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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
103.アレクサンデル王の最期とユニカ
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王宮内にある国王の執務室に通されたリーリウムとヴィオラは、すべてを国王に話し、ユニカ様の日記を見せた。
日記を一読した王は、机の引き出しからもう1冊の日記を取り出す。
「実は、アレクサンデル王の晩年の日記に気になる記述がある。」
そう言うと、アレクサンデル王の日記をヴィオラとリーリウムに読ませた。
『私の命はもう長くはもたないだろう。
体中が痛み、もう動くこともままならない。
心配なのはユニカだ。
毎日顔を見せてくれていたのに、この一カ月は音沙汰がない。
治療にやってくるマリアに聞いても、離宮で元気に過ごしているとしか教えてくれない。
本当に彼女は元気なのだろうか……。』
『ユニカに会いたい。もう彼女には会えないのだろうか。』
『彼女が私を見舞いに来ないはずがない。何が起こっている?』
『ユニカが心配だ。私の死後、彼女はどうなってしまうのだろう。』
『最後にひと目、ユニカに会いたかった。』
そこで日記は終わっていた。
アレクサンデル王の字は震え、時々書き損じている。
彼が高齢で病気だったことを如実に現わしている日記だが、最期までユニカ様の身を案じていたことが分かる。
「ユニカ様は、どうしてアレクサンデル王の最期の時を共に過ごさなかったのでしょうか?」
アレクサンデル王の切実な叫びに、リーリウムは心を痛めていた。
「私にもそれは分からない。
二人はアレクサンデル王の死後、ユニカ様がどうお過ごしになって、いつ亡くなったか知っているか?」
「離宮で静かに余生をお過ごしになったとしか……。
本人の遺言で、亡くなったことも国民には知らされず、密葬されたと本で読みました。」
「実は、王国の記録でもユニカ様がいつ亡くなられたのか分かっていないのだ。
もしかすると、ユニカ様はアレクサンデル王が存命中から何らかの事件に巻き込まれていたのかもしれない。」
「ユニカ様が晩年にお過ごしになっていた離宮は、今どうなっているのですか?」
ヴィオラが尋ねると、国王は小さく首を振る。
「今はもうない。
老朽化していたところを地震にやられてしまって、今は瓦礫の山になっている。
それにもう一人、所在不明になっている人物がいる。」
「どなたですか?」
「マリア様だ。」
「マリア様は神殿にいらっしゃるのではないのですか?」
リーリウムとヴィオラはギョッとして国王を見つめる。
異世界から来た聖女マリアは召喚されてから年をとらず、重傷や重篤な病気にかからない限りは永遠の命があると言われている。
儀式の際にも姿を現すことはないが、神殿の最深部で今も生きていると、国民たちの間では信じられていた。
「うむ。アレクサンデル王の死後、神殿からユニカ様の離宮へ住居を移したらしい。
実はその後のマリア様の記録も残っていない。
神殿でもマリア様の行方をさがしたのだが、見つからなかったそうだ。
民衆が混乱するといけないからと、その事実をこの五百年もの間隠し続けている。」
「そんなことが……。」
リーリウムは絶句するしかなかった。
信じていたことが、次々と覆されていく。
「このことは、王室と二大公爵家の当主にしか知らされないので、内密に。」
「「はい、陛下。」」
リーリウムとヴィオラは神妙な顔で、声を揃えて国王に約束をする。
「私はてっきり、ユニカ様とマリア様は同じ事件に巻き込まれて自由が無くなり、人知れず亡くなってしまわれたのだと思っていたが……。」
国王はしばらく思案しながら、ユニカ様の日記をパラパラと読み返している。
「ユニカ様の日記を見る限り、そうではないらしい。
今はユニカ様のご指示通り、そのリナという女に事情を聞くのが良いのではないかと思う。
リーリウム、体調が思わしくないところ悪いが、ヴィオラ嬢とヘンリクスと共にその役割を担ってくれないか?
相手が闇の魔法使いならば、光の魔法使いであるリーリウムが適任であろう。」
「かしこまりました、陛下。」
まだ自分が光の魔法使いという自覚がないリーリウムは、とまどう気持ちを抑えて国王の指示に従うことにした。
そうした理由から、リーリウムは急きょ舞踏会へ参加することになったのだった。
日記を一読した王は、机の引き出しからもう1冊の日記を取り出す。
「実は、アレクサンデル王の晩年の日記に気になる記述がある。」
そう言うと、アレクサンデル王の日記をヴィオラとリーリウムに読ませた。
『私の命はもう長くはもたないだろう。
体中が痛み、もう動くこともままならない。
心配なのはユニカだ。
毎日顔を見せてくれていたのに、この一カ月は音沙汰がない。
治療にやってくるマリアに聞いても、離宮で元気に過ごしているとしか教えてくれない。
本当に彼女は元気なのだろうか……。』
『ユニカに会いたい。もう彼女には会えないのだろうか。』
『彼女が私を見舞いに来ないはずがない。何が起こっている?』
『ユニカが心配だ。私の死後、彼女はどうなってしまうのだろう。』
『最後にひと目、ユニカに会いたかった。』
そこで日記は終わっていた。
アレクサンデル王の字は震え、時々書き損じている。
彼が高齢で病気だったことを如実に現わしている日記だが、最期までユニカ様の身を案じていたことが分かる。
「ユニカ様は、どうしてアレクサンデル王の最期の時を共に過ごさなかったのでしょうか?」
アレクサンデル王の切実な叫びに、リーリウムは心を痛めていた。
「私にもそれは分からない。
二人はアレクサンデル王の死後、ユニカ様がどうお過ごしになって、いつ亡くなったか知っているか?」
「離宮で静かに余生をお過ごしになったとしか……。
本人の遺言で、亡くなったことも国民には知らされず、密葬されたと本で読みました。」
「実は、王国の記録でもユニカ様がいつ亡くなられたのか分かっていないのだ。
もしかすると、ユニカ様はアレクサンデル王が存命中から何らかの事件に巻き込まれていたのかもしれない。」
「ユニカ様が晩年にお過ごしになっていた離宮は、今どうなっているのですか?」
ヴィオラが尋ねると、国王は小さく首を振る。
「今はもうない。
老朽化していたところを地震にやられてしまって、今は瓦礫の山になっている。
それにもう一人、所在不明になっている人物がいる。」
「どなたですか?」
「マリア様だ。」
「マリア様は神殿にいらっしゃるのではないのですか?」
リーリウムとヴィオラはギョッとして国王を見つめる。
異世界から来た聖女マリアは召喚されてから年をとらず、重傷や重篤な病気にかからない限りは永遠の命があると言われている。
儀式の際にも姿を現すことはないが、神殿の最深部で今も生きていると、国民たちの間では信じられていた。
「うむ。アレクサンデル王の死後、神殿からユニカ様の離宮へ住居を移したらしい。
実はその後のマリア様の記録も残っていない。
神殿でもマリア様の行方をさがしたのだが、見つからなかったそうだ。
民衆が混乱するといけないからと、その事実をこの五百年もの間隠し続けている。」
「そんなことが……。」
リーリウムは絶句するしかなかった。
信じていたことが、次々と覆されていく。
「このことは、王室と二大公爵家の当主にしか知らされないので、内密に。」
「「はい、陛下。」」
リーリウムとヴィオラは神妙な顔で、声を揃えて国王に約束をする。
「私はてっきり、ユニカ様とマリア様は同じ事件に巻き込まれて自由が無くなり、人知れず亡くなってしまわれたのだと思っていたが……。」
国王はしばらく思案しながら、ユニカ様の日記をパラパラと読み返している。
「ユニカ様の日記を見る限り、そうではないらしい。
今はユニカ様のご指示通り、そのリナという女に事情を聞くのが良いのではないかと思う。
リーリウム、体調が思わしくないところ悪いが、ヴィオラ嬢とヘンリクスと共にその役割を担ってくれないか?
相手が闇の魔法使いならば、光の魔法使いであるリーリウムが適任であろう。」
「かしこまりました、陛下。」
まだ自分が光の魔法使いという自覚がないリーリウムは、とまどう気持ちを抑えて国王の指示に従うことにした。
そうした理由から、リーリウムは急きょ舞踏会へ参加することになったのだった。
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