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第2部 第一章 お転婆令嬢、海賊になる!
2-1-14.キーナ・コスペル海賊団
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第十四話
キーナ・コスペル海賊団
白いガレオン船は楽しみにしていた。
ついに、この時が来たと!
先代との約束を果たす時が来たと。
***
そして、イリーゼは続けた。
「次の仕事を無事に果たしたらミーナ。
貴女は“キーナ・コスペル”を名乗りなさい。この船の所有者はキーナ・コスペルで登録されたままなのだから」
「イ、イリーゼさん。それは私が名乗って、本当に良いのですか? 先代クルーたちの……」
「先代クルーを代表して命じます。
ヴィルヘルミーナ・フォン・ホーエンツォレルン、貴女をこの船のキャプテン兼オーナー。キーナ・コスペルになることを命じます。
続いて、クリスティアーネ・ド・モッテ、貴女を副キャプテンに命じます。キャプテンを助けるのが、貴女の役目です」
「あっ、はい」
すると、
「イリーゼさん、それは無いです。ダメです!」と、言ったのは従姉妹のベネディクタだった。
「私もお祖母様に憧れて、ここまで来たのに」
そうなのだ。
このベネディクタもお祖母様の英雄伝が大好きで、子供の頃から、「海賊、海賊」と喧しかったのだ。
同じお祖母様の孫なのに、私だけキーナ・コスペルの名を与えられて、大いに不満なのだろう。
それに、明確な理由もなく、私の方が年上なだけで、どちらがふさわしいかなど、わかりゃぁせんわ。
すると、
「今、私がなんと言ったか? ベネ? 聞いたかしら」
「えっ?」
「私は、先代クルー全員の意見を代表したの。彼女の意見もね」と、イリーゼは白いガレオン船を指さした。
「ミーナ、彼女は貴女を気に入っているわ。自信を持ちなさい」
***
その時、私は心の中からの震えを押さえられなかった。
思わず、身体を震わしてしまった。
***
その時、白いガレオン船が、しっかり固定しているはずにも関わらず、揺れたのだ。
“ギギギィー”
「なんだ」と、ジャスミンが、慌てて固定具のところに走った。
「ジャスミン。どう?」
「大丈夫だ! 緩んでない」
「良かったわ。大丈夫そうで」
ここは、ベネディクタには我慢してもらうことにしてもらおう。
それに、叔父のところは、ベネディクタしか、子供がいない。
うちは、弟があとを継ぐのだ。
家としては、私が死んでも大事には至らないだろう。
それにしても、ベネディクタはしんどいよ。
何でも欲しい!
さすが一人っ子だ!
さあ、いよいよ、我が船の初仕事だ!
アインス商会のロンドン支店から、エディンバラの顧客まで、積荷の輸送である。
ロンドンからは、テムズ川を下り、北海経由で海上輸送し、エディンバラまで行く。
その護衛船となる。
ところがである。
この船はテムズ川には、入らないらしい。
ロンドンまで行くと、ターンが出来ないのと、海軍に見せたくないらしい。
何故?
例の人さらいだ。
なんと、海軍が海賊船や商船のクルーをさらっても、“合法”なのだ!
だから、大型船で移動すると、海軍に囲まれる可能性がある。
一発かませば良いじゃん!
とは、イカンな。
お尋ね者にはなりたくないわ。
しかし、お祖母様が祖国でなく、他国で私掠船登録をしていたのは、この為か?
ややこしくなったら、海軍艦を沈めて、さっさと帰ると。
まあ、今回はテムズ川をボートで荷物を運び、海軍艦のいないところで、積み荷を終えて出発する。
「まあ、海軍施設を襲えば、その時間は海軍艦に襲われることはないよ」と、先代クルーの代表者が、余計なことを教えてくれた。
「やってみるかい?」
いやいや、初仕事で海軍を襲うなんて!
そして、テムズ川の下流は、隠れる箇所が多いのだから、積荷の積替えなど出来るだろう。※1
しかし、それは海軍とて同じこと。
隠れ場所で鉢合わせということもある。
そのせいだろうか?
商会からは、多くの小型船が出るようだ。
パトロールに、そして、テムズ川の運搬に使えそうだ。
そして、我々は、アインス商会の船とともに、ドーバー港を出る事となった。
「味方の海軍も敵なのかよ」
「ミーナちゃん、それ、味方じゃないでしょう」
「本当に……」
次回の女海賊団は、いよいよ出港します。
※1 テムズ川の下流 あのキャプテン・キッドも、ここで海軍にやられた!
船員の過半数を連れ去られ、まともな航海が出来なくなってしまった。
そして、悪評を重ね、最後は死刑となる。
ただ、キッドは、悪評は重ねたが、悪事は重ねていない。
また、死刑の際、「カリブ海に宝を置いてきた」と言ったのは有名。
どこぞのアニメの冒頭のモデルかも?
キーナ・コスペル海賊団
白いガレオン船は楽しみにしていた。
ついに、この時が来たと!
先代との約束を果たす時が来たと。
***
そして、イリーゼは続けた。
「次の仕事を無事に果たしたらミーナ。
貴女は“キーナ・コスペル”を名乗りなさい。この船の所有者はキーナ・コスペルで登録されたままなのだから」
「イ、イリーゼさん。それは私が名乗って、本当に良いのですか? 先代クルーたちの……」
「先代クルーを代表して命じます。
ヴィルヘルミーナ・フォン・ホーエンツォレルン、貴女をこの船のキャプテン兼オーナー。キーナ・コスペルになることを命じます。
続いて、クリスティアーネ・ド・モッテ、貴女を副キャプテンに命じます。キャプテンを助けるのが、貴女の役目です」
「あっ、はい」
すると、
「イリーゼさん、それは無いです。ダメです!」と、言ったのは従姉妹のベネディクタだった。
「私もお祖母様に憧れて、ここまで来たのに」
そうなのだ。
このベネディクタもお祖母様の英雄伝が大好きで、子供の頃から、「海賊、海賊」と喧しかったのだ。
同じお祖母様の孫なのに、私だけキーナ・コスペルの名を与えられて、大いに不満なのだろう。
それに、明確な理由もなく、私の方が年上なだけで、どちらがふさわしいかなど、わかりゃぁせんわ。
すると、
「今、私がなんと言ったか? ベネ? 聞いたかしら」
「えっ?」
「私は、先代クルー全員の意見を代表したの。彼女の意見もね」と、イリーゼは白いガレオン船を指さした。
「ミーナ、彼女は貴女を気に入っているわ。自信を持ちなさい」
***
その時、私は心の中からの震えを押さえられなかった。
思わず、身体を震わしてしまった。
***
その時、白いガレオン船が、しっかり固定しているはずにも関わらず、揺れたのだ。
“ギギギィー”
「なんだ」と、ジャスミンが、慌てて固定具のところに走った。
「ジャスミン。どう?」
「大丈夫だ! 緩んでない」
「良かったわ。大丈夫そうで」
ここは、ベネディクタには我慢してもらうことにしてもらおう。
それに、叔父のところは、ベネディクタしか、子供がいない。
うちは、弟があとを継ぐのだ。
家としては、私が死んでも大事には至らないだろう。
それにしても、ベネディクタはしんどいよ。
何でも欲しい!
さすが一人っ子だ!
さあ、いよいよ、我が船の初仕事だ!
アインス商会のロンドン支店から、エディンバラの顧客まで、積荷の輸送である。
ロンドンからは、テムズ川を下り、北海経由で海上輸送し、エディンバラまで行く。
その護衛船となる。
ところがである。
この船はテムズ川には、入らないらしい。
ロンドンまで行くと、ターンが出来ないのと、海軍に見せたくないらしい。
何故?
例の人さらいだ。
なんと、海軍が海賊船や商船のクルーをさらっても、“合法”なのだ!
だから、大型船で移動すると、海軍に囲まれる可能性がある。
一発かませば良いじゃん!
とは、イカンな。
お尋ね者にはなりたくないわ。
しかし、お祖母様が祖国でなく、他国で私掠船登録をしていたのは、この為か?
ややこしくなったら、海軍艦を沈めて、さっさと帰ると。
まあ、今回はテムズ川をボートで荷物を運び、海軍艦のいないところで、積み荷を終えて出発する。
「まあ、海軍施設を襲えば、その時間は海軍艦に襲われることはないよ」と、先代クルーの代表者が、余計なことを教えてくれた。
「やってみるかい?」
いやいや、初仕事で海軍を襲うなんて!
そして、テムズ川の下流は、隠れる箇所が多いのだから、積荷の積替えなど出来るだろう。※1
しかし、それは海軍とて同じこと。
隠れ場所で鉢合わせということもある。
そのせいだろうか?
商会からは、多くの小型船が出るようだ。
パトロールに、そして、テムズ川の運搬に使えそうだ。
そして、我々は、アインス商会の船とともに、ドーバー港を出る事となった。
「味方の海軍も敵なのかよ」
「ミーナちゃん、それ、味方じゃないでしょう」
「本当に……」
次回の女海賊団は、いよいよ出港します。
※1 テムズ川の下流 あのキャプテン・キッドも、ここで海軍にやられた!
船員の過半数を連れ去られ、まともな航海が出来なくなってしまった。
そして、悪評を重ね、最後は死刑となる。
ただ、キッドは、悪評は重ねたが、悪事は重ねていない。
また、死刑の際、「カリブ海に宝を置いてきた」と言ったのは有名。
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