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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
82.フィールディング教授の説
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フィールディング教授の書類は、燃やされた分の過去の論文の複製が中心だったが、時々新たな可能性についてのメモが貼られていた。
マギア教授とフレエシアは、その書類を片っ端から確認していく。
フィールディング教授は、エレンシア王国で魔法が使えなくなった、もっとも有力な原因が“国全体に闇の魔力が充満しているから”ではないかとしていた。
その根拠の一つが、実は魔法が使えない範囲がエレンシア王国と隣国の国境付近までであるということ。
このことで、魔法が使えない現象が“範囲魔法”であることが推測される。
そして、“闇の魔力”であると推定したのは、すぐに魔法が使えなくなった魔法使いと、徐々に使えなくなった魔法使いがいたためである。
すぐに魔法が使えなくなったのは、火・土・木の魔法使いたちだった。
魔法どころか、体内の魔力すらも減少していったのである。
火・土・木の魔法の共通点は、“光の魔法”との親和性が高いということである。
通常、一人の人間にもたらされる魔法の属性は一種類とされている。
しかし、光の魔法使いの中には火・土・木のいずれかの属性魔法も使える人物もいた。
そのため、この四種類の魔法は近しい関係にあると思われているのだ。
そして、衰えつつも逆に最後まで魔法が使えていたのが、水・風・鉱物の魔法使いたちだった。
こちらは、闇の魔力との親和性が高い属性だ。
つまり、闇の魔力の干渉を受けにくかったのではないかと、考えていた。
最後の魔法使いとされる、マギア教授や学園長の祖父も水属性だった。
しかし、それらの証拠となっていた、フィールディング教授が若いころに聞き取った昔の魔法使いたちの証言やコツコツと調査していた魔法が使える範囲の境目についての測量結果など、現在では入手不可能なものや莫大な時間と予算をつぎ込んだ研究資料は、すべて焼失してしまっている。
さらに問題なのは、どの魔道具を使用しても、闇の魔力が検出されなかったのだ。
そして、過去の研究者の論文を参考にすると、別の説もなかった訳ではなかった。
“闇の魔力説”だけを重視するには、やはり証拠が必要だったのだ。
「測量などはまた時間をかければ、何とかなるだろうが……。」
しかし、すでに死んでしまっている魔法使いたちの証言資料は、もう元には戻らない。
マギア教授は、改めてくやしさをにじませる。
「思い出しながら、少しずつ書き起こしてはいるのだが、完全には復元できないだろうな。」
フィールディング教授も同意する。
「先生方、今はもう一度証拠固めをする時間はありません。
今は“国全体に闇の魔力が充満している”というのを確定してしまって、話しを進めませんか?
別の視点から考えれば、また新たな証拠が出てくるかもしれません。」
フレエシアは短慮かもしれないと思いつつも、リーリウムに残された時間が分からない以上、早く解決の糸口を見つけなくてはいけないと考えていた。
「フレエシア様、私もそうすべきだと考えていました。
焼失してしまった資料をいつまでも嘆いているよりは、仮定で調査を進めた方が、新たな道筋ができるのではないかと。
しかし、それをするには、私は老いすぎてしまいました……。
二人で、この研究を受け継いでくれないだろうか?」
マギア教授とフレエシアは、目を合わせると、お互いの意志を確認し合った。
「わかりました、師匠。
フレエシアちゃんと二人で、必ずこの国に魔法の力を取り戻します。」
「そうか……、ありがとう。」
フィールディング教授は、ほっとした気持ちと自分で真相を突き止められなかった無念さが入り混じった、そんな笑顔で弟子たちに礼を言った。
マギア教授とフレエシアは、その書類を片っ端から確認していく。
フィールディング教授は、エレンシア王国で魔法が使えなくなった、もっとも有力な原因が“国全体に闇の魔力が充満しているから”ではないかとしていた。
その根拠の一つが、実は魔法が使えない範囲がエレンシア王国と隣国の国境付近までであるということ。
このことで、魔法が使えない現象が“範囲魔法”であることが推測される。
そして、“闇の魔力”であると推定したのは、すぐに魔法が使えなくなった魔法使いと、徐々に使えなくなった魔法使いがいたためである。
すぐに魔法が使えなくなったのは、火・土・木の魔法使いたちだった。
魔法どころか、体内の魔力すらも減少していったのである。
火・土・木の魔法の共通点は、“光の魔法”との親和性が高いということである。
通常、一人の人間にもたらされる魔法の属性は一種類とされている。
しかし、光の魔法使いの中には火・土・木のいずれかの属性魔法も使える人物もいた。
そのため、この四種類の魔法は近しい関係にあると思われているのだ。
そして、衰えつつも逆に最後まで魔法が使えていたのが、水・風・鉱物の魔法使いたちだった。
こちらは、闇の魔力との親和性が高い属性だ。
つまり、闇の魔力の干渉を受けにくかったのではないかと、考えていた。
最後の魔法使いとされる、マギア教授や学園長の祖父も水属性だった。
しかし、それらの証拠となっていた、フィールディング教授が若いころに聞き取った昔の魔法使いたちの証言やコツコツと調査していた魔法が使える範囲の境目についての測量結果など、現在では入手不可能なものや莫大な時間と予算をつぎ込んだ研究資料は、すべて焼失してしまっている。
さらに問題なのは、どの魔道具を使用しても、闇の魔力が検出されなかったのだ。
そして、過去の研究者の論文を参考にすると、別の説もなかった訳ではなかった。
“闇の魔力説”だけを重視するには、やはり証拠が必要だったのだ。
「測量などはまた時間をかければ、何とかなるだろうが……。」
しかし、すでに死んでしまっている魔法使いたちの証言資料は、もう元には戻らない。
マギア教授は、改めてくやしさをにじませる。
「思い出しながら、少しずつ書き起こしてはいるのだが、完全には復元できないだろうな。」
フィールディング教授も同意する。
「先生方、今はもう一度証拠固めをする時間はありません。
今は“国全体に闇の魔力が充満している”というのを確定してしまって、話しを進めませんか?
別の視点から考えれば、また新たな証拠が出てくるかもしれません。」
フレエシアは短慮かもしれないと思いつつも、リーリウムに残された時間が分からない以上、早く解決の糸口を見つけなくてはいけないと考えていた。
「フレエシア様、私もそうすべきだと考えていました。
焼失してしまった資料をいつまでも嘆いているよりは、仮定で調査を進めた方が、新たな道筋ができるのではないかと。
しかし、それをするには、私は老いすぎてしまいました……。
二人で、この研究を受け継いでくれないだろうか?」
マギア教授とフレエシアは、目を合わせると、お互いの意志を確認し合った。
「わかりました、師匠。
フレエシアちゃんと二人で、必ずこの国に魔法の力を取り戻します。」
「そうか……、ありがとう。」
フィールディング教授は、ほっとした気持ちと自分で真相を突き止められなかった無念さが入り混じった、そんな笑顔で弟子たちに礼を言った。
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