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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
77.リーリウムの見た世界1
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リーリウムは、王宮の一室で眠っていた。
顔色は悪かったが、ただ寝ているような表情で、苦しみからは解放されているようだった。
「最初倒れた時はものすごく苦しんでいて……。」
ヘンリクスは、リーリウムが倒れた時の状況をぽつりぽつりと話し始める。
最初は毒味役のメイドがチョコレートを食べ、その後ほぼ同時にヘンリクスとリーリウムがチョコレートを口に入れた。
リーリウムが苦しみ始めたのは、チョコレートを飲み込んだあと。
喉やお腹を押さえて苦しむのではなく、目を両手で押えてヘンリクスの名を呼びながら倒れたそうだ。
「侍医の話では、毒性のあるものを食べた反応はないそうなのです。」
王妃は、侍医からの話を公爵家の面々に伝える。
「学院長先生、リーリウムを診ていただけますか?」
公爵夫人は後ろに控えていた学院長を、リーリウムのそばへ呼び寄せる。
「失礼いたします。」
学院長は、眠っているリーリウムの手に魔法石を握らせると、自分の両手でそっと包み込んだ。
瞳を閉じ、念じるような顔つきをすると、学院長の体がほのかに光り出す。
そしてしばらくすると、リーリウムの手の中にある魔法石が眩い黄金色に輝きだした。
「やはり。リーリウム様がお倒れになった理由は魔力酔いで間違いないようです。」
そう言って、学院長はリーリウムの手のひらからまだ輝き続けている魔法石を取り出す。
「先生、黄金色って!」
フレエシアは、学院長が持つ魔法石を確認する。
「フレエシア、どういうことなの!?」
公爵夫人が思わず声を上げる。
学院長とフレエシア以外はその黄金色の意味が分からない。
「魔法石は、その人が持つ魔力の属性によって輝く色が決まります。
リーリウムの魔力が黄金色ということは、光属性の魔法が使えるということ。
その昔、聖女と呼ばれていた人々と同じ色です。」
「リーリウムが聖女……。」
フレエシアの説明に、公爵も呆然としている。
沈黙の時間が流れる中、学院長がゆっくりと口を開く。
「元来、精霊と親和性の高い王家や公爵家、さらにその分家の血を受け継ぐ方々は、魔力の保有量が多いのです。
それは、魔法が使えなくなったと言われている現在でも同じです。
通常、魔力は体から少しずつ自然放出されます。
しかし、魔力量の多い魔法使いたちは自然放出では出し切れない魔力を、魔法石に注いだり、魔法を使ったりして体にため込まないよう調節していました。
今回、リーリウム様は、マリー嬢のチョコレートで体の中では抑えきれない魔力量になってしまった上に、体外へ魔力を放出する方法も分からず、魔力酔いしてしまったのです。
それが、リーリウム様がお倒れになった一つ目の原因です。
さきほど魔法石へ、リーリウム様の魔力を少し移動させたので、ほら、少し顔色が良くなっていますでしょう?」
確かに、青ざめていたリーリウムの顔に血の気が戻ってきている。
「しかしそれならば、わたしにも影響が出ているのではないか?
それに、フレエシア嬢やヴィオラ嬢も。」
ヘンリクスが、疑問を口にする。
王族や公爵家の血筋の魔力量が生まれつき多いのなら、自分たちも魔力酔いを発症するのではないかと思ったのだ。
「はい。おそらく、殿下たちの魔力も大幅に増えたはずです。
わたくしもチョコレートを食べた後は、みなぎるような力を感じました。
しかし、魔力酔いを起こすほど、魔力量が増えたわけではないのだと思います。
おそらく、リーリウム様の魔力量が皆様よりも元々多かったことと、属性が関係しています。
光属性の魔力を保有しているリーリウム様は、我々よりも薬草の効果が高く出る体質なのです。
それが、リーリウム様がお倒れになった、もう一つの原因です。」
そう話していると、マギア教授が荷物を抱えて部屋に入ってきた。
「失礼いたします。姉上、これを。」
学院長は魔道具を受け取ると、その中心部に空っぽの魔法石を大量に放り込んだ。
そして、その中心部から伸びた管の先にある小さな玉をリーリウムの手のひらにそっと握らせる。
続けて、先ほどと同じように自らの両手でリーリウムの手を包み込むと、リーリウムの魔力が魔道具の方へ流れるように誘導していった。
「この魔道具は、体内の魔力量を適正な量へ調節してくれます。
体内の魔力を吸いすぎると、生命にも影響を及ぼしてしまうので……。」
学院長が説明をしている間にも、魔道具にセットされた魔法石が次々と黄金色に輝き始める。
中にいれた魔法石の半分が黄金色に染まろうとしたとき、リーリウムの目がゆっくりと開いた。
「リーリウム!」
公爵夫人がリーリウムを抱きしめる。
「リーリウム、大丈夫かい?」
一番そばで見守っていたヘンリクスがリーリウムの手を握り、声をかける。
「ヘンリクス様……わたくしはどうしてしまったのでしょうか?
みんな集まって……。学院長先生まで。」
目覚めたばかりのリーリウムは、少し混乱しているようだった。
「リーリウム様、ご無事でなによりです。
目が覚めたばかりでお疲れでしょうが、質問をよろしいでしょうか?」
「はい。」
「お倒れになる直前、何か見ましたか?」
学院長は、リーリウムを気遣いながらも一番気になっていた質問をした。
「はい……。そうですね……。」
一瞬考えるも、リーリウムが倒れる瞬間見たものは、たったひとつだけだった。
「世界が黒っぽい紫色の濃いモヤで覆われていました。
目の前のヘンリクス様も見えず、自分の目がおかしくなったと思った瞬間で、記憶が終わっています。」
顔色は悪かったが、ただ寝ているような表情で、苦しみからは解放されているようだった。
「最初倒れた時はものすごく苦しんでいて……。」
ヘンリクスは、リーリウムが倒れた時の状況をぽつりぽつりと話し始める。
最初は毒味役のメイドがチョコレートを食べ、その後ほぼ同時にヘンリクスとリーリウムがチョコレートを口に入れた。
リーリウムが苦しみ始めたのは、チョコレートを飲み込んだあと。
喉やお腹を押さえて苦しむのではなく、目を両手で押えてヘンリクスの名を呼びながら倒れたそうだ。
「侍医の話では、毒性のあるものを食べた反応はないそうなのです。」
王妃は、侍医からの話を公爵家の面々に伝える。
「学院長先生、リーリウムを診ていただけますか?」
公爵夫人は後ろに控えていた学院長を、リーリウムのそばへ呼び寄せる。
「失礼いたします。」
学院長は、眠っているリーリウムの手に魔法石を握らせると、自分の両手でそっと包み込んだ。
瞳を閉じ、念じるような顔つきをすると、学院長の体がほのかに光り出す。
そしてしばらくすると、リーリウムの手の中にある魔法石が眩い黄金色に輝きだした。
「やはり。リーリウム様がお倒れになった理由は魔力酔いで間違いないようです。」
そう言って、学院長はリーリウムの手のひらからまだ輝き続けている魔法石を取り出す。
「先生、黄金色って!」
フレエシアは、学院長が持つ魔法石を確認する。
「フレエシア、どういうことなの!?」
公爵夫人が思わず声を上げる。
学院長とフレエシア以外はその黄金色の意味が分からない。
「魔法石は、その人が持つ魔力の属性によって輝く色が決まります。
リーリウムの魔力が黄金色ということは、光属性の魔法が使えるということ。
その昔、聖女と呼ばれていた人々と同じ色です。」
「リーリウムが聖女……。」
フレエシアの説明に、公爵も呆然としている。
沈黙の時間が流れる中、学院長がゆっくりと口を開く。
「元来、精霊と親和性の高い王家や公爵家、さらにその分家の血を受け継ぐ方々は、魔力の保有量が多いのです。
それは、魔法が使えなくなったと言われている現在でも同じです。
通常、魔力は体から少しずつ自然放出されます。
しかし、魔力量の多い魔法使いたちは自然放出では出し切れない魔力を、魔法石に注いだり、魔法を使ったりして体にため込まないよう調節していました。
今回、リーリウム様は、マリー嬢のチョコレートで体の中では抑えきれない魔力量になってしまった上に、体外へ魔力を放出する方法も分からず、魔力酔いしてしまったのです。
それが、リーリウム様がお倒れになった一つ目の原因です。
さきほど魔法石へ、リーリウム様の魔力を少し移動させたので、ほら、少し顔色が良くなっていますでしょう?」
確かに、青ざめていたリーリウムの顔に血の気が戻ってきている。
「しかしそれならば、わたしにも影響が出ているのではないか?
それに、フレエシア嬢やヴィオラ嬢も。」
ヘンリクスが、疑問を口にする。
王族や公爵家の血筋の魔力量が生まれつき多いのなら、自分たちも魔力酔いを発症するのではないかと思ったのだ。
「はい。おそらく、殿下たちの魔力も大幅に増えたはずです。
わたくしもチョコレートを食べた後は、みなぎるような力を感じました。
しかし、魔力酔いを起こすほど、魔力量が増えたわけではないのだと思います。
おそらく、リーリウム様の魔力量が皆様よりも元々多かったことと、属性が関係しています。
光属性の魔力を保有しているリーリウム様は、我々よりも薬草の効果が高く出る体質なのです。
それが、リーリウム様がお倒れになった、もう一つの原因です。」
そう話していると、マギア教授が荷物を抱えて部屋に入ってきた。
「失礼いたします。姉上、これを。」
学院長は魔道具を受け取ると、その中心部に空っぽの魔法石を大量に放り込んだ。
そして、その中心部から伸びた管の先にある小さな玉をリーリウムの手のひらにそっと握らせる。
続けて、先ほどと同じように自らの両手でリーリウムの手を包み込むと、リーリウムの魔力が魔道具の方へ流れるように誘導していった。
「この魔道具は、体内の魔力量を適正な量へ調節してくれます。
体内の魔力を吸いすぎると、生命にも影響を及ぼしてしまうので……。」
学院長が説明をしている間にも、魔道具にセットされた魔法石が次々と黄金色に輝き始める。
中にいれた魔法石の半分が黄金色に染まろうとしたとき、リーリウムの目がゆっくりと開いた。
「リーリウム!」
公爵夫人がリーリウムを抱きしめる。
「リーリウム、大丈夫かい?」
一番そばで見守っていたヘンリクスがリーリウムの手を握り、声をかける。
「ヘンリクス様……わたくしはどうしてしまったのでしょうか?
みんな集まって……。学院長先生まで。」
目覚めたばかりのリーリウムは、少し混乱しているようだった。
「リーリウム様、ご無事でなによりです。
目が覚めたばかりでお疲れでしょうが、質問をよろしいでしょうか?」
「はい。」
「お倒れになる直前、何か見ましたか?」
学院長は、リーリウムを気遣いながらも一番気になっていた質問をした。
「はい……。そうですね……。」
一瞬考えるも、リーリウムが倒れる瞬間見たものは、たったひとつだけだった。
「世界が黒っぽい紫色の濃いモヤで覆われていました。
目の前のヘンリクス様も見えず、自分の目がおかしくなったと思った瞬間で、記憶が終わっています。」
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