悪役令嬢にならないための指南書

ムササビ

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Lesson.5 物語の終わり

124.謎の小部屋

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ドアにかかっている蔦をすべて剣で取り払うと、皆を代表してリナがドアノブに手をかける。
ドアは魔法に守られるわけでもなく、鍵がかかっているわけでもなく、あっさりと音を立てて開き、中を覗くとそこには狭い部屋があった。
まるで使用人が使うような部屋で、地下だから当然だが窓もない。
しかし、不思議なことに過ごしやすい湿度と温度で保たれている。
家具は本棚が一つと小さな祭壇、タンス、机、ベッドがあり、部屋の奥には小さなドアがある。
それらの家具にはホコリもなく、ベッドは素朴だが清潔なリネンのシーツがかけられていた。
リナが警戒しながら部屋の奥の小さなドアを開くと、トイレと小さな鏡を備え付けた簡易的な洗面台がある、人ひとりがやっと入れるスペースがあった。
最近まで使用された跡があり、洗面台もトイレも綺麗に掃除され、タオルも新しいものがセットされている。
しかし、この部屋の主は留守のようで、狭い部屋を何度見まわしても人の気配はない。
机の上には数冊の本が平積みされていて、リーリウムはそれを一冊一冊入念に確認していた。
読んでいる本を知ると、その人の関心や人となりが何となく伝わってくるからだ。
そこには使い古されてボロボロになった薬草辞典や各地の特産品ガイドブック、恋愛小説が数冊あった。

「恋愛小説がお好きなのかしら……?」

恋愛小説と聞いて、プリムラがリーリウムの元へやってきた。

「あら、この本は人気シリーズの最新刊ですわ。
少し前に刊行されたばかりの本です。」

プリムラは一冊手に取ると、瞳をきらめかせる。
本棚も良く見るとほとんどが恋愛小説で、古いものから最近のものまでさまざまだった。
プリムラが本棚を物色しはじめたところで、リーリウムは机上の最も小さな本を手に取った。
しかし、それは本ではなく、小さいながらも立派な装丁の日記帳だった。
誰かのものもはっきりとしない日記帳を勝手に見てもいいものか思案しつつも、そのページをめくったその時、その狭い部屋に眩い光が発生した。
その部屋にいた全員が目を開けられず、瞑った瞼からも光が伝わってくるほどの眩しさで、部屋もろとも吹き飛ばされるのではないかと慄いた。
しかし、ただ明るい光が生じただけで、しばらくするとその光も収まっていくのを瞼越しに感じる。
リーリウムたちは恐る恐る目を開けると、そこにはプリムラと同じくらいの年齢に見える少女が怒った様子で立っていた。
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