悪役令嬢にならないための指南書

ムササビ

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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革

36.友だちとのランチタイム1

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プリムラは、数多くのランチのお誘いをすべて断り、約束通りマリーといっしょに昼休みを過ごすことになった。
学生用の食堂はあるが、昼時はすごく混んでいるとフレエシアに聞いていたので、プリムラは屋敷からお弁当を持ってきている。

「お友だちと食べたいの。」とプリムラにリクエストされた料理長は、腕によりをかけてサンドイッチとデザートにフルーツケーキを作ってくれていた。

プリムラは中庭にある東屋でサンドイッチを広げると、マリーにも勧める。
マリーは食堂でランチを済ませるつもりだったので最初は遠慮をしていたのだが、プリムラに押し切られてしまった。

「とってもおいしいです!」

目をキラキラとさせながらサンドイッチを食べるマリーに、プリムラは満足気な顔をしている。

「マリー様は笑顔が本当にかわいらしいわね。」

「え、いや、そんなことは……。」

プリムラが笑顔をほめると、マリーは恥ずかしそうにうつむいてしまった。

「マリー様、あなた本当にかわいらしいのよ?
どうしてそんなにうつむいてしまうのかしら?
もったいないわ。」

そういうと、プリムラはマリーの頬を両方の手のひらで挟んで、そっと前を向かせる。

「う、うぅ……」

マリーは、プリムラを見つめながら静かに泣き始めた。

「そんなこと言って下さるのは、お母様とプリムラさまだけですぅ……」

そう言うと、声を出して号泣し始めてしまった。
家族に大切にされているマリーがどうしてこんなにも自己肯定力がないのか、プリムラは不思議でしょうがなかった。


しばらく思う存分涙をながしたマリーは、プリムラからもらったハンカチで涙をぬぐった。

「も、申し訳ありません。」

我に返ったマリーはプリムラに謝罪する。

「気になさらなくて大丈夫よ。
わたくしたち、お友だちじゃない!
それより、かわいらしいお顔が涙でぐちゃぐちゃになってしまったわ。
わたくしにお化粧直しさせてくださる?」

プリムラが持っていた鏡で顔を見ると、涙のせいで確かに顔が悲惨なことになっている。

「で、でも私お化粧なんてしたことが……。」

「大丈夫。わたくし、お化粧得意なのよ?」

近くにあった水道で顔を洗ったマリーは、プリムラに言われるがまま化粧水で肌を整える。
プリムラは学校のどこかに美容アイテムや化粧道具一式を置いてあるようで、マリーはプリムラがどこから道具を出してきたのか不思議でしょうがない。

「学校なので、ナチュラルメイクにするわね。」

マリーの疑問はさておいて、プリムラはそういうとマリーの顔に化粧をし始めた。
無言の時間が過ぎる中、真剣な顔でプリムラは手持ちの化粧道具でマリーの顔の長所を引き出すメイクを施していく。

「さあ、これでいかが?」

鏡を見たマリーは、自分の顔とプリムラの化粧技術に驚きを隠せなかった。

「こんなに自然なメイク方法があるのですね。
いつもお母さまがしている化粧とは全然違うわ……。」

「うふふ、お母さま世代にはお母さま世代の、わたくしたち世代にはわたくしたち世代のメイク術があるのですよ。」

満足げなプリムラ。

「ねえ、マリー嬢?
ヘアスタイルも変えて良いかしら?」

マリーは長い髪の毛を、ただ後ろで縛っただけのシンプルなヘアスタイルをしている。
プリムラは、それをアレンジしたくてアレンジしたくてしかたがなかったのだ。

「はい。お願いします。」

普段は着飾ることをしないマリーだが、プリムラの魔法のメイクに魅了されてしまったようで、二つ返事で了承してくれた。
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