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第2部 第一章 お転婆令嬢、海賊になる!
2-4-23.マダガスカル島 四
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第二十三話
マダガスカル島 四
さて、私はベネディクタを呼んだ。
「ベネ、戦闘をやるわ。準備をして。だだし、令嬢の衣装でやるわ」
「えっ、ミーナちゃん。令嬢の衣装でやるの?」
「そうよ。ご令嬢が海兵を襲うなんて、誰も考えないでしょう?」
「ジャスミン! この間のハンドカノンはあるったけ使うわ」
「了解した。すぐに出してくる」
さて、令嬢の力を侮るなかれである。
地方貴族は馬を乗るなんてお手の物なのだ!
街の庶民には無い経験を積んでいる。
街中を、堂々とマリーが囚われた建物に馬と馬車で襲撃した。
***
「少佐、逃げた女を追いかけて行くと、奴らの仲間に襲われて」と、マリーの父は予定通りの説明を上官に行っていた。
「それで目隠しをされて、捨てられたと」
「申し訳ありません」
「相手は分かったのか?」
「手荒かったので海賊の可能性はあります。商売の話はしてませんでした」
「うーん、こちらの被害はガラス一枚か……まあ、その位なら」
そこに、銃砲が鳴る。
バーーン!
「おいこら、なに逃げているんだ!」
ジャスミンがドアを蹴り飛ばして、侵入してきた。
男たちが立とうとしたところ、また、
バーーン!
と、銃が火を吹く。
「動くな!」
「なに? ご令嬢が?」と少佐は驚いている。
ハンドカノンにマスケット銃を手にした女たちが、白昼堂々と入ってきた。
そこに、メイドのアンナが白々しく、
「お嬢様、この者たちを如何いたしましょうか?」と、ミーナに尋ねる。
「我が伯爵家の使用人をさらうなど、海賊に決まっていますわ。さらった男を見せしめにしてやりますの。捉えなさい」
「はい、お嬢様」
「な、なんだって? オレたちは……」
「おい!」
「おい、オレたちは、何だって?」と、ジャスミンが突っ込んだ。
無論、その続きは「海軍だ」と言いたいのは、分かっていたが、あえてヴィルヘルミーナは、
「“オレたちは、出来心でやった”とでも仰るの? でも、許しませんわ」
先頭に立つ、ヴィルヘルミーナ、クリスティアーネ、ベネディクタの三人の令嬢は、マスケット銃にハンドカノンを盛大にぶっ放した!
撃てば、すぐにジャスミンたちが、装填して渡す。
すると、黒色火薬の煙で部屋は覆われた。
ドアを背にしているヴィルヘルミーナらは、風上である。
しかし、男たちは、
「「「ゲホゲホ」」」と、むせている。
この間にアガーテたちが、マリーの父を連れ去らっていった。
「アナとヘマが警官を抑えている間に撤収するぞ」と、ヴィルヘルミーナが言うと、“アッ”と言う間に、女海賊団は、去っていってしまった。
「おい、令嬢にメイドだったよな?」
「あぁ、あいつは誰に手を出したのだ?」
「もう関わるな」
「連れさられたスミスは?」
しばらくして、上官は、
「死体は回収しておけ」とだけ言った。
***
「マリー!」
「お父さん」
「こんな危ないことをして、犯罪者ではないか」
「ふふふ、私は誰も殺してはいないんだけどな。器物の破壊だけだよ」と思ったが、口には出さなかった。
「さあ。明日は出港だ! 買出し班、海兵に気を付けて行ってくれ。マリー、出港は10時だ。10時の鐘までに船に来るように!」
「はい、船長」
その後、マリー親子が何を話したかは関与せず、出港の準備に取り掛かった。
そして、翌日の10時!
「おい、マリー! お父さんは」と聞いたのはジャスミンだ。
「まだ、来てないの」
「遅いな。もう鐘がなるぞ」
「ええ、どうしよう」
出港は順番なのだ。
順次出港しないと、あとが支えるのだ。
私は、「“The key to the future”号、時間です。良い船旅を」と、港の事務所の職員に言われ、「ありがとう!」と、返答をし我が船に向かった。
「出港だ!」と、突堤から大声で船員に呼びかける。
甲板に戻ると、ジャスミンが走ってきて、「マリーのお父さんが来てないんだよ」と、半べそをかいている。
「なに?」
順番を変えてもらおうか?
今、手続きをしたばかりだが、間に合うか?
もし、遅れてきたときの為に、
「遅れてきた時は、ボートで拾うことにする。ボートの用意をしておいて」
「わかったよ。お頭」と、ジャスミンが、ボートのところへ駆けて行った。
しはらくして、出港の鐘がなった。
港の職員が鐘を鳴らしているのが見える。
ここで、タラップを上げ、出港作業に入らないと、マズイな。
「タラップを上げろ。ゆっくりとな」と指示を出す。
次は、錨をあげないと、不自然だ。
私は、マリーとジャスミンの方を見た。マリーは、手を合わせ祈っている。
そこに、ベネディクタが走ってきた。
なに? どうかしたのか?
「これ、これが」
マリー宛の手紙だ。
父からのようだ。
手紙を読んだマリーからは、
「船長、錨を上げてください」と、言った。
「良いんだね?」
「はい」
そして、白いガレオン船は、インドに向けて出航することにした。
後で聞いた話では、マリーの父は、『マリーとその仲間を犯罪者にしたくなかった』ようだ。
そして、二年後、故郷で必ず会おうと!
「ふっ、父と娘か……
うちの父は領主になり、大学と掛け持ちで大変だろうけど、優秀な我が弟が何とかするだろう……
ガハハ」
うん?
“ガハハ”って、私は、こんな笑い方を、いつからするようになったのだろうか?
そう考えて、甲板を歩いていたら、後ろからもの音が!
ジプシー・アンが、ギターで何か演奏するところであった。
「あぁ、船長が物思いにふけっておられましたので、音楽でもと。はい」
「あっ、すまないね」と、私はにっこりと、笑ってしまった。
アンは仕事熱心だよ。
ガハハ!
第二部 第一章 完
第二章は、いよいよ、ボンベイに着きます!
しかし、出てきたのは、男前のシュベルツでなく……
マダガスカル島 四
さて、私はベネディクタを呼んだ。
「ベネ、戦闘をやるわ。準備をして。だだし、令嬢の衣装でやるわ」
「えっ、ミーナちゃん。令嬢の衣装でやるの?」
「そうよ。ご令嬢が海兵を襲うなんて、誰も考えないでしょう?」
「ジャスミン! この間のハンドカノンはあるったけ使うわ」
「了解した。すぐに出してくる」
さて、令嬢の力を侮るなかれである。
地方貴族は馬を乗るなんてお手の物なのだ!
街の庶民には無い経験を積んでいる。
街中を、堂々とマリーが囚われた建物に馬と馬車で襲撃した。
***
「少佐、逃げた女を追いかけて行くと、奴らの仲間に襲われて」と、マリーの父は予定通りの説明を上官に行っていた。
「それで目隠しをされて、捨てられたと」
「申し訳ありません」
「相手は分かったのか?」
「手荒かったので海賊の可能性はあります。商売の話はしてませんでした」
「うーん、こちらの被害はガラス一枚か……まあ、その位なら」
そこに、銃砲が鳴る。
バーーン!
「おいこら、なに逃げているんだ!」
ジャスミンがドアを蹴り飛ばして、侵入してきた。
男たちが立とうとしたところ、また、
バーーン!
と、銃が火を吹く。
「動くな!」
「なに? ご令嬢が?」と少佐は驚いている。
ハンドカノンにマスケット銃を手にした女たちが、白昼堂々と入ってきた。
そこに、メイドのアンナが白々しく、
「お嬢様、この者たちを如何いたしましょうか?」と、ミーナに尋ねる。
「我が伯爵家の使用人をさらうなど、海賊に決まっていますわ。さらった男を見せしめにしてやりますの。捉えなさい」
「はい、お嬢様」
「な、なんだって? オレたちは……」
「おい!」
「おい、オレたちは、何だって?」と、ジャスミンが突っ込んだ。
無論、その続きは「海軍だ」と言いたいのは、分かっていたが、あえてヴィルヘルミーナは、
「“オレたちは、出来心でやった”とでも仰るの? でも、許しませんわ」
先頭に立つ、ヴィルヘルミーナ、クリスティアーネ、ベネディクタの三人の令嬢は、マスケット銃にハンドカノンを盛大にぶっ放した!
撃てば、すぐにジャスミンたちが、装填して渡す。
すると、黒色火薬の煙で部屋は覆われた。
ドアを背にしているヴィルヘルミーナらは、風上である。
しかし、男たちは、
「「「ゲホゲホ」」」と、むせている。
この間にアガーテたちが、マリーの父を連れ去らっていった。
「アナとヘマが警官を抑えている間に撤収するぞ」と、ヴィルヘルミーナが言うと、“アッ”と言う間に、女海賊団は、去っていってしまった。
「おい、令嬢にメイドだったよな?」
「あぁ、あいつは誰に手を出したのだ?」
「もう関わるな」
「連れさられたスミスは?」
しばらくして、上官は、
「死体は回収しておけ」とだけ言った。
***
「マリー!」
「お父さん」
「こんな危ないことをして、犯罪者ではないか」
「ふふふ、私は誰も殺してはいないんだけどな。器物の破壊だけだよ」と思ったが、口には出さなかった。
「さあ。明日は出港だ! 買出し班、海兵に気を付けて行ってくれ。マリー、出港は10時だ。10時の鐘までに船に来るように!」
「はい、船長」
その後、マリー親子が何を話したかは関与せず、出港の準備に取り掛かった。
そして、翌日の10時!
「おい、マリー! お父さんは」と聞いたのはジャスミンだ。
「まだ、来てないの」
「遅いな。もう鐘がなるぞ」
「ええ、どうしよう」
出港は順番なのだ。
順次出港しないと、あとが支えるのだ。
私は、「“The key to the future”号、時間です。良い船旅を」と、港の事務所の職員に言われ、「ありがとう!」と、返答をし我が船に向かった。
「出港だ!」と、突堤から大声で船員に呼びかける。
甲板に戻ると、ジャスミンが走ってきて、「マリーのお父さんが来てないんだよ」と、半べそをかいている。
「なに?」
順番を変えてもらおうか?
今、手続きをしたばかりだが、間に合うか?
もし、遅れてきたときの為に、
「遅れてきた時は、ボートで拾うことにする。ボートの用意をしておいて」
「わかったよ。お頭」と、ジャスミンが、ボートのところへ駆けて行った。
しはらくして、出港の鐘がなった。
港の職員が鐘を鳴らしているのが見える。
ここで、タラップを上げ、出港作業に入らないと、マズイな。
「タラップを上げろ。ゆっくりとな」と指示を出す。
次は、錨をあげないと、不自然だ。
私は、マリーとジャスミンの方を見た。マリーは、手を合わせ祈っている。
そこに、ベネディクタが走ってきた。
なに? どうかしたのか?
「これ、これが」
マリー宛の手紙だ。
父からのようだ。
手紙を読んだマリーからは、
「船長、錨を上げてください」と、言った。
「良いんだね?」
「はい」
そして、白いガレオン船は、インドに向けて出航することにした。
後で聞いた話では、マリーの父は、『マリーとその仲間を犯罪者にしたくなかった』ようだ。
そして、二年後、故郷で必ず会おうと!
「ふっ、父と娘か……
うちの父は領主になり、大学と掛け持ちで大変だろうけど、優秀な我が弟が何とかするだろう……
ガハハ」
うん?
“ガハハ”って、私は、こんな笑い方を、いつからするようになったのだろうか?
そう考えて、甲板を歩いていたら、後ろからもの音が!
ジプシー・アンが、ギターで何か演奏するところであった。
「あぁ、船長が物思いにふけっておられましたので、音楽でもと。はい」
「あっ、すまないね」と、私はにっこりと、笑ってしまった。
アンは仕事熱心だよ。
ガハハ!
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