処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ

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折れぬ誓い、共に掲げて

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血を吐き、膝をつくレオン。その目の前に、なおも迫る白銀の巨躯――《ゼノ・パラディウム》。

ギルデンスターとオーギュストの勝利宣言が響き渡る中、

「レオンさんっ!!」

その叫びとともに、閃光の如く割って入った影があった。

シリル・アーデン――
まだ少年の域を出ぬ騎士見習いが、己が全てを懸けて剣を振るった。

「俺は、まだ終わらせない……!あなたは、こんな所で終わる人じゃない!」

ゼノ・パラディウムの魔導砲が再び展開されるが、その起動術式に、シリルの剣が疾風のように突き込まれる。

「《抜刀術・裂雷牙》――!」

砲口を切り裂く一閃。
衝撃で飛び散る魔石の火花。その一瞬が、戦局を変えた。

シリルの剣は通用しない。だが彼は、「隙」を作ったのだ。

「……シリル、ありがとう」

傷だらけのレオンが立ち上がる。
彼の瞳が、再び燃える蒼を取り戻していた。

「これは俺だけの戦いじゃない……誰かを信じる力が、俺の中にもあったんだな」

右手の剣に、微かな雷光が宿る。
それは――ルシフェルの遺した“祈り”と、シリルの“信頼”が繋いだ力だった。

レオンが跳ぶ。

「《蒼雷剣・終式――断罪の双雷閃(デュアル・ブレイカー)》ッ!」

瞬間、レオンは幻影のように分身し、左右からゼノ・パラディウムを斬り裂く。

白銀の巨体に、亀裂が走った。

神聖術式が暴走し、聖印石が砕け、内側から光が吹き出す。

「ば、馬鹿なッ! この機体が、あの勇者風情に……ッ!」

ギルデンスターの叫びとともに、《ゼノ・パラディウム》は崩壊した。

崩れ落ちる機体の中、レオンはシリルの肩に手を置き、低く言った。

「……よく助けてくれたな。騎士見習い」

「いえ……俺が、助けられたんです。勇者としての、あなたの背中に」
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