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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
45.放課後の対策会議
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アンドレアスとアイリがいなくなった生徒会室へ、しばらくするとフレエシアとリーリウムがやってきた。
生徒会長の机の上に、アンドレアスからフレエシア宛の手紙があった。
『今日は所用で対策会議に出られません。何か決まりましたら、明日教えてください。』
リーリウムにも、アンドレアスからの手紙を見せる。
「アンドレアス様はお忙しいですものね。」
「そうだね」と言って、アンドレアスの繊細な文字で綴られた手紙を、さほど不思議にも思わずにフレエシアはカバンへしまった。
ちょうどそこへディナルドとアーサーがやってきた。
「トム君は?」
「今、ルヴァリ殿下を馬車までお送りしている。もうすぐ引き継ぎが終わって来るはずだ。」
「そうか。今日はアンドレアス様来られないんだって。
お忙しいだろうし、仕方がないよね。」
「そうだな。
学園の勉強も生徒会長も公爵家での仕事も手を抜かないからな。
大したもんだよ。」
感心した様子でディナルドがアンドレアスを褒める。
ディナルドも相当な努力家だが、目の回るようなスケジュールを涼しげな顔でこなすアンドレアスに対しては一目置いていたのだ。
「俺も一応ヴィオラ嬢の婚約者候補だったんだけど、頭悪いから無理だって父上に言われた。
今考えれば、それが正解だったな。
ま、ヴィオラ嬢にも嫌われてるしなー。」
アーサーが自虐的なことを言うが、誰も否定できない。
アーサーはどちらかというと力で物事を解決するタイプで、アンドレアスのように知性的ではない。
さらに短気で努力が苦手なので、ヴィオラが最も信用していない人種に入っている。
そんな話をしていると、トムとジョンがいっしょにやってきた。
「今、アンドレアス様がアイリ嬢といっしょに校門から出て行ったんですけど、ご存じでしたか?」
トムが血相を変えて訴える。
「え、なにそれ? 本当に!?」
フレエシアとリーリウムは、驚きのあまり目を合わせる。
「王宮の騎士とルヴァリ殿下の引継ぎをしていたのですが、
アイリ嬢が校門から出て行って、しばらくしてからアンドレアス様も……。
会議があるのにどこにいくのかなって思って、こっそり後を追ってみたら、
曲がり角のところで二人が合流して仲良さげに歩いていきましたよ。」
アンドレアスの何らかの作戦かもしれないとも思う。
フレエシアとリーリウムは、アンドレアスとアイリの間に何が起こっているのか全く分からなかった。
「ジョン君はそれについて何か知っているの?」
「実は……」
ジョンは、アイリとマリーの間で起きた出来事を話した。
その出来事を利用して、アイリがプリムラを陥れようとしていることも。
「アイリは俺にマリーを託す時に、まだやることがあるって言っていました。
もしかすると、アンドレアス様を味方につけようとしているのかもしれない……。」
「プリムラがそんなことをするわけがないのに……。
それに、アンドレアス様はなぜアイリ嬢に付いていってしまったのかしら。」
リーリウムは心配そうにつぶやく。
「いよいよ、アイリ嬢が動き出したね。
それにしても、リーリウムではなくプリムラを狙うなんて……。
それで、今その髪飾りを持っているの?」
「はい。」
銀細工にエメラルドが散りばめられたマリーの宝物の髪飾りは、もみ合いの際に衝撃を受けたらしく、少し歪んでしまっていた。
「これはひどいね。」
「はい……。」
「これ、預かっていい? いい職人を知っているから、修理しておくよ。」
「ありがとうございます!」
ジョンは、大切そうに両手で包み込んで持っていた髪飾りを、フレエシアにそっと渡す。
フレエシアはそれをハンカチで包むと、やはり慎重にカバンにしまい込んだ。
「それで、アイリ嬢には、プリムラの荷物に忍び込ませるための手はずを整えているから時間をくれって言っておいてくれる?
そして、マリー嬢とカイルには、本当のことを伝えたらいいよ。
君も家に居づらいだろうし、なによりマリー嬢が心配だしね。
もちろん、二人には口止めをしておいてよ。」
「はい、ありがとうございます!」
ジョンは心底ほっとした様子で、瞳に涙をため込んでいた。
今となっては、なぜあんなにアイリに心酔していたのか分からない。
何か魔法にでもかけられていて、それを解いてもらったような、そんな気分だった。
「で、アンドレアスのことはどうする?」
ディナルドがフレエシアに問う。
「アイリ嬢がプリムラをターゲットにしているなら、大丈夫だと思うよ。
プリムラはお姉様の一番のお気に入りの妹なんだから、アンドレアス様が危害を加えるとは思えない。
アンドレアス様はお姉様が何より大事だからね。
でも、念のためにお姉様には伝えるし、アンドレアス様にも詳しい事情を聞いてみるよ。」
ディナルドがうなずく。
アンドレアスがヴィオラを一番大切に想っていることは、ディナルドも知っていたからだ。
ヴィオラの婚約者に選ばれた時のアンドレアスが、本当に天にも昇るような、そんな様子だったのを間近でみていたのだ。
ヴィオラや公爵家の姉妹を裏切るようなことはするわけがないと、誰しもが思っていたのだった。
生徒会長の机の上に、アンドレアスからフレエシア宛の手紙があった。
『今日は所用で対策会議に出られません。何か決まりましたら、明日教えてください。』
リーリウムにも、アンドレアスからの手紙を見せる。
「アンドレアス様はお忙しいですものね。」
「そうだね」と言って、アンドレアスの繊細な文字で綴られた手紙を、さほど不思議にも思わずにフレエシアはカバンへしまった。
ちょうどそこへディナルドとアーサーがやってきた。
「トム君は?」
「今、ルヴァリ殿下を馬車までお送りしている。もうすぐ引き継ぎが終わって来るはずだ。」
「そうか。今日はアンドレアス様来られないんだって。
お忙しいだろうし、仕方がないよね。」
「そうだな。
学園の勉強も生徒会長も公爵家での仕事も手を抜かないからな。
大したもんだよ。」
感心した様子でディナルドがアンドレアスを褒める。
ディナルドも相当な努力家だが、目の回るようなスケジュールを涼しげな顔でこなすアンドレアスに対しては一目置いていたのだ。
「俺も一応ヴィオラ嬢の婚約者候補だったんだけど、頭悪いから無理だって父上に言われた。
今考えれば、それが正解だったな。
ま、ヴィオラ嬢にも嫌われてるしなー。」
アーサーが自虐的なことを言うが、誰も否定できない。
アーサーはどちらかというと力で物事を解決するタイプで、アンドレアスのように知性的ではない。
さらに短気で努力が苦手なので、ヴィオラが最も信用していない人種に入っている。
そんな話をしていると、トムとジョンがいっしょにやってきた。
「今、アンドレアス様がアイリ嬢といっしょに校門から出て行ったんですけど、ご存じでしたか?」
トムが血相を変えて訴える。
「え、なにそれ? 本当に!?」
フレエシアとリーリウムは、驚きのあまり目を合わせる。
「王宮の騎士とルヴァリ殿下の引継ぎをしていたのですが、
アイリ嬢が校門から出て行って、しばらくしてからアンドレアス様も……。
会議があるのにどこにいくのかなって思って、こっそり後を追ってみたら、
曲がり角のところで二人が合流して仲良さげに歩いていきましたよ。」
アンドレアスの何らかの作戦かもしれないとも思う。
フレエシアとリーリウムは、アンドレアスとアイリの間に何が起こっているのか全く分からなかった。
「ジョン君はそれについて何か知っているの?」
「実は……」
ジョンは、アイリとマリーの間で起きた出来事を話した。
その出来事を利用して、アイリがプリムラを陥れようとしていることも。
「アイリは俺にマリーを託す時に、まだやることがあるって言っていました。
もしかすると、アンドレアス様を味方につけようとしているのかもしれない……。」
「プリムラがそんなことをするわけがないのに……。
それに、アンドレアス様はなぜアイリ嬢に付いていってしまったのかしら。」
リーリウムは心配そうにつぶやく。
「いよいよ、アイリ嬢が動き出したね。
それにしても、リーリウムではなくプリムラを狙うなんて……。
それで、今その髪飾りを持っているの?」
「はい。」
銀細工にエメラルドが散りばめられたマリーの宝物の髪飾りは、もみ合いの際に衝撃を受けたらしく、少し歪んでしまっていた。
「これはひどいね。」
「はい……。」
「これ、預かっていい? いい職人を知っているから、修理しておくよ。」
「ありがとうございます!」
ジョンは、大切そうに両手で包み込んで持っていた髪飾りを、フレエシアにそっと渡す。
フレエシアはそれをハンカチで包むと、やはり慎重にカバンにしまい込んだ。
「それで、アイリ嬢には、プリムラの荷物に忍び込ませるための手はずを整えているから時間をくれって言っておいてくれる?
そして、マリー嬢とカイルには、本当のことを伝えたらいいよ。
君も家に居づらいだろうし、なによりマリー嬢が心配だしね。
もちろん、二人には口止めをしておいてよ。」
「はい、ありがとうございます!」
ジョンは心底ほっとした様子で、瞳に涙をため込んでいた。
今となっては、なぜあんなにアイリに心酔していたのか分からない。
何か魔法にでもかけられていて、それを解いてもらったような、そんな気分だった。
「で、アンドレアスのことはどうする?」
ディナルドがフレエシアに問う。
「アイリ嬢がプリムラをターゲットにしているなら、大丈夫だと思うよ。
プリムラはお姉様の一番のお気に入りの妹なんだから、アンドレアス様が危害を加えるとは思えない。
アンドレアス様はお姉様が何より大事だからね。
でも、念のためにお姉様には伝えるし、アンドレアス様にも詳しい事情を聞いてみるよ。」
ディナルドがうなずく。
アンドレアスがヴィオラを一番大切に想っていることは、ディナルドも知っていたからだ。
ヴィオラの婚約者に選ばれた時のアンドレアスが、本当に天にも昇るような、そんな様子だったのを間近でみていたのだ。
ヴィオラや公爵家の姉妹を裏切るようなことはするわけがないと、誰しもが思っていたのだった。
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