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〜第2章〜
55.『〜ポチの鎖編〜電話』
しおりを挟む狭い部屋で昼食を食べるみつれとスイ。
といっても、みつれには時間が分からないので今食べているのが昼食なのか夕食なのかわからなかった。
しかし、2人は和やかな雰囲気で食事をしていた。
みつ「このスープ美味しい……」
スイ「そうでしょ♡私が作ったんだよ!」
みつ「スイ、料理上手だね。」
みつれはスイの料理を褒める。
スイ「今度作り方教えてあげるよ。一緒に作ろう。」
みつ「うん。楽しみ。」
みつれは微笑む。
スイはまるで愛しい恋人を見るようにみつれを見つめた。
みつ「ごちそうさまでした。」
みつれは手を合わせる。
スイ「はい。お粗末さまでした。」
スイは満足気な顔をした。
スイ「お薬飲もっか。」
スイはみつれに錠剤を渡す。
みつ「うん。」
みつれは素直に手渡された錠剤を飲む。
みつ「飲めたよ。あーん」
みつれは口を開けてスイにみせた。
スイ「偉いねポチ。じゃあ片付けてくるからちょっと待ってて。」
スイは食器を持って部屋を出た。
スイが食器を片付けているとスマホに着信がはいった。
スイ「・・・もしもし。」
シロ「元気ぃ?スイさん。」
電話の相手はシロサキだった。
スイ「なんの用だ?」
シロ「冷たいですねぇ。いやぁどうしてるのかなぁって思って。」
スイ「用がないなら切るぞ。」
シロ「用ならありますよ。その場所、どうですか?気に入りましたか?」
スイ「あぁ。快適だ。」
シロ「まさかアナタが大金を出してまでそこを欲しがるとはね。未だに信じられないよ」
シロサキは笑いながら言った。
シロ「まぁそこはもうアナタの場所だ。好きに使ってくださいよ。」
スイ「・・・じゃあな。」
シロ「ちょっと!話はまだですよ!」
シロサキは本題にはいった。
シロ「あの方からお呼びがかかってますよ。スイさん。多分このあいだの件でしょうね。」
スイ「・・・」
シロ「明日の12時、埠頭に行ってください。あの方が待ってます。」
スイ「埠頭か……。」
シロ「なんらかのお仕置きはされるでしょうけどまぁ頑張ってくださいね。私はちゃんと伝えましたよ。では。」
シロサキは電話を切った。
スイ「・・・ちっ。」
スイはスマホを投げた。
スイ「行くしかないか…。ポチ…どうしようか…」
スイは流し台の食器を見つめながら呟く。
スイはこのあいだのカオリの件で追い詰められていた。
あのビルで組織の人間が6人警察に逮捕された。
その事で現場を仕切っていたスイに責任追及がかけられていた。
スイは組織にみつれのことは報告していない。
シロサキにでさえ教えていない。
明日の呼び出しにみつれをこのまま置いておくわけにはいかなかった。
もしかすれば数日戻ってこれない可能性がある。
そんなことになればみつれは餓死してしまう。
スイ「・・・ダメだ…。ポチを置いては行けない。」
考えた末、みつれも連れていくことにしたスイ。
スイはみつれのいる部屋に戻った。。。
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