湿った空気が辰巳さんのいい匂いを運んできてお腹がじくじくしてくる、こんな所でキスしただけでその先まで想像して私の頭の中男の子かな。
恥ずかしくなって唇を離して体の距離を取った。
唇を隠したら笑ってくれて、美形とかイケメンとかそういうんじゃなくて、綺麗な人だなって思った。
水滴のついた眼鏡の奥の緑眼がキラキラしていた。
「風邪をひいたら困るから車に戻ろうか」
「はい、じゃあ最後に」
しおりを両手に挟んで胸の奥から千代ちゃんへの気持ち。
「千代ちゃん大好きだよ」
言って、コーヒー牛乳の下にしおりを挟んだ。
「私に素敵な世界を教えてくれてありがとう、そっちに行くまでたくさん書くから待っててね。【ごめんね】は会ってからでいいよね。その日まで私は…………私を一生懸命生きるよ」
振り返れば辰巳さんは私に手を伸ばして待ってくれいた、大きな手を握って包まれて生を感じて、もう一回千代ちゃんにまたねって言った。
歩いて来た道は雨に濡れてぬかるんで更に歩きにくくなっていた。
「ごめんなさい、辰巳さんの革靴が汚れちゃう」
「ふふ……そんな事気にしてるの? 可愛いな。明日一緒に洗えばいいよ、寧々ちゃんのブーツも汚れてるし」
「そうですよね、車も汚れちゃう……」
「ね? 素敵だよね。寧々ちゃんが色んな壁を乗り越えた証だよ、雨の中よく頑張ったね」
「…………ほめ過ぎですよ」
「君にはそれくらいが丁度いいかなって、僕達は雨に縁があるね神の恵み」
車に乗って辰巳さんは直にハンカチで髪や顔を拭いてくれた。
上着も脱ごうねって何から何まで優しい。
「じゃ、じゃあ私も辰巳さん脱がす……します!」
「大丈夫だよ」
ってパッと脱いでチューしながらシートベルト着けられて車発信して。
ぬぬぬぬぬ……!! 今の私的には良い雰囲気だったと思うんだけどな!!
そしてあの、甘酒渡されてしまっていい感じにお腹も心もほっこり満たされてしまって、仕事の話とか町の話とか他愛もない会話を無理なくしていたら車が一軒の家の前に停まった。
「着きました」
「辰巳さんの家……」
「はい、僕の家です。あまり綺麗とは言えませんけどね」
それは伝統的な瓦屋根の古民家で大きくはないけど庭には大きな木が植えてあって立派な門構えで。
「辰巳さんここで育ったの?」
「そうですよ、父が一目惚れして買った古民家で自分でリフォームしたって……古そうに見えて意外と耐震強度あるんです」
「入りたいです」
「ただいまって言って下さいね」
くすっと笑って辰巳さんがダッシュボードに置いてあったリモコンを操作すれば木製のガレージが開いてもう一台車が置いてあった。
停車して、傘取ってきますねって辰巳さんは車を降りて、こういう時本当にどうしていいのか分からない。
ドア開けられてありがとうございますは普通だし、待ってたわよ? みたいのはなんかいらっとするし。
ああ、そうか! 靴脱いで椅子に正座して待っていた、誠意を示す尾台スタイル!
辰巳さんが来て、
「お待たせしました、傘を…………え、どうしてそんな切腹の前の侍みたいな顔してるの」
「遊びで来たんじゃないのよ! の顔です。一夜の過ちで来たんじゃないんです……ほら私達……そんな始まりだったし……でも今日は、住む覚悟!」
「過ち? ああ、そうなの、僕は全くそんな風には思っていなかったけど、まあいいやじゃあ抱っこで行こうね」
「やあだ」
「でもそっちの方が楽だし、苺持っていっていいのかな」
「あい」
車体とドアに傘を掛けて辰巳さんが両手を差し出してくれるから勝手に抱き付いちゃってそのままさらわれる。
安定感抜群の抱っこに私が傘を持った。
辰巳さんは車庫から玄関までの間にある花や木の名前をゆっくり教えてくれて、雨に濡れながら桶にプカプカ浮かぶアヒルのじょうろが可愛かった。
「はい、到着」
「た、ただいま!」
「おかえりなさい寧々ちゃん」
桧の引分け戸を開けて玄関に降ろされて、大きな体の向こう側を覗けば視界に広がる本の洞窟に鳥肌が立った。
階段のスペースも、もちろん玄関の棚も廊下も、手を伸ばせば本が置かれている。
「図書館みたい! わくわくする素敵です辰巳さん!!」
「ふふふ最高の反応だね」
「全部読んだ本ですか」
「目に付くものは全部読んでいるよ」
「しゅごい! 泊まる!!」
「うん、永住しちゃって?」
どんな本かは知らない、でもこんな空間異次元過ぎて、手を伸ばして本を開けばどこにでも行けて何者にだってなれるなんて………………本の量が壮大すぎて立ち尽くしてしまった。
見上げれば大きな吹き抜け、柱の棚に隙間無く並ぶ本、何ここ最高の空間。
「父は若い頃英会話講師もしていたけど、本職は言語学者だったんだ。母は翻訳家、主に日本の小説をロシア語に翻訳していました」
「へえ」
「だから同じ本が言語違いで何冊かあるのは当たり前、翻訳家の捉え方によって微妙に内容も違う心情とかね、面白いよ」
「ほぉ」
辰巳さんは立ったままの私をまた抱きかかえて部屋に連れて行ってくれた。
「ご飯は体が温まってからにしようか? 着替えを持ってくるよ、僕の服だけどいいよね」
「はい」
辰巳さんは私をこたつに入れると部屋を出て行って、日本家屋の作りに畳みに何だか胸が綻んだ。
ここ、好き……。
お洒落なインテリアに間接照明にラグジュアリーな空間……みたいな部屋より全然いい。
家より落ち着く……温かい……ふぁ、眠い……。
コテッとテーブルに頭を預けて、うとうとしてしまう。
でもここ人んち! いや、私んち?! 必死に睡魔と戦ってたらほっぺにちゅってされた。
「たちゅ……」
「んー……可愛いなぁ疲れたもんね、安心して寝ちゃうの? 僕の家来て五分足らずで? いいよ寝ちゃって、僕はお風呂入ってこようかな」
「…………ん」
微睡んで、辰巳さんは他にも何か言ってたけどまた視界から消える。
えっと……何だっけ? 辰巳さん何て言ってたっけ。
お風呂…………ああ、お風呂?!!
え、何で一人でお風呂入っちゃうの!
あっ私が眠たそうにしてたから?
ダメダメダメ! 起きなさい寧々!
一生懸命自分を奮い立たせて、顔を振ったら肩にけっとが掛かってて優しくてえへへってなる。
ってそんなのはいいから、お風呂どこ!!
彼女寝かせて一人でお風呂とかマジ辰巳さん私じゃ勃たないなんてアレじゃないよね?!
色々話して回りに回って宇宙の壁発動してたりしてないよねぇえ?!!
家が思いの外広くて迷ったけど、シャワーの音がしてお風呂発見!
脱衣所に辰巳さんの脱け殻が置いてあってクンクンするべきか迷う、いやしないけど(ふぁ……いい匂い)。
すりガラスにおっきな人がいるの見えて、いやちょっと待って勢いで来ちゃったけど、何する気なのか私は!
あの……別にな、何にもしなくていいから、辰巳さんのちんちんを見………………たいってどんな変態彼女だよ!
しかも今の状態じゃ通常な訳で、要は私で壁が発動されてないか知りたいのであります!!
って事はやっぱり…………。
ガラス戸を引けば湯気と桧の香りのする空気が流れてきて、もじもじしながらお風呂場に忍び込む。
「ん? 何、寧々ちゃん? どうしたの?」
頭を洗っていたのか辰巳さんは濡れた金髪をかきあげて私を見て、はじゅかしすぎて体は見れなくて直ぐに目を逸らした。
「あっ……と……あの……お、お背中流しに…………来ました」
「私だってお母さんを利用してたんです。自分の償いのために……全然いい子じゃないです」
「知っていましたよ」
「?」
「それが親友だとか具体的には分かりませんでしたけど、寧々ちゃんが大事な人を喪ったのは知ってました。表情で」
「そう……ですか……十年以上かかっちゃいました、ここまで来るのに」
「時間なんて関係ないでしょう、悲しいものは悲しいでいいじゃないですか。忘れる必要だってない、大好きだった人を亡くしたんだから泣いて悔やんで寂しくて当然です。それが人で正しい心の在り方だよ」
「はい」
ポツっと街灯に照らされた墓石が濡れて、私の頭にも雨が落ちてきた、そうだ今日の天気予報は夜から雨だったと思い出した。
冷たい雨だけど、辰巳さんに抱っこされてるから寒くはなかった。
「でも大事な事にも気付いて下さい。分かったでしょう人は絶対死にます。何もしなくたって死にますお金持ちでも英雄でも権力者でも誰だって明日生きてる保証なんてない。だから今を大切に、人の為じゃなくて自分の為に生きて下さい、君が幸せになる為に」
「はい」
「千代さんを早く安心させてあげないと」
「そう……ですね、本当は分かっていたんです。こんな事してても何も変わらないって泣きながら我慢してる姿見て千代ちゃんが喜ぶはずないって、でも……そう、私はあんな酷い事言って生きてて幸せになっていいのかなって……そんな事を思っている内に気付いたら、もうどうやって生きていいのかわからなくなってました」
「大丈夫、これからは僕がついてるからわからなくなったらいつでも聞いて? 何度でも君の幸せを一緒に探すよ、僕の幸せは君と共にある」
「怖い……」
「なぜ」
「怖い位嬉しいの、そんな事言ってくれる人が側にいるなんて夢みたいで……辰巳さんが好き」
「素直でいい子、顔上げてごらん」
顔を両手で包まれて、強まる雨なんて気にしないで辰巳さんはキスをしてくれた。
触れ合ってる唇がビリビリする、優しくて温かくて舌が絡まってる訳でも体を触られてる訳でもないのに腰が砕けそうだった。
好きだ、本当にこの人が。
雨の音が心地いい、湿った空気が辰巳さんのいい匂いを運んできてお腹がじくじくしてくる、こんな所でキスしただけでその先まで想像して私の頭の中男の子かな。
恥ずかしくなって唇を離して体の距離を取った。
唇を隠したら笑ってくれて、美形とかイケメンとかそういうんじゃなくて、綺麗な人だなって思った。
水滴のついた眼鏡の奥の緑眼がキラキラしていた。
「風邪をひいたら困るから車に戻ろうか」
「はい、じゃあ最後に」
しおりを両手に挟んで胸の奥から千代ちゃんへの気持ち。
「千代ちゃん大好きだよ」
言って、コーヒー牛乳の下にしおりを挟んだ。
「私に素敵な世界を教えてくれてありがとう、そっちに行くまでたくさん書くから待っててね。【ごめんね】は会ってからでいいよね。その日まで私は…………私を一生懸命生きるよ」
振り返れば辰巳さんは私に手を伸ばして待ってくれいた、大きな手を握って包まれて生を感じて、もう一回千代ちゃんにまたねって言った。
歩いて来た道は雨に濡れてぬかるんで更に歩きにくくなっていた。
「ごめんなさい、辰巳さんの革靴が汚れちゃう」
「ふふ……そんな事気にしてるの? 可愛いな。明日一緒に洗えばいいよ、寧々ちゃんのブーツも汚れてるし」
「そうですよね、車も汚れちゃう……」
「ね? 素敵だよね。寧々ちゃんが色んな壁を乗り越えた証だよ、雨の中よく頑張ったね」
「…………ほめ過ぎですよ」
「君にはそれくらいが丁度いいかなって、僕達は雨に縁があるね神の恵み」
車に乗って辰巳さんは直にハンカチで髪や顔を拭いてくれた。
上着も脱ごうねって何から何まで優しい。
「じゃ、じゃあ私も辰巳さん脱がす……します!」
「大丈夫だよ」
ってパッと脱いでチューしながらシートベルト着けられて車発信して。
ぬぬぬぬぬ……!! 今の私的には良い雰囲気だったと思うんだけどな!!
そしてあの、甘酒渡されてしまっていい感じにお腹も心もほっこり満たされてしまって、仕事の話とか町の話とか他愛もない会話を無理なくしていたら車が一軒の家の前に停まった。
「着きました」
「辰巳さんの家……」
「はい、僕の家です。あまり綺麗とは言えませんけどね」
それは伝統的な瓦屋根の古民家で大きくはないけど庭には大きな木が植えてあって立派な門構えで。
「辰巳さんここで育ったの?」
「そうですよ、父が一目惚れして買った古民家で自分でリフォームしたって……古そうに見えて意外と耐震強度あるんです」
「入りたいです」
「ただいまって言って下さいね」
くすっと笑って辰巳さんがダッシュボードに置いてあったリモコンを操作すれば木製のガレージが開いてもう一台車が置いてあった。
停車して、傘取ってきますねって辰巳さんは車を降りて、こういう時本当にどうしていいのか分からない。
ドア開けられてありがとうございますは普通だし、待ってたわよ? みたいのはなんかいらっとするし。
ああ、そうか! 靴脱いで椅子に正座して待っていた、誠意を示す尾台スタイル!
辰巳さんが来て、
「お待たせしました、傘を…………え、どうしてそんな切腹の前の侍みたいな顔してるの」
「遊びで来たんじゃないのよ! の顔です。一夜の過ちで来たんじゃないんです……ほら私達……そんな始まりだったし……でも今日は、住む覚悟!」
「過ち? ああ、そうなの、僕は全くそんな風には思っていなかったけど、まあいいやじゃあ抱っこで行こうね」
「やあだ」
「でもそっちの方が楽だし、苺持っていっていいのかな」
「あい」
車体とドアに傘を掛けて辰巳さんが両手を差し出してくれるから勝手に抱き付いちゃってそのままさらわれる。
安定感抜群の抱っこに私が傘を持った。
辰巳さんは車庫から玄関までの間にある花や木の名前をゆっくり教えてくれて、雨に濡れながら桶にプカプカ浮かぶアヒルのじょうろが可愛かった。
「はい、到着」
「た、ただいま!」
「おかえりなさい寧々ちゃん」
桧の引分け戸を開けて玄関に降ろされて、大きな体の向こう側を覗けば視界に広がる本の洞窟に鳥肌が立った。
階段のスペースも、もちろん玄関の棚も廊下も、手を伸ばせば本が置かれている。
「図書館みたい! わくわくする素敵です辰巳さん!!」
「ふふふ最高の反応だね」
「全部読んだ本ですか」
「目に付くものは全部読んでいるよ」
「しゅごい! 泊まる!!」
「うん、永住しちゃって?」
どんな本かは知らない、でもこんな空間異次元過ぎて、手を伸ばして本を開けばどこにでも行けて何者にだってなれるなんて………………本の量が壮大すぎて立ち尽くしてしまった。
見上げれば大きな吹き抜け、柱の棚に隙間無く並ぶ本、何ここ最高の空間。
「父は若い頃英会話講師もしていたけど、本職は言語学者だったんだ。母は翻訳家、主に日本の小説をロシア語に翻訳していました」
「へえ」
「だから同じ本が言語違いで何冊かあるのは当たり前、翻訳家の捉え方によって微妙に内容も違う心情とかね、面白いよ」
「ほぉ」
辰巳さんは立ったままの私をまた抱きかかえて部屋に連れて行ってくれた。
「ご飯は体が温まってからにしようか? 着替えを持ってくるよ、僕の服だけどいいよね」
「はい」
辰巳さんは私をこたつに入れると部屋を出て行って、日本家屋の作りに畳みに何だか胸が綻んだ。
ここ、好き……。
お洒落なインテリアに間接照明にラグジュアリーな空間……みたいな部屋より全然いい。
家より落ち着く……温かい……ふぁ、眠い……。
コテッとテーブルに頭を預けて、うとうとしてしまう。
でもここ人んち! いや、私んち?! 必死に睡魔と戦ってたらほっぺにちゅってされた。
「たちゅ……」
「んー……可愛いなぁ疲れたもんね、安心して寝ちゃうの? 僕の家来て五分足らずで? いいよ寝ちゃって、僕はお風呂入ってこようかな」
「…………ん」
微睡んで、辰巳さんは他にも何か言ってたけどまた視界から消える。
えっと……何だっけ? 辰巳さん何て言ってたっけ。
お風呂…………ああ、お風呂?!!
え、何で一人でお風呂入っちゃうの!
あっ私が眠たそうにしてたから?
ダメダメダメ! 起きなさい寧々!
一生懸命自分を奮い立たせて、顔を振ったら肩にけっとが掛かってて優しくてえへへってなる。
ってそんなのはいいから、お風呂どこ!!
彼女寝かせて一人でお風呂とかマジ辰巳さん私じゃ勃たないなんてアレじゃないよね?!
色々話して回りに回って宇宙の壁発動してたりしてないよねぇえ?!!
家が思いの外広くて迷ったけど、シャワーの音がしてお風呂発見!
脱衣所に辰巳さんの脱け殻が置いてあってクンクンするべきか迷う、いやしないけど(ふぁ……いい匂い)。
すりガラスにおっきな人がいるの見えて、いやちょっと待って勢いで来ちゃったけど、何する気なのか私は!
あの……別にな、何にもしなくていいから、辰巳さんのちんちんを見………………たいってどんな変態彼女だよ!
しかも今の状態じゃ通常な訳で、要は私で壁が発動されてないか知りたいのであります!!
って事はやっぱり…………。
ガラス戸を引けば湯気と桧の香りのする空気が流れてきて、もじもじしながらお風呂場に忍び込む。
「ん? 何、寧々ちゃん? どうしたの?」
頭を洗っていたのか辰巳さんは濡れた金髪をかきあげて私を見て、はじゅかしすぎて体は見れなくて直ぐに目を逸らした。
「あっ……と……あの……お、お背中流しに…………来ました」
10
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです
沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!
密室に二人閉じ込められたら?
水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?
鬼上官と、深夜のオフィス
99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」
間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。
けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……?
「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」
鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。
※性的な事柄をモチーフとしていますが
その描写は薄いです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?
春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。
しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。
美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……?
2021.08.13
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる