『ブラックボックス』

〜第4章〜

99.『邪魔』

みつれとしおんはカエデを連れて事務所に戻ってきた。


リン「じゃあなにか分かったら連絡してね。」
カエデを車から降ろし、リンは車で走り去っていった。


しお「とりあえずあがって。」

カエ「お邪魔します。」

カエデは初めて『カモミール』の事務所に入った。


しお「そういえば事務所は初めてだったね。」

しおんは捜査資料を手にモニターへ向かう。

カエ「あの…私はなにをすれば…」


みつ「じゃあカエデさんはすまないが私と来てくれないか？拐われた家族の家をみてみたい。」


カエ「分かりました。案内します。」


みつれとカエデは被害者家族の自宅に行くことにした。




しお「さて、こっちも仕事しますか。」
しおんはカタカタとキーボードをうつ。




被害者は防衛省防衛大臣の親族。
父、母、息子の3人家族。
父の職業は税理士。
母は専業主婦。
息子はカエデが通っている私立中学の一年生。

この3人が誘拐され、防衛省防衛大臣に脅迫メッセージが届いた。


送り主は不明。

メッセージ内容は…
『防衛大臣の親族を預かっている。１週間以内に防衛大臣を辞任しなければ内閣総理大臣の自宅を爆破する。また、親族の命も無いと思え。辞任を確認次第、親族は解放する。期間は１週間だ。辞任のニュースを心待ちにしている。』

という内容だった。


しお「相手は防衛省か……辞任させてどうするつもりなんだ？」
しおんは次々と調べていく。


しお「なるほど……辞任したら色々と問題が起きそうだね…」

しおんはメッセージの出処の解析を試みた。


防衛省のアドレスにハッキングし、送られたメッセージを探す。

しお「あった。これだ。…どれどれ……」


解析しようとしたその直後、モニターがフリーズした。

しお「な、なにこれ！？」
しおんは戸惑った。

するとモニターに文字が打ち込まれていく。

しお「ま、まさか……」




『お前なんだろ？しおん。』




しおんを名指しする文面が現れた。
そして次々文字が打ち込まれる。




『俺の邪魔はさせない。この国を生まれ変わらせる。』




しお「と…父さんッ！？………クソっ！！」



しおんはキーボードを打ち込み探知しようとするがもう手遅れだった。


しおんのPCはウイルスに侵され完全にフリーズしてしまった。


どうにかしようとするしおんだが、全くダメだった。


しお「くっ……父さん………クソっ！！！」

しおんは机に拳を振り下ろした。



しおんはモニターの前で呆然としていた。。。


しお「・・・今回の件…父さんが絡んでるのか……。」

しおんのPCにウイルスを仕込んだのは父親 ユウゼンだと確信したしおん。

つまり今回の誘拐事件、しおんの父親が絡んでいるのは明白だった。


しお「・・・絶対止める！！！」



しおんは父親と対峙する時がいよいよ来たと自分を震え上がらせた。。。