『ブラックボックス』

うどん

文字の大きさ
158 / 197
〜第5章〜

153.『謎のメッセージ』

しおりを挟む



旅館の日帰り温泉に入るみつれとカエデ。

2人はたわいのない話をしていた。
学校のこと、家族のこと、自分の好きなこと等、2人は年の離れた姉妹のように仲良く会話していた。


みつれはふと時計を見た。

みつ「もうこんな時間か。そろそろあがるか。」


みつれは立ち上がった。


カエ「・・・あの……ちょっと聞きにくい事なんですけど……いいですか?」

カエデは顔を赤らめてみつれに訊ねた。


みつ「ん?どうした?」


カエ「その……なんでみつれさん、下の毛生えてないんですか?大人の人はみんな生えてると思ってました。友だちも生えてるし……」


カエデは下の毛が無いのをずっと気にしていたようだった。


みつ「あぁ…これか。ある日から生えなくなったんだよ。まぁ別に困らないし気にはしてないけど。」


カエ「そうだったんですね…。私…それで少し悩んでるんです。友だちはみんな生えてるし、私だけ生えてなくて…なんかそれで余計に子どもっぽくて…」


思春期らしい悩みを抱えていたカエデ。
カエデは自分の身体にコンプレックスを抱えていた。


みつ「気にする事はない……と言っても無理な話か。年頃だからなぁ…。まぁ私みたいな大人でも生えてないヤツもいるんだ。あまり気にするなとしか言えないな。」


みつれは上手く返す言葉が見つからなかった。


カエ「うぅ……大人になったら生えてくるかなぁ……」


みつ「生えてくるさ。手入れが大変になるぞ。」


みつれはフフッと笑った。


2人は露天風呂を出て部屋で支度する。


みつ「出る準備出来たか?カエデ。」


カエ「はい!大丈夫です!」


2人は旅館を出て、事務所に戻った。



事務所に戻るとしおんがデバイスの修理作業をしていた。


しお「おかえり。2人でどこ行ってたの?」


みつ「ちょっとな。女の秘密の場所だ。…な?カエデ。」


カエ「はい!秘密です。」


2人は微笑んだ。
わけが分からない様子のしおん。


みつ「それよりそっちはどうだ?直りそうか?」


みつれは修理の進捗状況を聞いた。


しお「んー…なんとも……」


しおんは頑張って修復しようとしているが上手くいかない様子だった。


みつ「そうか。コン詰めすぎないようにな。」


しお「ありがとう。」


しおんは再び修理に没頭する。



みつ「じゃあ、カエデを家まで送ってくる。」


しお「うん、気をつけてね。カエデちゃんまたね。」


カエ「お疲れ様です。」


みつれとカエデは事務所を出た。



しばらく1人で作業してる中、しおんのPCに一通のメッセージが送られてきた。
通知音で気がついたしおん。


しお「ん?メッセージ?誰から……ッ!?」





『1-2 5-3 5-5 3-2 8-3 1-3 6-1 4-4" 9-3。3-5 5-1 1-4 9-5。2-5" 1-4 1-2 6-1 5-1 3-2。3-2 9-5 3-1 2-2 4-1" 2-4 4-1"。』





メッセージ内容は数字の羅列だった。


しお「なんだこれ?この羅列……どこかで……」


しおんは記憶の引き出しを開けていく。
どこか見覚えがある数字の羅列。
しかしすぐに出てこなかった。


しお「知らないアドレス……イタズラ…?いや、違うな……。」


しおんは見覚えのある数字の羅列がどうしても気になった。



しお「・・・ちょっと調べてみよう。」


しおんは作業を中断して調べ始めた。
しかしいくら検索してもヒットしない。


しお「出ないなぁ……プログラミングのコードでも無いし…なんなんだこれ……」


しおんは頭を悩ませた。


イタズラで意味の無い数字の羅列かも知れない。
けどしおんは何故かそんな気はしなかった。


しお「・・・みつれさんが帰ってきたら聞いてみるか…」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...