処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ

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目覚める心

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激闘の只中。
ユージンの呼吸は乱れ、膝がかすかに震えていた。全身に契約の小瓶の副作用がのしかかる中、それでも彼は剣を構え、復讐者と化した勇者レオンに対峙していた。

その時だった。

「――ユージン!」

凛とした声が、風を切って届いた。
戦場の縁に現れたのは、仲間たち――シリル、ルーカス、リディア、セリーヌ、レオ、そしてソフィアだった。

「お前を見つけるのに苦労したよ」
ルーカスが静かに言うと、その手に微かに光る魔法の残滓が揺れていた。

「俺の能力、記憶残響(レミニセンス・サーチ)で、お前の“迷い”を辿ったんだ。見つけたよ――お前の心の足跡を」

「……みんな……なんで……」
ユージンの手が震える。目の奥に、押し込めていた感情が滲み出す。

「何が正しいのかなんて、俺たちにもわからない。だけど、お前が一人で背負っていい重さじゃない」
シリルの声は、まるでかつての勇者を信じていたあの日のように、まっすぐだった。

「アルフォンス様は……無事よ」
セリーヌが一歩前に出て、微笑んだ。
「ベルナールが命をつないだわ。まだ動ける状態じゃないけど……でも、きっと回復する。あの人は」

「嘘じゃねぇよ」
ルーカスが続ける。「目を覚ましてて、こう言ってたんだ――“ユージンは、復讐に飲み込まれるような子じゃない”って」

その瞬間。
ユージンの胸に、何かが崩れる音が響いた。

――どうしてだ。どうしてそんな言葉を……。

「僕は……僕は……」
彼の剣が、かすかに下がる。

それを見ていたルシフェルの瞳が、凍りついたように細められる。

「……なんてこと……」

ゆっくりと空を舞う彼女の翼が、大きく羽ばたいた。
舞い落ちる羽根が、血のような紅に染まっていく。

「ようやく芽吹いた復讐の炎を、こんな言葉で揺らがせるとは……」

怒りと哀しみを帯びた声が、戦場全体を震わせた。
「ユージン・ファルクナー。貴方にはがっかりしました」

ルシフェルの掌に、漆黒の魔力が集まり始める。
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