2 / 3
2 ※
しおりを挟む
首筋に傷をつけたその後は、鬼柳は優しく肌に口づけ千秋の躰を大切に扱った。
首元に顔を埋めたまま、鬼柳は浴衣の襟の隙間から手を忍ばせ千秋の胸へと指を伸ばした。胸の周りを撫ぜ回すように指で優しく触れていると、千秋の胸の突起がピンと立ち早く触れて欲しいと主張し始める。
「···ぁ···鬼柳···さわ···って···」
むず痒い刺激に焦れた千秋は艶っぽい声で誘った。だが、鬼柳はいつも千秋の肌の感触をゆっくり堪能する。この肌を忘れたくないとでもいうように···。
「んんっ···ねえ···お願い···」
じわじわと燻るうずきに千秋は瞳を涙で潤ませた。
「俺はもっと千秋の肌を楽しみたいんだがな···」
少し残念そうな表情をしながら、漸く鬼柳は千秋の浴衣の前を開けさせた。腰の帯は解かず、少し着崩れた浴衣の褄下からは千秋の太腿が覗き、薄闇の中、月の光だけが千秋の白い肌を凄艶に浮かび上がらせる。
もっと見ていたい···
そんな自身の気持ちを抑え、鬼柳は千秋の胸に唇を寄せた。口づけながら、舌先で胸の尖りを転がすように舐めていく。
胸を愛撫しながら、右手は太腿を撫ぜていった。何度か太腿の外側を撫ぜた後、その手は次第に内側へと向かっていき、浴衣の下に下着をつけていない千秋の半身に簡単に辿り着く。
もどかしい刺激でも千秋の半身は熱を帯び始めており、絡みついた鬼柳の指が気持ちの良い快楽を生み、背を仰け反らせた。
「──っつ···はぁ··はぁ···ん···うっ···」
吐息に淫靡な香りを混ぜながら、千秋は緩々と動かされる指の動きに合わせ、無意識に腰をくねらせた。
淫らな熱が下肢に集まってくる。
「···あっ···んっ、はぁ···ぁっ···き··りゅ···もっと···シテ···」
優しい愛撫だけではイけない···と、千秋は色情を含んだ眼差しを鬼柳に向けた。
胸を愛撫していた鬼柳は、充血した突起に軽く歯を立てた。ビクッと千秋の躰が震える。宥めるように優しく舌で舐めた後、唇を離した。そして、躰を下へずらすと千秋の膝の裏に手を当て、軽く膝を立てさせると、左右に脚を開かせた。乱れた浴衣から先走りの液を滲ませる陰茎が鬼柳の前に曝される。
鬼柳は舌先を先端の破れ目に這わせ、じわじわと染み出てくる液を舐め取っていった。だが、舐め取る舌の動きは敏感な先端には刺激が強く、つま先に力が入り下肢が震える。
「あっ、あっ···だめっ···それ···やだ···イっちゃう···やだ···」
頭を振り、込み上げる快楽を懸命に耐える。
鬼柳はそんな千秋の懇願に耳を傾ける事はせず、先だけ口に含み舌で刺激し続け、陰茎に絡めた指をバラバラに動かしながら千秋の快楽を更に高めていった。
「やっ···ぁあっ···あっ、あっ···やだっ···んんっ···だ···め···イっ···ちゃう···イく···ああっ ─── !」
喉を仰け反らせ、鬼柳の口の中に欲望を迸らせた。
はぁ···はぁ···はぁ···
躰の力が抜け、荒々しく呼吸を繰り返す千秋の腰を抱え、躰を反転させた。上半身は布団に沈ませたまま膝を曲げさせると、腰を突き出す格好となった千秋の浴衣の裾を託しあげ臀部を曝す。双丘に手をかけ、左右に広げ硬く閉じた後孔に、唾液を舌に乗せて差し入れた。
「ああっ···ん···あっ···ぁ···っつ···」
丁寧に襞を舌で広げられる感触が生々しく感じられ、羞恥に顔を布団に埋めた。
千秋の躰が傷つかないようにと、鬼柳はいつも丹念に後孔を舌を使って解してくれるのだが、この時間だけはいつまでも慣れる事はなかった。
舌が入り込む動きに、千秋の腰が悩ましげに揺れる。入口付近だけを執拗に愛撫され、躰の奥に淫らな欲情が生まれ始めていた。
「もう···いいから···んっ···っつ···」
息を乱しながら千秋は顔を後ろへ向け、鬼柳へと手を伸ばした。鬼柳はその手の動きを難なく止める。
「大人しくしていろ」
鬼柳は千秋の手の動きを封じたまま、舌を柔らかくなってきた後孔の奥深くへと突き入れた。
「んんっ ───··あっ、ぁ···あっ···」
細い腰が物欲しげに撓り、淫らな喘ぎ声が零れる。
ちゅぷっ···くちゅ···と濡れた音がゾクゾクと千秋の躰の中の淫らな気持ちを高揚させた。
「あっ···あっ···お願い···もう焦らさないで···っつ···んうっ···」
おかしくなりそうだ、と千秋は涙を滲ませ懇願した。
「泣くな···お前を傷つけたくないだけだ···」
漸く千秋から離れた鬼柳は涙に濡れた目尻を指で拭い、優しく口づけた。
「鬼柳···」
千秋は求めるように彼の名を口にしながら、躰の向きを抱き合うように変えると両手を伸ばし、彼の背にまわした。
「もう···充分だから···鬼柳···挿れて···」
耳元で欲情に浮かされた声で囁いた。
首元に顔を埋めたまま、鬼柳は浴衣の襟の隙間から手を忍ばせ千秋の胸へと指を伸ばした。胸の周りを撫ぜ回すように指で優しく触れていると、千秋の胸の突起がピンと立ち早く触れて欲しいと主張し始める。
「···ぁ···鬼柳···さわ···って···」
むず痒い刺激に焦れた千秋は艶っぽい声で誘った。だが、鬼柳はいつも千秋の肌の感触をゆっくり堪能する。この肌を忘れたくないとでもいうように···。
「んんっ···ねえ···お願い···」
じわじわと燻るうずきに千秋は瞳を涙で潤ませた。
「俺はもっと千秋の肌を楽しみたいんだがな···」
少し残念そうな表情をしながら、漸く鬼柳は千秋の浴衣の前を開けさせた。腰の帯は解かず、少し着崩れた浴衣の褄下からは千秋の太腿が覗き、薄闇の中、月の光だけが千秋の白い肌を凄艶に浮かび上がらせる。
もっと見ていたい···
そんな自身の気持ちを抑え、鬼柳は千秋の胸に唇を寄せた。口づけながら、舌先で胸の尖りを転がすように舐めていく。
胸を愛撫しながら、右手は太腿を撫ぜていった。何度か太腿の外側を撫ぜた後、その手は次第に内側へと向かっていき、浴衣の下に下着をつけていない千秋の半身に簡単に辿り着く。
もどかしい刺激でも千秋の半身は熱を帯び始めており、絡みついた鬼柳の指が気持ちの良い快楽を生み、背を仰け反らせた。
「──っつ···はぁ··はぁ···ん···うっ···」
吐息に淫靡な香りを混ぜながら、千秋は緩々と動かされる指の動きに合わせ、無意識に腰をくねらせた。
淫らな熱が下肢に集まってくる。
「···あっ···んっ、はぁ···ぁっ···き··りゅ···もっと···シテ···」
優しい愛撫だけではイけない···と、千秋は色情を含んだ眼差しを鬼柳に向けた。
胸を愛撫していた鬼柳は、充血した突起に軽く歯を立てた。ビクッと千秋の躰が震える。宥めるように優しく舌で舐めた後、唇を離した。そして、躰を下へずらすと千秋の膝の裏に手を当て、軽く膝を立てさせると、左右に脚を開かせた。乱れた浴衣から先走りの液を滲ませる陰茎が鬼柳の前に曝される。
鬼柳は舌先を先端の破れ目に這わせ、じわじわと染み出てくる液を舐め取っていった。だが、舐め取る舌の動きは敏感な先端には刺激が強く、つま先に力が入り下肢が震える。
「あっ、あっ···だめっ···それ···やだ···イっちゃう···やだ···」
頭を振り、込み上げる快楽を懸命に耐える。
鬼柳はそんな千秋の懇願に耳を傾ける事はせず、先だけ口に含み舌で刺激し続け、陰茎に絡めた指をバラバラに動かしながら千秋の快楽を更に高めていった。
「やっ···ぁあっ···あっ、あっ···やだっ···んんっ···だ···め···イっ···ちゃう···イく···ああっ ─── !」
喉を仰け反らせ、鬼柳の口の中に欲望を迸らせた。
はぁ···はぁ···はぁ···
躰の力が抜け、荒々しく呼吸を繰り返す千秋の腰を抱え、躰を反転させた。上半身は布団に沈ませたまま膝を曲げさせると、腰を突き出す格好となった千秋の浴衣の裾を託しあげ臀部を曝す。双丘に手をかけ、左右に広げ硬く閉じた後孔に、唾液を舌に乗せて差し入れた。
「ああっ···ん···あっ···ぁ···っつ···」
丁寧に襞を舌で広げられる感触が生々しく感じられ、羞恥に顔を布団に埋めた。
千秋の躰が傷つかないようにと、鬼柳はいつも丹念に後孔を舌を使って解してくれるのだが、この時間だけはいつまでも慣れる事はなかった。
舌が入り込む動きに、千秋の腰が悩ましげに揺れる。入口付近だけを執拗に愛撫され、躰の奥に淫らな欲情が生まれ始めていた。
「もう···いいから···んっ···っつ···」
息を乱しながら千秋は顔を後ろへ向け、鬼柳へと手を伸ばした。鬼柳はその手の動きを難なく止める。
「大人しくしていろ」
鬼柳は千秋の手の動きを封じたまま、舌を柔らかくなってきた後孔の奥深くへと突き入れた。
「んんっ ───··あっ、ぁ···あっ···」
細い腰が物欲しげに撓り、淫らな喘ぎ声が零れる。
ちゅぷっ···くちゅ···と濡れた音がゾクゾクと千秋の躰の中の淫らな気持ちを高揚させた。
「あっ···あっ···お願い···もう焦らさないで···っつ···んうっ···」
おかしくなりそうだ、と千秋は涙を滲ませ懇願した。
「泣くな···お前を傷つけたくないだけだ···」
漸く千秋から離れた鬼柳は涙に濡れた目尻を指で拭い、優しく口づけた。
「鬼柳···」
千秋は求めるように彼の名を口にしながら、躰の向きを抱き合うように変えると両手を伸ばし、彼の背にまわした。
「もう···充分だから···鬼柳···挿れて···」
耳元で欲情に浮かされた声で囁いた。
0
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
冬は寒いから
青埜澄
BL
誰かの一番になれなくても、そばにいたいと思ってしまう。
片想いのまま時間だけが過ぎていく冬。
そんな僕の前に現れたのは、誰よりも強引で、優しい人だった。
「二番目でもいいから、好きになって」
忘れたふりをしていた気持ちが、少しずつ溶けていく。
冬のラブストーリー。
『主な登場人物』
橋平司
九条冬馬
浜本浩二
※すみません、最初アップしていたものをもう一度加筆修正しアップしなおしました。大まかなストーリー、登場人物は変更ありません。
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
死神に狙われた少年は悪魔に甘やかされる
ユーリ
BL
魔法省に悪魔が降り立ったーー世話係に任命された花音は憂鬱だった。だって悪魔が胡散臭い。なのになぜか死神に狙われているからと一緒に住むことになり…しかも悪魔に甘やかされる!?
「お前みたいなドジでバカでかわいいやつが好きなんだよ」スパダリ悪魔×死神に狙われるドジっ子「なんか恋人みたい…」ーー死神に狙われた少年は悪魔に甘やかされる??
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる