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Lesson.3 学園生活の始まりが、悪役令嬢の始まり
14.夢見る学園生活
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リーリウムとヘンリクスの仲はもはや盤石なものといっても過言ではなかった。
その後、約束通りミラーク湖への野鳥観察にも行き、二人の仲はますます深まった。
毎日リーリウムは王宮へ通い、王太子妃教育が終わったあとにはヘンリクスと庭園や王室図書室でデートを重ねている。
時折、手をつないで庭園を散策している姿をメイドや貴族たちが見かけ、
初々しいロイヤルカップルのあまりのかわいらしさに皆が二人に夢中になるほどだった。
リーリウムはヘンリクスとの心の距離が近づいた日の夜、詳細は秘密にしながらも、姉妹たちに「心の距離説」は本当だったことを報告した。
親身になって話を聞いてくれたことにお礼を言い、ユニカ様の日記は荒唐無稽に感じるけれど、今後も参考にすべきではないかと提案したのである。
そのため、四姉妹の夜の秘密のお茶会はその後もほぼ毎晩開かれていた。
「もうリーリウムと殿下は大丈夫そうじゃない?
学園でも二人の“仲睦まじさ”の話題で持ちきりだよ。」
姉妹の中でただ一人学園に通うフレエシアが、その日のお茶会で開口一番にそう言った。
この王国唯一の貴族子女が通う学園「エレンシア貴族学園」。
そこに、フレエシアの研究室があった。
学園には、13歳から18歳までの男女が通い、優秀であれば在学中でもフレエシアのように研究室が与えられる。
貴族子女の全員が通っているわけでなく、ほとんどが貴族の次男や三男などで、
女性は男爵や子爵などの下位貴族の家の者が多かった。
王都に屋敷を持たず、遠く離れた領地から単身で出てくる生徒も多いため、寮も完備されている。
男性は武官や文官への道を、女性は高位貴族や王室の侍女を目指して勉学に励む。
時々、フレエシアのように勉強好きな変わった高位貴族が入学してくるが、かなり稀だった。
貴族家の跡取りである長男は学園へ通わず、次期当主としての教育を各家門で施されるのが一般的で、学園へ通う必要性も時間もない。
そのため、公爵家の長女のヴィオラも学園に通うことなく、王都で父に、時折領地に赴き母にも当主としての教育を受けていた。
しかし、ヴィオラの婚約者である伯爵家の三男アンドレアスは、婚約した当時すでに学園へ通い始めていたため、
現在も通学しながら、時々公爵と共に行動するなどして、次期公爵となるために二足の草鞋を履いている。
また王族も同じで、王太子は学園へ入学しないが、もし第二王子がいれば学園へ通うのが通例だった。
そこで政治や外交、経済、さらには剣術なども学び、将来王弟として活動するための知識や人材の発掘を行うのである。
現在の王太子であるヘンリクスは、幼少期から王宮内で将来の国王として必要な帝王学を学び、その婚約者であるリーリウムも王太子妃教育を受けているので、二人とも13歳を過ぎてはいるが学園へは通ってはいない。
高位貴族の女性が学園へ通わない理由は、リーリウムのように幼少期から婚約者が決まっていることが多いからである。
そういった女性は、やはり各家門で淑女教育が行われている。
そのため、おそらくプリムラも学園へは入学しないと、誰もが思っていた。
「ねえ、フレエシアお姉さま、学園の入学試験はわたくしには難しいかしら?」
しかし、ふとプリムラがそんなことを言い出した。
「難しくはないだろうけど、ルドヴィク殿下との婚約も間近なのに学園へは通わないでしょ?」
プリムラは三人の姉と見比べると劣りはするものの、頭が悪いわけではない。
ルドヴィクの国「レオポリス王国」の言葉も流暢に話すことができるし、十分に賢かった。
「それが、ルドヴィク様がルヴァリ殿下と共に留学してくるそうなの。」
ルヴァリはルドヴィクの双子の弟で、快活で面倒見の良い兄とは違い、心優しいのだが大人しく気弱な性格だった。
レオポリス王国には貴族のための学園がないため、友好国であるこちらの国へ王弟教育を受けにくるのだ。
「ルドヴィク様は一年だけの短期間留学らしいのだけど、ルヴァリ殿下を一人で留学させるのが心配で付いてくるんですって。
だから、わたくしも一年間だけ学園へ通いたいなって思って……。」
プリムラは、最近庶民たちの間で流行している恋愛小説に多大なる影響を受けていた。
その小説が、まさに学園を舞台にした青春ものなのである。
「愛する人と一日中一緒にいられるなんて、学園恋愛って素敵!」
誰に言うわけでもなく、目を輝かせながら語りだすプリムラ。
「まずはお父さまに相談してみてはどうかしら?」
プリムラらしい、学園へ通う不純すぎる動機に微笑ましさを感じつつも、リーリウムが提案してみる。
娘たちの希望はなるべく叶えるが信条の父親のことだから、
公爵家の威厳など考えずに、入学の許可を出してしまうことは目に見えていた。
(一年くらいなら、問題はなさそうよね。)
そんなことを考えていたリーリウムだったが、その一年が波乱に満ちた一年になり、さらに自分も巻き込まれてしまうとは、この時は予想もしていなかった。
その後、約束通りミラーク湖への野鳥観察にも行き、二人の仲はますます深まった。
毎日リーリウムは王宮へ通い、王太子妃教育が終わったあとにはヘンリクスと庭園や王室図書室でデートを重ねている。
時折、手をつないで庭園を散策している姿をメイドや貴族たちが見かけ、
初々しいロイヤルカップルのあまりのかわいらしさに皆が二人に夢中になるほどだった。
リーリウムはヘンリクスとの心の距離が近づいた日の夜、詳細は秘密にしながらも、姉妹たちに「心の距離説」は本当だったことを報告した。
親身になって話を聞いてくれたことにお礼を言い、ユニカ様の日記は荒唐無稽に感じるけれど、今後も参考にすべきではないかと提案したのである。
そのため、四姉妹の夜の秘密のお茶会はその後もほぼ毎晩開かれていた。
「もうリーリウムと殿下は大丈夫そうじゃない?
学園でも二人の“仲睦まじさ”の話題で持ちきりだよ。」
姉妹の中でただ一人学園に通うフレエシアが、その日のお茶会で開口一番にそう言った。
この王国唯一の貴族子女が通う学園「エレンシア貴族学園」。
そこに、フレエシアの研究室があった。
学園には、13歳から18歳までの男女が通い、優秀であれば在学中でもフレエシアのように研究室が与えられる。
貴族子女の全員が通っているわけでなく、ほとんどが貴族の次男や三男などで、
女性は男爵や子爵などの下位貴族の家の者が多かった。
王都に屋敷を持たず、遠く離れた領地から単身で出てくる生徒も多いため、寮も完備されている。
男性は武官や文官への道を、女性は高位貴族や王室の侍女を目指して勉学に励む。
時々、フレエシアのように勉強好きな変わった高位貴族が入学してくるが、かなり稀だった。
貴族家の跡取りである長男は学園へ通わず、次期当主としての教育を各家門で施されるのが一般的で、学園へ通う必要性も時間もない。
そのため、公爵家の長女のヴィオラも学園に通うことなく、王都で父に、時折領地に赴き母にも当主としての教育を受けていた。
しかし、ヴィオラの婚約者である伯爵家の三男アンドレアスは、婚約した当時すでに学園へ通い始めていたため、
現在も通学しながら、時々公爵と共に行動するなどして、次期公爵となるために二足の草鞋を履いている。
また王族も同じで、王太子は学園へ入学しないが、もし第二王子がいれば学園へ通うのが通例だった。
そこで政治や外交、経済、さらには剣術なども学び、将来王弟として活動するための知識や人材の発掘を行うのである。
現在の王太子であるヘンリクスは、幼少期から王宮内で将来の国王として必要な帝王学を学び、その婚約者であるリーリウムも王太子妃教育を受けているので、二人とも13歳を過ぎてはいるが学園へは通ってはいない。
高位貴族の女性が学園へ通わない理由は、リーリウムのように幼少期から婚約者が決まっていることが多いからである。
そういった女性は、やはり各家門で淑女教育が行われている。
そのため、おそらくプリムラも学園へは入学しないと、誰もが思っていた。
「ねえ、フレエシアお姉さま、学園の入学試験はわたくしには難しいかしら?」
しかし、ふとプリムラがそんなことを言い出した。
「難しくはないだろうけど、ルドヴィク殿下との婚約も間近なのに学園へは通わないでしょ?」
プリムラは三人の姉と見比べると劣りはするものの、頭が悪いわけではない。
ルドヴィクの国「レオポリス王国」の言葉も流暢に話すことができるし、十分に賢かった。
「それが、ルドヴィク様がルヴァリ殿下と共に留学してくるそうなの。」
ルヴァリはルドヴィクの双子の弟で、快活で面倒見の良い兄とは違い、心優しいのだが大人しく気弱な性格だった。
レオポリス王国には貴族のための学園がないため、友好国であるこちらの国へ王弟教育を受けにくるのだ。
「ルドヴィク様は一年だけの短期間留学らしいのだけど、ルヴァリ殿下を一人で留学させるのが心配で付いてくるんですって。
だから、わたくしも一年間だけ学園へ通いたいなって思って……。」
プリムラは、最近庶民たちの間で流行している恋愛小説に多大なる影響を受けていた。
その小説が、まさに学園を舞台にした青春ものなのである。
「愛する人と一日中一緒にいられるなんて、学園恋愛って素敵!」
誰に言うわけでもなく、目を輝かせながら語りだすプリムラ。
「まずはお父さまに相談してみてはどうかしら?」
プリムラらしい、学園へ通う不純すぎる動機に微笑ましさを感じつつも、リーリウムが提案してみる。
娘たちの希望はなるべく叶えるが信条の父親のことだから、
公爵家の威厳など考えずに、入学の許可を出してしまうことは目に見えていた。
(一年くらいなら、問題はなさそうよね。)
そんなことを考えていたリーリウムだったが、その一年が波乱に満ちた一年になり、さらに自分も巻き込まれてしまうとは、この時は予想もしていなかった。
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