『ブラックボックス』

うどん

文字の大きさ
99 / 197
〜第4章〜

95.『旧トンネルの隠れ家』

しおりを挟む


みつれとしおんは事務所で話をはじめた。


みつれは鍵を取り出してテーブルに置いた。


しお「何の鍵?変わった鍵だね。」

みつ「・・・スイと暮らしていた旧トンネルの隠れ家の鍵だ。」

しお「ッ!?」

みつれが出した鍵は旧トンネルの隠れ家の鍵だった。

みつ「スイのポケットに入っていた。中には入ろうとしたんだが……なかなか踏ん切りがつかなかった。」
みつれは鍵を見つめながらそう言った。

みつ「・・・今日中に入ろうと思ってる。しおん、お前にも来て欲しい。」

しお「僕も?」

みつ「頼む。もし私がおかしくなったりしたらその時は頼みたい。」
みつれ自身、気持ちの整理はついてるもののその隠れ家にはいることで正気を失うんじゃないかと考えていた。

しおんはそのためのストッパー。

しお「わかったよ。行こう。それに組織の情報がなにか分かるかもしれないしね。」
しおんは旧トンネルの詳細をみつれに話した。

旧トンネルの施工会社はあのテロリスト シロサキの祖父の建設会社であること。
シロサキはその隠れ家を所有していたがスイに明け渡した可能性があること。

しおんがみつれを助け出すために調べたこと全てを話した。

みつ「・・・そうだったのか…。まさかシロサキが絡んでるとはな。」

みつれはソファから腰を上げた。

みつ「行こう。」

しお「うん。」

2人は支度をし、旧トンネルへむかった。


1ヶ月前にみつれが旅に出る前に旧トンネルのわきに添えていた花のところまで到着した。


みつ「・・・着いた。」

みつれ達はバイクを降り、トンネルの中央付近にある別の通路は歩いていく。

しお「確かこの辺だったよね。」
しおんは僅かに色が違う壁を見つける。
その壁の窪みに手を引っかけると壁が動き出した。
すると下に続く階段が出現した。


みつ「・・・ここまで辿り着けていたんだな。」


しお「けどここから先は鍵が無いとダメだったよ。」

みつれは鍵を取り出した。

みつれは階段の下から4段目の蹴込板の部分の小さな鍵穴に鍵を差し込んだ。

すると行き止まりだった壁が動き出した。
先には廊下が続いていた。

しお「す、凄い…」

みつ「この先だ。行こう。」

みつれは先陣を切って前に歩き出した。


みつれは懐かしい気持ちになっていた。

みつれがいた部屋。
スイと一緒に食べた食事。
スイと一緒に入った風呂。
スイと一緒に愛し合った布団。

全てがその時のままだった。


しお「旧トンネルにこんな隠れ家が……凄い。」

みつ「・・・」

みつれは自分が居た部屋をじっとみつめる。

みつ「・・・帰ってきたよ。スイ。」

みつれはボソッと呟いた。
みつれは優しい顔になっていた。


みつ「スイの部屋…入らせてもらうね。」

みつれは自分の部屋を出てスイの部屋に向かう。

ガチャっとドアを開け、みつれは初めてスイの部屋の中を見た。

そこはみつれの部屋よりも狭く、独房のようだった。

みつれは思わず笑う。

みつ「ふふっ、私の部屋より狭いじゃないか…。まるで独房だな。」

しおんも後ろから中を確認する。

しお「ここがスイの部屋ですか。めちゃくちゃ狭いね。なんかこっちのほうが監禁部屋っぽいよ。」

みつ「・・・まったくだな。…きっとスイは自分より私を優先したんだろ…。」

みつれとしおんはスイの部屋に入っていく。

中は布団と机、収納棚があった。

みつれは収納棚を開ける。

中には書類や武器が入っていた。

しおんが書類を確認していく。

しお「この隠れ家の見取り図か……こっちはテロの新聞の切り抜き。…組織に関するものは……」
しおんは書類を物色し始める。

みつれは収納棚の中にもう1つ引き出しがあることに気がついた。

みつれがそこを開けると、中に手帳と写真が入っていた。

みつ「なんだこれは……」

みつれは手帳を手にする。


中をひらくと、そこには日記が記されていた。。。

みつ「スイの……日記!?」



みつれは記されていた日記を読んだ。。。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...