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〜第4章〜
98.『新たな事件』
しおりを挟むみつれはスイの手帳と写真をポケットにしまったあと、涙を拭いた。
しお「みつれさん。なにか見つかった?」
しおんは書類を確認していたがめぼしいものが無かった様子だった。
みつ「スイの日記を見つけたが、組織に関するものでは無い。けど1つ……」
みつれはしおんに写真を渡した。
しお「ステージ?裸のこの人は…スイ!?」
みつ「スイも私と同じだったんだよ。それよりスイの横に写ってる女……この女がリカだ。」
みつれは写真に写ってるリカを指さした。
しお「この女が…組織の大幹部……そしてみつれさんの家族を奪った黒幕………」
みつれは頷いた。
みつ「事務所に戻ったらコイツを調べよう。」
しお「そうだね。顔がわかると調べやすいよ。」
しおんはみつれに写真を返した。
しお「どうする?スイの部屋はもうなにも出ないと思うけど。」
みつ「リカの顔がわかっただけでも充分だ。ほかのところは多分なにも無いだろう。」
しお「じゃあとりあえず事務所帰ろっか。」
みつ「あぁ。」
2人はスイの部屋を出た。
みつ「・・・また来るよ。スイ。」
みつれは隠れ家の鍵を閉めた。
バイクで事務所に戻る2人。
道中、みつれのスマホにリンの着信が入る。
みつ「ん?リンからだ。ちょっと止まるぞしおん。」
みつれはバイクを路肩に停め、リンの着信に出る。
みつ「もしもし。」
リン「みっちゃん?いまどこ?」
みつ「しおんと旧トンネルの隠れ家に行っていた。今その帰りだよ。」
リン「そのまま私の署まで来てくれない?」
みつ「どうした?何かあったのか?」
リン「詳しいことは来てから話す。しおん君と一緒にとりあえず来て欲しい。」
みつ「わかった。そっちに向かう。」
みつれは電話を切った。
しお「どうしたの?」
みつ「わからない。署まで来て欲しいそうだ。とりあえず向かおう。」
みつれはバイクを走らせ、リンが待つ署に向かった。
2人は警察署に到着した。
するとリンが署から出てきた。
リン「ごめんね、来てもらって。」
みつ「いったいどうしたんだ?」
リン「説明するよ。ついてきて。」
リンは2人を会議室へ案内する。
そこには女の子が座っていた。
しお「ッ!?君は…ッ!?」
みつ「・・・カエデさん?」
女の子は立って2人に挨拶をする。
カエ「お久しぶりです。みつれさん。しおんさん。」
カエデは中学一年生の女の子で、以前『ウエノ』という非常勤の教師に性的暴行を受けて刑事であるリンに相談した娘だった。
しお「カエデちゃん久しぶりだね。いったいどうしてここに?」
リン「・・・私が説明するよ。2人とも座って。」
リンは2人に呼んだ理由を説明する。
リン「カエデちゃんのお友達の御家族が数日前から行方不明になってたんだ。その御家族が防衛省の防衛大臣の親族で、防衛省に脅迫メッセージが届いたそうなんだよ。」
しお「なんだって!?」
みつ「・・・ヤツらが動き出したってことか…」
リン「恐らくね…。今警察はてんやわんやだよ。」
リンは少し疲れていた。
リン「ハナちゃんはその件で別行動で動いてる。私も行こうとしたんだけど、カエデちゃんが来てね。」
カエ「皆さんのお力になりたくて……。」
カエデは非力ながらも思いの丈を伝えた。
みつ「・・・ありがとう、カエデさん。けどこれから先は危険だ。君を巻き込めない。」
カエ「でも!!!」
リン「こう言って聞かないんだよ。」
しお「・・・なんでカエデちゃんは、お友達とその家族が行方不明ってわかったの?」
しおんはカエデに質問した。
カエ「それは……」
カエデがごもる。
代わりにリンが口を開いた。
リン「恋人なんだって。」
しお「なるほどねぇ。」
みつ「・・・」
カエ「ケイ君を助けたいんです!!何でもしますから手伝わせてください!」
カエデは3人に頭を下げる。
みつ「・・・わかった。その代わり条件がある。」
しお「みつれさん!?」
カエ「・・・なんですか?」
カエデは恐る恐るみつれに聞いた。
みつ「1つは現場には絶対連れていかない。危険過ぎるからな。もう1つは、ちゃんと学校に行きながらうちの事務所でしおんの手伝いをしてくれ。それが条件だよカエデさん。」
みつれは条件を提示した。
リン「ふっ、みっちゃんならそういうと思ってたよ。」
カエ「分かりました。ありがとうございます。」
カエデは深々と頭を下げた。
みつ「しおんもそれでいいな?」
しお「わかったよ。よろしくねカエデちゃん。」
カエ「はい!」
リン「じゃあカエデちゃんは『カモミール』に任せるよ。私もバタバタして忙しいからね。」
リンはしおんとみつれに捜査資料を渡した。
リン「じゃあ頼んだよ。なにか分かったら連絡してね!」
しお「分かりました。じゃあ早速事務所に戻ろう。」
みつ「そうだな。」
リン「2人ともバイクでしょ?とりあえず私がカエデちゃんを事務所まで送るよ。行こうか。」
一行は事務所へむかった。。。
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